溺愛魔王は優しく抱けない

今泉 香耶

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リーエンの才能

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 ヴィンスはアルフレドの対応にかかりきり、ジョアンはアルフレドの代わりに執務に取り掛からざるを得ないため、何が起きているのかまったくよくわかっていないコーバスがダリルに呼び出された。

「これは、わたしは何かよからぬことに巻き込まれましたか?」

 なんて言いながらやってきたコーバスだったが、彼は知識とリーエンには甘い。リーエンがとんでもないことに気付いたらしい、と聞いて、コーバスは「それは、お招きいただき僥倖」などと言い出す始末だ。

「わたし、気付いたんです。この石、研磨されていなくて、とてもいびつだなって思っていたんですけど……」

「うん」

「これ、1つ1つ、巡礼の洞窟の石碑と同じ形をしているんです」

「は……」

 本当か? こんな雑な、研磨されていない原石の欠片の形と石碑の形が一緒だなんて見てわからねぇだろ……、とダリルが言おうとした瞬間、コーバスが

「あなたがおっしゃるならそうなのでしょうね」

と言い、護衛騎士もまた

「リーエン様がおっしゃるなら間違いありませんね」

と言い、バーニャもまた

「なるほど」

と全員彼女の言葉に疑いなく頷くので、ダリルは1人で「おいおいおい、どういうことだよ」と焦ることになる。

「ああ、坊主は知らないのですね、リーエン様のわけがわからない才能を」

 そのコーバスの言い草に、リーエンは困惑の笑みを浮かべる。確かに言葉にすれば「わけがわからない才能」なのかもしれないが、あまりにも雑ではないか。

「リーエン様は映像記憶に非常に優れていらっしゃって、のみならず、物の形状認識が非常に鮮明という、一風変わっている方向に才能がおありなんですよ」

「は?」

 どういう意味だ、と眉を寄せるダリルに護衛騎士の1人が興奮気味に割り込む。

「そうです! それに、リーエン様はアイボール達の見分けがつくんですよ!」

「は?」

 更にはバーニャまで声を荒げてしまう。

「リーエン様がお花を見分けるお力も尋常ではございません!」

 人々の訴えにダリルは「は?」としか返せなくなる。彼は全然リーエンという人間に興味がなく、彼女の情報をアルフレドからもジョアンからもあまり聞いていなかった。(というより、魔界召集で娶った自分の嫁のことで手いっぱいで他人のことを聞いている暇もなかったというのが現実なのだが)

「えーーー、で、なんだって? これの石と、石碑が同じ形……?」

「はい。はい、そうです。そうすると、1つ余るじゃないですか」

「余るね」

「わたし、おかしいと思ったんです。コーバス先生やアルフレド様からこの指輪についての由来といいますか、成り立ちというか、その、昔のお話をお聞きして、何かずっとひっかかっていて……」

「うん」

「巡礼をしているのは『魔王妃候補』であって『魔王妃』ではありませんよね……?」

「んっ?」

 リーエンのその言葉に、コーバスとダリルは顔を見合わせた。

「わたし、気付いたんです。ヴィンス様に、5日目の巡礼では『魔王の眷属となる権利』を得るって聞いて、そうだ、権利を与えられた者としてそこで登録されるとしても……結婚は別ですものね? 5日目の巡礼を終わっても、あくまでもわたしは権利を得ているだけで、まだそうではないんですもの」

「あ……」

 ダリルはわかったぞ、という顔になるが、コーバスはまだ不思議そうな表情だ。

「妖精界の女王は『魔王妃』の魔力を抜き取りたいんですよね? なら、この魔石に魔力が入るのは……わたしにはよくわからないんですけど、あるいは、最後の出来上がりのタイミングなのかしら? なんにせよ、5回の巡礼の間に魔力が入っても、それは『魔王妃候補』が持つ魔力が魔石に入っただけであって、みなさんがおっしゃるような『疑似的』にでも『魔王妃』の魔力の代わりにならないと思うんです」

