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62.エリースト(1)
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居館にある牢屋にエレインが向かう。居館の最奥に、地下へと降りる階段がある。その階段を降りると暗い一室があり、その前に護衛騎士が立っているのが見えた。それは、牢屋の見張り番とはまた別だ。驚いて息を呑む。
「誰かが、先に……?」
エレインに付き従ってやってきた護衛騎士の一人が「見て参ります」といって先行をした。彼はすぐに帰って来て
「現在、アルフォンス陛下がご面会をしていらっしゃるご様子です」
と報告をした。なんだ、アルフォンスはもう部屋から出られるほど回復したのか……とエレインは驚いたが、護衛騎士の次の言葉には更に驚いた。
「そして、牢屋の中からは見えませんが……エリースト殿下がいらっしゃいます」
「!」
エレインはそっと静かに足を運ぶ。そういう歩き方をすると脇腹に痛みが走るが、出来るだけ物音を立てずに牢屋に近づく。
「!」
牢屋の入口付近に立っていたエリーストがエレインに気付いて、びくりと体を震わせた。エレインは、そっと人差し指を唇の前にあて「静かに」と囁いた。
ちょうどその時。牢屋の中にいる王太后は、アルフォンスに叫んだ。
「あの子だって、いつかはわたしを殺そうとするかもしれないでしょう! 信じられないわ! だから、わたしはあなたを選んだのよ、アルフォンス!」
「そう思っているのはあなただけだ。エリーストはあなたを殺そうとなぞしない」
「どうだか! クリスティアンはわたしをいつだろうと殺す気だったようだけどね。バーニャが嫁いだ後からは、殺すと何度も言ってわたしを脅していたもの。血が繋がっていたって、わたしはバーニャと幽閉されていましたからね。そんな繋がりは信用していないのよ!」
王太后は、気が狂ったかのように早口でまくしたてた。アルフォンスはそこで「王太后、口が過ぎる」と少しばかり声を荒らげた。それを聞いて、エレインは「ああ、やはりアルフォンスはエリーストが聞いていることをわかっている」と確信をした。そして、王太后からはエリーストのことを口には出させたくないということも。彼は、エリーストを傷つけたくてこの会話を聞かせているわけではないのだ。
だが、エレインの前でエリーストはがくがくと震えだし、彼の護衛騎士に「エリースト様、お戻りになられた方がよろしいかと」と囁かれた。
王太后はともかく、アルフォンスはエリーストがいることを知っている。まさかここで王族がみな顔を突き合わせてしまうことになるとは思っていなかった。が、実際そうなってしまっている。偶然にもほどがあるな……と心の中でため息をつくエレイン。
エリーストはそもそもどこまで話を聞いたのだろうか。少なくとも王太后が牢屋にいることを知っている。護衛騎士の口ぶりからすると、アルフォンスとは別でやって来たのだと思う。また、アルフォンスと待ち合わせをここでしていたわけでもないだろう。
そんなことを考えさせまいとでも思っているような王太后の声が響く。
「お前たちにはわからないでしょうね! いつ殺されるのか怯えて生きていたわたしやバーニャの気持ちなぞ……毎日毎日、夜眠る時、明日自分が生きているのかを考えては震えて眠れない夜を過ごす者の気持ちなぞ、わかりやしないでしょう!」
「そうですね。あなたの気持ちはわからない。しかし、父はあなたを殺す気はなかった。だというのに、裏切ったのはあなたの方だ。それに、あなたは戦で死んだ者たちやその家族の気持ちもわからないのでしょう。この国でもガリアナ王国でも。どれほどの犠牲者が出たのかすら理解しておられないご様子」
冷静なアルフォンスの言葉。だが、王太后はアルフォンスのその言葉をきちんと聞いていない。彼女は自分側の意見をただ叫んでいるだけで、一向にアルフォンスの言葉は響いていないのだ。
「たとえ幽閉されていたしても、あなたは王太后として正しくあらねばならなかった。もう、すべて遅い話ですが」
「今や、正統な王族はわたしとエリーストだけです。だというのに、わたしを殺すと言うの?」
「あなたは国王を殺したのでしょう。そして、操っていた公爵をも。あなたの天恵は男性を操るが、一度に操れる者は1人。そして、その相手が死ななければその者のみとなる。だから、公爵を殺したのですね?」
「そんな理由ではないわ。ただ、面倒だっただけよ」
何故か王太后は見せつけるような声音でそう言った。エレインはそれを聞いて「王太后は本当に何もわかっていない、ただただ自分が死にたくないとしか思っていなかったのだ」と理解をした。彼女にとっては臣下の命すら、虫けらとそう変わらないのだろう。
