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64.時は満ちる
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「はあ~、一時はどうなることかと思いました」
マーシアは湯あみを終えたエレインの髪を乾かしながら、改めてそう言って息をつく。侍女の割に彼女はなんとなく距離が近いが、それをエレインは許している。ランバルトの妹だからという理由ではない。彼女の距離の近さは、この国でまだ味方が少ないと思っているエレインにとってはありがたく、少しだけ心が穏やかになるからだ。
エレインはカウチで横になって、大きなクッションを背もたれがわりにして髪の手入れを委ねている。上質なガウンが心地よく、くつろぎのひとときとしては最上のものだ。
「あれから2週間以上経過しましたけれど、本当にもう大丈夫なのですね? 念のため、まだコルセットは絞めておりませんが……」
「すっかり。傷跡は普通にハッキリと見えるけれど、そのうちそれも薄くなるだろうな」
実のところ、傷の処置をした後に3日から5日程度は痛みがひどくなって苦しんだ。それまでは、鎮痛の薬や茶を飲んでいたのだが、それも効かなくなったのだ。それを近くで見ていたマーシアが心配をする気持ちもよくわかる。
「よかったです。アルフォンス様のお具合も大丈夫なのですか? 本当に来週遠方に行かれるのでしょうか……」
「問題なく」
驚いたのはアルフォンスの回復力の高さだった。いくら深手ではないとはいえ、太ももの治療は時間がかかる。だが、一体何がどうなっているのか、彼の治癒力は強く、エレインよりも早く治ったようだった。今ではもう毎日謁見を行っているし、来週にはエレインと共に遠方に出かける予定が入っている。
あれからターニャは謹慎をしていたが、そちらも来週には解除される。というか、解除してもらうことにした。エレインに必要なのはこの国のことを知って、一刻も早く人々に慣れること。そのためには、彼女の存在は必要だと思ったからだ。王太后の手の者だったという件を除けば、ターニャは優れた教育者だとエレインは考える。
今から新しい教育者を探すよりは、彼女にこのまま任せたい。だから謹慎を解いてくれ……そうエレインがわがままを言えば、すぐさま宰相はかけあってくれた。よくわからないが、ターニャに関しては他の臣下が担当をしているようだ。今のところ、ランバルトとミレッカー宰相に話をすればどうにかなっているものの、この先この王城にいることを考えれば、一刻も早く他の臣下を覚えなければいけないな……とエレインは思う。
「エリースト殿下は居館にお移りになったと?」
「はい。月華の棟はおかげで今はもう誰もおりません」
その辺の情報は侍女たちの情報網があてになる。担当をしていた者たちが異動になり、月華の棟の清掃が週に一度になったからだ。その代わり、居館の一室をエリーストの部屋にするために使用人たちはあれこれと忙しそうだった。聞けば、居館に移ると言い出したのはエリーストだったと言う。
(ということは、エリーストは殺さずに済むことになったのかな)
もし、その恐れがあればあのまま月華の棟に置いておいて、その後しかるべき牢に入れる、あるいは離れで幽閉という二択だっただろう。だが、居館に居を移したということは、エリーストがこの王城で王族として存在することを許されたということだ。
タオルを交換して何度も髪を拭くマーシア。それから髪に香油を塗る。ふわりと鼻孔をくすぐる、甘いけれどさっぱりとした香り。その加減はエレインの好みにあっていた。
「それにしても、本当に、本当に、お二方でお出かけになられるのですか……? 一国の国王夫妻が、そのように王城を空けていかれるなど、前代未聞ではないでしょうか」
「ふふ、マーシアはランバルトに似ているのだな」
「ええっ!? 似て、いませんよ!」
動揺をするマーシア。「ということは兄も……?」と恐る恐る尋ねてくるので、ついエレインは笑ってしまう。
「うん。ランバルトにも、よろしくないと言われた」
「それは兄だから、ではなく、一般的に考えてということでしょう?」
「そうとも言う。ああ、ありがとう」
エレインはそう言って体を起こす。湯で温まった体はすっかりと平熱に落ち着いて、ほてりもなければ湯冷めもない。
「王妃陛下、失礼いたします」
「うん」
もう一人の侍女が部屋に入って来る。手には、大量のオレンジの薔薇の花を抱えていた。
「ああ、よかった。まだ咲いていたのだな」
「はい。庭師の話によりますと、これが今年最後ではないかと」