 ダリルは即座に彼女が言いたいことを理解をした。

「……コーバス先生、いくぞ」

「行く?」

「リーエンちゃん、立てるか? 一応俺も、確認してからアルフレドやヴィンス師に報告したいからさ」

「はい」

 話がわかっているのは、ダリルとリーエンだけだ。他の面々は一切意味が分かっていないし、護衛騎士にいたっては指輪の成り立ちをよく知らない者がほとんどなので、ぽかーんとしている。

「どこに行くんですか」

 慌てるコーバスにダリルがにやにやと笑いながら

「数日後に、リーエンちゃんが人妻になっちゃうトコ」

と、厭らしい表現をし、リーエンのひんしゅくをかうのだった。




「すっげぇな! 本当に同じ形だ!」

 ダリルは指輪と結婚式の間にある石碑を何度も見比べて、驚きを隠せない。

「んだけど、あれだよな。他の巡礼の石碑と違って何も書いてないもんな」

 それについては、今度はコーバスの方が先回りをしていたようで、先程のお返しと言いたげにダリルににやにやと笑いかける。

「あなたがおっしゃったんでしょう。リーエン様が人妻に、つまり、魔王妃になる場所だと。魔王妃になるのはいつですか」

「いつって、そりゃ……なんだっけ? ここで何するんだっけ? あれか、なんか宣言するんだったっけか」

「あなたにはその辺の儀式の知識がないのですね。ここで、魔王と魔王妃候補は立会人の後に儀式用の文言を復唱して指輪を交換して婚姻の儀は完了します。だったら、文言は石碑に書く必要もありますまい」

「……そういうこと?」

「ですが、歴代の魔王と魔王妃はここでそれを行っていました。なのに、魔石に魔力が注入されていないということは……」

 とコーバスが言えば、賢い生徒であるリーエンが答える。

「儀式はどんどん簡略化されていっていたとお伺いしました。わたしがお聞きした内容は……指輪は昔は魔王妃がこれをつけていたのに交換用の指輪になってしまったということと、文言が古い魔族語から今の言葉になったこと、この二つです」

 そのどちらかが必要要素だったのだと考えるのが妥当なのだろう。

「その通り。ヴィンスさんに調べてもらえばわかると思いますが、きっと文言ですね。指輪をしているかどうかは、それを判定をするためのものが特にありませんし」

「でも、巡礼の洞窟の石碑は今の言葉ですのに?」

「そこはいちいち言語を揃える必要はありませんよ。ここで当時言われていた文言がその当時は旧魔族語だったから、というだけです。たったそれだけな気がしますねぇ。ええ、試してみる価値はあるでしょうね」

「ってなると、今からリーエンちゃんが昔の魔族語覚えなきゃ駄目ってことなんじゃね? 間に合うわけ?」

 と心配するダリルに、コーバスとリーエンは満面の笑みを向けた。

「アルフレド様も、なかなか良い仕事をしたようですよ」

「ええ、ダリル様にこの前助けていただいた時、アルフレド様は良い仕事をしてくださっていたご様子ですね」

 それは、最近何かと責められがちなアルフレドが唯一評価された瞬間だったが、きっと本人はまったく嬉しくないことだろう。



 リーエンの発見について、すぐ様ダリルからヴィンスに伝えられ、アルフレドとジョアンまで話は通った。ヴィンスは部下に――彼には一応肩書きがあって部下もいるのだ――6つめの石碑に術式が埋め込まれていないかどうか調査の依頼をすると共に、リーエンに報告書の作成を提案した。リーエンが明日もう一度巡礼を行えば、きっと彼女の記憶は操作されて消えるだろうし、その前に資料に残せたら、ということらしい。

 おかげで、脳を休める暇もなくリーエンは、初日からの巡礼の内容を全て報告書にして提出することになった。その代わり、万全を期して巡礼は一日予定を遅らせることになる。少しだけリーエンの心は急いたけれど、ヴィンスの指示には従った方が良いと全面的な信頼を寄せているし、巡礼の予備日はそれでも1日残るため素直に従うことにした。