だが、それは彼女を幽閉していた側の責任とも言えた。彼女は基本的な倫理観が欠如をしているように思える。そうではなく見えていたのは、彼女が王族の女性としてのマナーやわきまえを身に着けてしまっていたからだ。そんな表面上のものは身につけさせておいて、基本的な倫理観が備わっていないのは、王城から出さず、まつりごとも、民も見せず、そして自分が殺されるかもしれないものの上の立場であると人々が長年接していたからだ。
きっと、彼女は人の生き死にも遠いこと、自分とは関係がないことだと思っているに違いない。だから、とても雑に、とてもあっさりと、簡単にエレインに手をかけようとした。ターニャに何も言わずに毒蛇を託したのも、王太后からすれば「特に気にすることもない」ことだったに違いない。そして、ターニャが万が一死んでも「ターニャはエレインを嫌っていたから」と言っていたのだろう。
「公爵はわたしに優しくしてくれたから、殺すのは残念だったけれど仕方がなかったのです。それに、公爵に言うことを聞かせてもわたしの命は守れませんからね……」
エリーストの護衛騎士が、助けを求めるようにエレインを見る。が、エレインは首を横に振った。エリーストはすっかり青ざめたまま、だが、今自分がここにいることを王太后に知らせたくない、あるいはアルフォンスに知らせたくない――アルフォンスは多分気づいているけれど――からか、息を潜めている。
(ここまで倫理観がなければ、何を話しても無駄だろう)
それをアルフォンスは見極めようとしているに違いない。
「エリースト様」
膝を折って、エレインはエリーストと目線を合わせた。すっかり彼は怯え、頬を真っ赤にして何かに耐えている。それは、王太后への怒りなのか悲しみなのか、自身への感情なのか。他の感情なのか。エレインには計りかねたが、彼女はゆっくりと小声で告げた。
「今はわたしが出る幕ではなさそうなので帰ります。エリースト様も、ご無理はなさいませんように」
「……」
こうして見れば、本当に幼い。5年後に彼が即位をするとしたって10歳。その頃には、王位につくための教育が終わっているのだろうか。それ以前に、心に多くの傷を負ったこの少年はこれからどう折り合いをつけていくのだろう。父が死に、兄が死に、そして多分この先、母も死ぬに違いない。それは、エレインにはどうにも出来ないことだ。
だが、この年の子供が泣き叫びもせずに耐えて、声を上げずに震えている。きっと、本当は利口な子供に違いない。エレインはそっと彼の頭を撫でて立ち上がると、静かに牢屋から離れた。
自分は事件の渦中にいた人間ではあるが、マリエン王国の一員であってそうではない。アルフォンスが王太后と何を話したか、エリーストをどうしたかったのか、それらに今は首を突っ込まない方が良い……エレインはそのまま光彩の棟へと戻るのだった。
「誰かが、先に……?」
エレインに付き従ってやってきた護衛騎士の一人が「見て参ります」といって先行をした。彼はすぐに帰って来て
「現在、アルフォンス陛下がご面会をしていらっしゃるご様子です」
と報告をした。なんだ、アルフォンスはもう部屋から出られるほど回復したのか……とエレインは驚いたが、護衛騎士の次の言葉には更に驚いた。
「そして、牢屋の中からは見えませんが……エリースト殿下がいらっしゃいます」
「!」
エレインはそっと静かに足を運ぶ。そういう歩き方をすると脇腹に痛みが走るが、出来るだけ物音を立てずに牢屋に近づく。
「!」
牢屋の入口付近に立っていたエリーストがエレインに気付いて、びくりと体を震わせた。エレインは、そっと人差し指を唇の前にあて「静かに」と囁いた。
ちょうどその時。牢屋の中にいる王太后は、アルフォンスに叫んだ。
「あの子だって、いつかはわたしを殺そうとするかもしれないでしょう! 信じられないわ! だから、わたしはあなたを選んだのよ、アルフォンス!」
「そう思っているのはあなただけだ。エリーストはあなたを殺そうとなぞしない」
「どうだか! クリスティアンはわたしをいつだろうと殺す気だったようだけどね。バーニャが嫁いだ後からは、殺すと何度も言ってわたしを脅していたもの。血が繋がっていたって、わたしはバーニャと幽閉されていましたからね。そんな繋がりは信用していないのよ!」
王太后は、気が狂ったかのように早口でまくしたてた。アルフォンスはそこで「王太后、口が過ぎる」と少しばかり声を荒らげた。それを聞いて、エレインは「ああ、やはりアルフォンスはエリーストが聞いていることをわかっている」と確信をした。そして、王太后からはエリーストのことを口には出させたくないということも。彼は、エリーストを傷つけたくてこの会話を聞かせているわけではないのだ。
だが、エレインの前でエリーストはがくがくと震えだし、彼の護衛騎士に「エリースト様、お戻りになられた方がよろしいかと」と囁かれた。
王太后はともかく、アルフォンスはエリーストがいることを知っている。まさかここで王族がみな顔を突き合わせてしまうことになるとは思っていなかった。が、実際そうなってしまっている。偶然にもほどがあるな……と心の中でため息をつくエレイン。