「ちょうど、見ごろを見失ってしまったからな。花瓶も用意してもらえるだろうか?」
「はい」
ガゼボ周辺に植えたオレンジの薔薇。結局、あの薔薇が満開になる様子をアルフォンスと見る余裕がなかった。一連の事件が起きた頃に花は満開になり、そしてごたごたに巻き込まれている間に時期を逸してしまっていたので、もう見られないかもしれないと思っていたが、時期をずらして咲くように植えてくれていたらしい。
それでも、怪我をしてしまった互いが庭でまた茶を飲むことはなかなか難しく今に至る。エレインは薔薇を花瓶に活けてもらい、それを抱えて寝室に向かった。
「おっ!?」
寝室には、なんとアルフォンスが先にいた。彼はソファに座って読書をしていたようだった。オレンジの薔薇を抱えてやってきたエレインに驚いて、彼は立ち上がる。
「やあ、これは……ああ、時期がもう終わってしまうのかな」
「そのようですね。これは今年の最後の薔薇になると庭師が言っていたそうです」
「そうか。うん、綺麗だな。美しく咲いている」
「ええ、本当に」
そのオレンジの薔薇は、ふわりと丸い形を描いて内側の花弁を包み込んでいる。よくある薔薇は、芯の部分が高くなっているが、これは違う。種類があるのだな、としみじみとそれを見つめるエレイン。
「少し控えめで可愛らしいですね」
そう言ってテーブルの上に置く。柔らかなオレンジの灯りに照らされた薔薇は、艶やかで可愛らしいだけでなく華やかだ。アルフォンスは目を細めてそれを見て微笑んだ。
「わたしには花の良し悪しはよくわからない。ただ、綺麗だと思うだけだが……母がこれを好きだったことと、幼いあなたとの会話があったこと、どちらも思い出す、思い出の花になったことは間違いないな」
「ふふ、そうですね。ついでといっては何ですが、今のわたしのことも思い出していただけると」
エレインがそう言うと、アルフォンスはわずかに驚いた表情で「ここにあなたがいるのに?」と言ってから笑みを見せる。それへ、うまく言葉を返せなくなってエレインははにかんだ笑みを浮かべた。
「来年は、この花を見ながら庭園のガゼボで茶をしたいな」
「しましょうね」
「……そうだな」
アルフォンスは立ち上がってエレインに手を差し出した。ベッドに行こう、という意思表示だろう。それを理解したエレインは、内心どきどきしながら彼の手に手を重ねて立ち上がった。
「もう、怪我は大丈夫なのですか?」
わかっているが尋ねるエレイン。それは、なんとなく無言が照れくさい、気恥ずかしいゆえに言葉だ。それへアルフォンスは「うん」と軽く返す。
「あなたはどうだ?」
「わたしも大丈夫です。痛みはもうなく。傷は残っていますがほどなく消えるんじゃないかと」
「見せてくれ」
「えっ」
アルフォンスはそう言って、エレインをベッドの縁に座らせると彼女の寝間着をつまんだ。
「その、お見せ、するには、まくりあげないと……」
「うん」
真顔で頷かれ、エレインは仕方がないと腹を括る。結局自分はアルフォンスに甘いのだ。多分……そう思いながら、寝間着の裾をまくりあげた。白い太もも、下着が見え、それから脇腹の傷が見えた。彼はそっと指先でそこを撫でる。
「……痛そうだが、本当に大丈夫なのか」
「ええ。もうすっかりふさがっています」
傷口はふさがっているものの、赤い。が、エレインが「まったく。医師からも、もう運動をしても大丈夫と数日前からお墨付きです」と真面目に言えば、アルフォンスは
「そうか。わたしも、もう運動をして構わないと数日前から言われていた」
と言って「はは」と笑った。互いに同じか、とついエレインも声を出して笑う。
「同じですね……アルフォンス!?」
めくりあげた寝間着を元に戻そうとするエレインの手を押さえ、アルフォンスは彼女の脇腹に唇を寄せた。エレインはびくりと体を震わせ、斜めになって覆いかぶさる彼の体にしがみつく。
「あっ……あ、あ、駄目……」
彼の舌が、傷口を這う。もう痛みはまったくない。が、不思議なもので、新たに繋がった場所、新たに結びついた細胞だからなのか、傷口付近はやたらと感度が高い。ちゅ、ちゅ、と音を立ててキスをされ、舌を這わされ、それらすべてが性的な刺激としてエレインを襲う。
「アルフォンス……アルフォンス、許して……!」
息を荒げてそう言うと、ようやくアルフォンスは顔をあげた。
「エレイン」
「え……」
「そんな、無防備な声をあげるなんて。本当にあなたは可愛い人だ」
そう言うと、彼はエレインの唇を奪う。何度も角度を変えながらキスを繰り返しながら、彼はそっとエレインの体をベッドに倒す。ああ、なんだかすべて飲み込まれてしまう……不思議とそんなことを思いながら、エレインは彼に従ったのだった。