「思い出したとはいえ、やっぱり文言はあんまり覚えていなかったです……」

 リーエンは魔族語の読み書きはまあまあ出来るようになったものの、今の時点ではまだ人間界の公用語の方が得意だ。それに、報告書のようなものはまだ魔族語で取り掛かったことはないし、今回だけの例外として、人間界の公用語での報告書を許された。彼女の報告書は後からジョアンが「ガートラの始祖の知識を引き出して」魔族語に書き換えてくれるのだと言う。

「あなたは本当に凄いですね」

 と、リーエンが描いた石碑や石扉の先の室内の様子を見てコーバスは驚く。

「あの、絵はあまり得意ではないのですが、こういう……形だけを表すのはまあまあ得意なのです」

「きっとこれが、あなたが魔界に残す大きな足跡の一つ目となるのでしょうね」

「お役に立てれば良いのですが」

「きっと、最初で最後ですよ。魔王妃巡礼の資料をこんな具体的に残せるなんて。文言は覚えていなくてちょうどいいぐらいだと思いますし、本当に良い仕事をなされましたね」

「すべて偶然が重なってのことですし、わたしは何も」

「謙遜のし過ぎはよろしくない」

 それは先日も言われたことだ、とすぐにリーエンは思い出してはっとなる。

「そうですね。失礼しました。お褒めに与り光栄です」

 ヴィンスとアルフレドとはまた違うものの、コーバスとリーエンは穏やかな師弟関係をこの20日間で築いてきたことがわかる会話だ。きっとアルフレドが聞いていたら、コーバスに嫉妬をしてしまったことだろう。

 リーエンの集中力たるや相当なもので、コーバスはそれを見守りながら「魔王妃は魔王の執務の手伝いも出来るほどの能力があるのでは?」とも考えるほどの勢いで、何やらカリカリと書き綴り続ける。が、実のところリーエンが集中しているのには理由がある。

(なんにせよ、これを書いている間は……)

 書いている間は、忘れられる。
 10年前のことを思い出し、あの神官のことを思い出し、様々なものと結びつけ、そして。

(アルフレド様のことまで、はっきりと、ええ、はっきりと、意識を出来るようになってしまったことを……!)

 思い出すな思い出すな、目の前のことに集中しろ。リーエンはただただ資料作成に打ち込んで、自分の心の内を誰にも漏らさぬように――何故ならまだ彼女自身うまく整理が出来ていないのだ――過ごすことに精一杯だったのだ。




「アルフレド様。6つめの石碑の解析はやはりうまく出来ませんが、なんらかの術式が刻まれていることだけはわかりました」

「そうか……」

 ヴィンスの部屋はごちゃごちゃしていて、一見彼1人のための城にしか見えないが、そこからしか転移出来ない奥に彼専用の研究室がある。アルフレドはそこに設置されたベッドに横たわった状態で、ヴィンスからの報告を聞いていた。

「リーエン様の推測は当たっていると思われまする。むしろ、最後の石碑の前でこそ、指輪に魔力が注入されるのではないかという仮説が」

「そこまでの5カ所は?」

 アルフレドはほぼ全裸で軽く薄布をかけた状態だ。目を開けることが出来ないようで、横向きで目を閉じたまま会話をする。普段は邪魔だと隠している、黒い翼も、きっとリーエンが見れば「そんな尻尾だと思いませんでした……!」と驚くような、黒く長いトカゲのような――コーバスの一族とそれは似ていて非なるものなのだが――細長い尻尾も隠していない。それは、過去彼の眷属が体長が長い巨大な竜に変化を出来ていた頃の名残で、魔界に住んでいる竜人族由来のものではない。

 余談だが、ヴィンスが「質量がおかしい」と言っていたのは、魔王の眷属は竜に変化することは出来なくなっているのに、様々な意味でアルフレドは先祖がえりをしていて「竜に変化出来ていた頃の彼らの質量」を持っている。アルフレドは決して人間型以外に変化出来ないというのに。彼は生物として、魔力の保持量以外もそもそも異常なのだ。そして、いつもは隠している翼や尻尾を隠すことすら今は出来ず、仰向けになれない。