エリーストはそもそもどこまで話を聞いたのだろうか。少なくとも王太后が牢屋にいることを知っている。護衛騎士の口ぶりからすると、アルフォンスとは別でやって来たのだと思う。また、アルフォンスと待ち合わせをここでしていたわけでもないだろう。
そんなことを考えさせまいとでも思っているような王太后の声が響く。
「お前たちにはわからないでしょうね! いつ殺されるのか怯えて生きていたわたしやバーニャの気持ちなぞ……毎日毎日、夜眠る時、明日自分が生きているのかを考えては震えて眠れない夜を過ごす者の気持ちなぞ、わかりやしないでしょう!」
「そうですね。あなたの気持ちはわからない。しかし、父はあなたを殺す気はなかった。だというのに、裏切ったのはあなたの方だ。それに、あなたは戦で死んだ者たちやその家族の気持ちもわからないのでしょう。この国でもガリアナ王国でも。どれほどの犠牲者が出たのかすら理解しておられないご様子」
冷静なアルフォンスの言葉。だが、王太后はアルフォンスのその言葉をきちんと聞いていない。彼女は自分側の意見をただ叫んでいるだけで、一向にアルフォンスの言葉は響いていないのだ。
「たとえ幽閉されていたしても、あなたは王太后として正しくあらねばならなかった。もう、すべて遅い話ですが」
「今や、正統な王族はわたしとエリーストだけです。だというのに、わたしを殺すと言うの?」
「あなたは国王を殺したのでしょう。そして、操っていた公爵をも。あなたの天恵は男性を操るが、一度に操れる者は1人。そして、その相手が死ななければその者のみとなる。だから、公爵を殺したのですね?」
「そんな理由ではないわ。ただ、面倒だっただけよ」
何故か王太后は見せつけるような声音でそう言った。エレインはそれを聞いて「王太后は本当に何もわかっていない、ただただ自分が死にたくないとしか思っていなかったのだ」と理解をした。彼女にとっては臣下の命すら、虫けらとそう変わらないのだろう。
だが、それは彼女を幽閉していた側の責任とも言えた。彼女は基本的な倫理観が欠如をしているように思える。そうではなく見えていたのは、彼女が王族の女性としてのマナーやわきまえを身に着けてしまっていたからだ。そんな表面上のものは身につけさせておいて、基本的な倫理観が備わっていないのは、王城から出さず、まつりごとも、民も見せず、そして自分が殺されるかもしれないものの上の立場であると人々が長年接していたからだ。
きっと、彼女は人の生き死にも遠いこと、自分とは関係がないことだと思っているに違いない。だから、とても雑に、とてもあっさりと、簡単にエレインに手をかけようとした。ターニャに何も言わずに毒蛇を託したのも、王太后からすれば「特に気にすることもない」ことだったに違いない。そして、ターニャが万が一死んでも「ターニャはエレインを嫌っていたから」と言っていたのだろう。
「公爵はわたしに優しくしてくれたから、殺すのは残念だったけれど仕方がなかったのです。それに、公爵に言うことを聞かせてもわたしの命は守れませんからね……」
エリーストの護衛騎士が、助けを求めるようにエレインを見る。が、エレインは首を横に振った。エリーストはすっかり青ざめたまま、だが、今自分がここにいることを王太后に知らせたくない、あるいはアルフォンスに知らせたくない――アルフォンスは多分気づいているけれど――からか、息を潜めている。
(ここまで倫理観がなければ、何を話しても無駄だろう)
それをアルフォンスは見極めようとしているに違いない。
「エリースト様」
膝を折って、エレインはエリーストと目線を合わせた。すっかり彼は怯え、頬を真っ赤にして何かに耐えている。それは、王太后への怒りなのか悲しみなのか、自身への感情なのか。他の感情なのか。エレインには計りかねたが、彼女はゆっくりと小声で告げた。
「今はわたしが出る幕ではなさそうなので帰ります。エリースト様も、ご無理はなさいませんように」
「……」
こうして見れば、本当に幼い。5年後に彼が即位をするとしたって10歳。その頃には、王位につくための教育が終わっているのだろうか。それ以前に、心に多くの傷を負ったこの少年はこれからどう折り合いをつけていくのだろう。父が死に、兄が死に、そして多分この先、母も死ぬに違いない。それは、エレインにはどうにも出来ないことだ。
だが、この年の子供が泣き叫びもせずに耐えて、声を上げずに震えている。きっと、本当は利口な子供に違いない。エレインはそっと彼の頭を撫でて立ち上がると、静かに牢屋から離れた。
自分は事件の渦中にいた人間ではあるが、マリエン王国の一員であってそうではない。アルフォンスが王太后と何を話したか、エリーストをどうしたかったのか、それらに今は首を突っ込まない方が良い……エレインはそのまま光彩の棟へと戻るのだった。
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