マーシアは湯あみを終えたエレインの髪を乾かしながら、改めてそう言って息をつく。侍女の割に彼女はなんとなく距離が近いが、それをエレインは許している。ランバルトの妹だからという理由ではない。彼女の距離の近さは、この国でまだ味方が少ないと思っているエレインにとってはありがたく、少しだけ心が穏やかになるからだ。
エレインはカウチで横になって、大きなクッションを背もたれがわりにして髪の手入れを委ねている。上質なガウンが心地よく、くつろぎのひとときとしては最上のものだ。
「あれから2週間以上経過しましたけれど、本当にもう大丈夫なのですね? 念のため、まだコルセットは絞めておりませんが……」
「すっかり。傷跡は普通にハッキリと見えるけれど、そのうちそれも薄くなるだろうな」
実のところ、傷の処置をした後に3日から5日程度は痛みがひどくなって苦しんだ。それまでは、鎮痛の薬や茶を飲んでいたのだが、それも効かなくなったのだ。それを近くで見ていたマーシアが心配をする気持ちもよくわかる。
「よかったです。アルフォンス様のお具合も大丈夫なのですか? 本当に来週遠方に行かれるのでしょうか……」
「問題なく」
驚いたのはアルフォンスの回復力の高さだった。いくら深手ではないとはいえ、太ももの治療は時間がかかる。だが、一体何がどうなっているのか、彼の治癒力は強く、エレインよりも早く治ったようだった。今ではもう毎日謁見を行っているし、来週にはエレインと共に遠方に出かける予定が入っている。
あれからターニャは謹慎をしていたが、そちらも来週には解除される。というか、解除してもらうことにした。エレインに必要なのはこの国のことを知って、一刻も早く人々に慣れること。そのためには、彼女の存在は必要だと思ったからだ。王太后の手の者だったという件を除けば、ターニャは優れた教育者だとエレインは考える。
今から新しい教育者を探すよりは、彼女にこのまま任せたい。だから謹慎を解いてくれ……そうエレインがわがままを言えば、すぐさま宰相はかけあってくれた。よくわからないが、ターニャに関しては他の臣下が担当をしているようだ。今のところ、ランバルトとミレッカー宰相に話をすればどうにかなっているものの、この先この王城にいることを考えれば、一刻も早く他の臣下を覚えなければいけないな……とエレインは思う。
「エリースト殿下は居館にお移りになったと?」
「はい。月華の棟はおかげで今はもう誰もおりません」
その辺の情報は侍女たちの情報網があてになる。担当をしていた者たちが異動になり、月華の棟の清掃が週に一度になったからだ。その代わり、居館の一室をエリーストの部屋にするために使用人たちはあれこれと忙しそうだった。聞けば、居館に移ると言い出したのはエリーストだったと言う。
(ということは、エリーストは殺さずに済むことになったのかな)
もし、その恐れがあればあのまま月華の棟に置いておいて、その後しかるべき牢に入れる、あるいは離れで幽閉という二択だっただろう。だが、居館に居を移したということは、エリーストがこの王城で王族として存在することを許されたということだ。
タオルを交換して何度も髪を拭くマーシア。それから髪に香油を塗る。ふわりと鼻孔をくすぐる、甘いけれどさっぱりとした香り。その加減はエレインの好みにあっていた。
「それにしても、本当に、本当に、お二方でお出かけになられるのですか……? 一国の国王夫妻が、そのように王城を空けていかれるなど、前代未聞ではないでしょうか」
「ふふ、マーシアはランバルトに似ているのだな」
「ええっ!? 似て、いませんよ!」
動揺をするマーシア。「ということは兄も……?」と恐る恐る尋ねてくるので、ついエレインは笑ってしまう。
「うん。ランバルトにも、よろしくないと言われた」
「それは兄だから、ではなく、一般的に考えてということでしょう?」
「そうとも言う。ああ、ありがとう」
エレインはそう言って体を起こす。湯で温まった体はすっかりと平熱に落ち着いて、ほてりもなければ湯冷めもない。
「王妃陛下、失礼いたします」
「うん」
もう一人の侍女が部屋に入って来る。手には、大量のオレンジの薔薇の花を抱えていた。
「ああ、よかった。まだ咲いていたのだな」
「はい。庭師の話によりますと、これが今年最後ではないかと」
「ちょうど、見ごろを見失ってしまったからな。花瓶も用意してもらえるだろうか?」
「はい」