「魔界側と同じですな。魔石そのものに、魔王妃候補の登録をしているようです」

「あぁ……なるほど……替え玉防止みたいなものか」

「でしょう。なるほど、儀式を切り離せないわけです。結局、妖精界の女王は魔界側の儀式の上にのっかって術を施したということですからな」

「それならば納得がいく。いくら当時の妖精界の女王が大きな力を持っていても、魔界側の巡礼の術式にそこまで干渉するほどとは思えなかったので、どうにもすべてにおいて眉唾だった。疑似的な儀式をしているふりをして、魔界側が疑似的に抑えていたのは最後の石碑の術式だけなのだろう? 巡礼5カ所は完全に、単に魔王妃候補の固体確定のための術をそのまま魔石に流用させただけだな……」

「ご名答、と言えるでしょうな。6つめの石碑こそが魔王妃の魔力抽出のキーになるもので、そこを昔の魔王か誰かが、魔王妃以外の魔力を注入するように書き換えたようですな。相当な力だったことでしょう、それも」

「しかし、たった一度の魔力注入で、妖精界を安定させるための魔力を回収する術なぞ……魔界の空気中に含まれている微量な魔力を一気にそこで凝縮させるのか? 5回に渡ってそれをしている、という方がまだわかるのだが」

「仮説ですが、結婚式に訪れた高位魔族達からも、回収されていたんじゃないかと思いまするよ」

「……ああ……」

「資料は残っておりませんが、昔はきちんと大量の魔族が列席していたのではないですかねぇ……どんどん変化してきたので、来なくてもいいとか、参列しなくてもいいとか、お互いに人減らしをする方向で今に至りますが」

「……」

「ま、すべてが今の時点では仮説でありますから……何にせよ、散々やらかしたと思われていたあなた様の術が、こうして問題解明に貢献するとはよもや……ああ、お眠りになりましたか」

 アルフレドは意識を落とした。彼は様子を外に出していないが、今、相当な苦痛に苛まされている。ヴィンスの術式で研究室は外部を可能な限り探知出来ないようにしているが、アルフレドはそれでもリーエンが城内にいることを感じ取り、すぐにでも彼女を犯して中に放ちたいという衝動を抱えながら、かつ、認識阻害を解除したペナルティを受けて魔力暴走と戦っている。

 本当に時々、ぽつりと「熱い」と彼は呟く。それは寝言のようなものだ。そして、寝言でありつつ、本当のことだ。別室でヴィンスは部下にもアルフレドの魔力動向を解析させており、自分が死んだ後に部下達が自分の代わりになるように育てているが、その部下達も「1人の魔族が抱えられる魔力量と制御量を超えている」とみな口を揃えて言っている。彼らに「だが、これでも半分の魔力は切り離しているのだ」と教えてはいないが、きっとにわかには信じてもらえないだろうと思う。

 体温があがっているわけではないが、熱いという体感がずっと続いているはずだ。解析している数値を見ると、何の術を使っているわけでもないのに時折瞬間的に魔力放出をしそうになり、ギリギリのところでそれを抑えている。結果的に魔力を使ってはいないが、体だって何かの動作をしようとすれば予備動作が発生するし、そこで止めても止めるという行為が発生する。いうなれば、今はその状態を体内で繰り返して、動かなくて良いのにずっと動き続けているようなものだ。しかも、最終目標は魔力放出を止め続けることではなく「発生させないように」することなのだし、そうそう簡単にはいかない。

「本当に難儀なお方でありますな……ですが、そんなあなた様が望む女性を伴侶に出来る上に、こうしてあなた様が楽になる方法を共に模索してくださるのですから、難儀ながらも捨てた人生でもありますまい……」

 きっと、アルフレドがその言葉を聞いていれば「奇遇だな。自分もこの前、初めて人生は面白いと思ったところだ」と笑ったに違いない。そして、それはヴィンスが言う通り、リーエンがもたらしたものだと。
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