ガゼボ周辺に植えたオレンジの薔薇。結局、あの薔薇が満開になる様子をアルフォンスと見る余裕がなかった。一連の事件が起きた頃に花は満開になり、そしてごたごたに巻き込まれている間に時期を逸してしまっていたので、もう見られないかもしれないと思っていたが、時期をずらして咲くように植えてくれていたらしい。
それでも、怪我をしてしまった互いが庭でまた茶を飲むことはなかなか難しく今に至る。エレインは薔薇を花瓶に活けてもらい、それを抱えて寝室に向かった。
「おっ!?」
寝室には、なんとアルフォンスが先にいた。彼はソファに座って読書をしていたようだった。オレンジの薔薇を抱えてやってきたエレインに驚いて、彼は立ち上がる。
「やあ、これは……ああ、時期がもう終わってしまうのかな」
「そのようですね。これは今年の最後の薔薇になると庭師が言っていたそうです」
「そうか。うん、綺麗だな。美しく咲いている」
「ええ、本当に」
そのオレンジの薔薇は、ふわりと丸い形を描いて内側の花弁を包み込んでいる。よくある薔薇は、芯の部分が高くなっているが、これは違う。種類があるのだな、としみじみとそれを見つめるエレイン。
「少し控えめで可愛らしいですね」
そう言ってテーブルの上に置く。柔らかなオレンジの灯りに照らされた薔薇は、艶やかで可愛らしいだけでなく華やかだ。アルフォンスは目を細めてそれを見て微笑んだ。
「わたしには花の良し悪しはよくわからない。ただ、綺麗だと思うだけだが……母がこれを好きだったことと、幼いあなたとの会話があったこと、どちらも思い出す、思い出の花になったことは間違いないな」
「ふふ、そうですね。ついでといっては何ですが、今のわたしのことも思い出していただけると」
エレインがそう言うと、アルフォンスはわずかに驚いた表情で「ここにあなたがいるのに?」と言ってから笑みを見せる。それへ、うまく言葉を返せなくなってエレインははにかんだ笑みを浮かべた。
「来年は、この花を見ながら庭園のガゼボで茶をしたいな」
「しましょうね」
「……そうだな」
アルフォンスは立ち上がってエレインに手を差し出した。ベッドに行こう、という意思表示だろう。それを理解したエレインは、内心どきどきしながら彼の手に手を重ねて立ち上がった。
「もう、怪我は大丈夫なのですか?」
わかっているが尋ねるエレイン。それは、なんとなく無言が照れくさい、気恥ずかしいゆえに言葉だ。それへアルフォンスは「うん」と軽く返す。
「あなたはどうだ?」
「わたしも大丈夫です。痛みはもうなく。傷は残っていますがほどなく消えるんじゃないかと」
「見せてくれ」
「えっ」
アルフォンスはそう言って、エレインをベッドの縁に座らせると彼女の寝間着をつまんだ。
「その、お見せ、するには、まくりあげないと……」
「うん」
真顔で頷かれ、エレインは仕方がないと腹を括る。結局自分はアルフォンスに甘いのだ。多分……そう思いながら、寝間着の裾をまくりあげた。白い太もも、下着が見え、それから脇腹の傷が見えた。彼はそっと指先でそこを撫でる。
「……痛そうだが、本当に大丈夫なのか」
「ええ。もうすっかりふさがっています」
傷口はふさがっているものの、赤い。が、エレインが「まったく。医師からも、もう運動をしても大丈夫と数日前からお墨付きです」と真面目に言えば、アルフォンスは
「そうか。わたしも、もう運動をして構わないと数日前から言われていた」
と言って「はは」と笑った。互いに同じか、とついエレインも声を出して笑う。
「同じですね……アルフォンス!?」
めくりあげた寝間着を元に戻そうとするエレインの手を押さえ、アルフォンスは彼女の脇腹に唇を寄せた。エレインはびくりと体を震わせ、斜めになって覆いかぶさる彼の体にしがみつく。
「あっ……あ、あ、駄目……」
彼の舌が、傷口を這う。もう痛みはまったくない。が、不思議なもので、新たに繋がった場所、新たに結びついた細胞だからなのか、傷口付近はやたらと感度が高い。ちゅ、ちゅ、と音を立ててキスをされ、舌を這わされ、それらすべてが性的な刺激としてエレインを襲う。
「アルフォンス……アルフォンス、許して……!」
息を荒げてそう言うと、ようやくアルフォンスは顔をあげた。
「エレイン」
「え……」
「そんな、無防備な声をあげるなんて。本当にあなたは可愛い人だ」
そう言うと、彼はエレインの唇を奪う。何度も角度を変えながらキスを繰り返しながら、彼はそっとエレインの体をベッドに倒す。ああ、なんだかすべて飲み込まれてしまう……不思議とそんなことを思いながら、エレインは彼に従ったのだった。
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