溺愛魔王は優しく抱けない

今泉 香耶

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溺愛魔王は善処する

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 魔界召集から50日以上経過したものの、娘を失ったカスパーブルグ卿とその家族の心の傷が癒えるにはまだ早い。そんな彼らに国王からの密書が届き、魔界からの使者がカスパーブルグ邸を訪れることになった。先方は「リーエンが住んでいた部屋」を指定し、立ち会えるのはカスパーブルグ卿とその子供のみとのことだった。

 魔界から直接こうした対面を求められるのは初めてのため、国王から「決して粗相がないように」と強く命じられ、カスパーブルグ卿と息子1人、娘1人は正装でその時間を待った。もてなしのようなことは一切不要とは言われていたが、念のために部屋の外には女中達を待機させている。

 立場上座っているわけにもいかず立っていると、突如「ブゥン」と耳障りな音と共に、空中に光る不思議な文字や図形が浮かび上がった。それは、魔界からの簡易転移ゲートの魔法陣だ。それを使って彼らの前に転移してきた使者は、使者とは呼べない立場の人物だった。

「うむ。こちらの指示を完全に守ったようだな。今からこの部屋はことが終わるまで完全に防音がほどこされ、誰も出入りが出来ぬようになる」

 現れたのはアルフレドだ。魔王としての権威を必要とするためか、角も、翼も、尻尾も出したままで、だが、それらを邪魔しない衣類――布を上下に巻き付けるタイプの服だ――を着用している。

 彼が現れると同時にカスパーブルグ家の人々は床に膝をついて頭を垂れた。そういう形で迎える以外、魔界からの使者をどう迎えて良いのか彼らは知らなかったからだ。

「顔をあげよ。俺は魔王アルフレド。魔界を統べる者だ」

 その言葉に、息子と娘は体をわずかに震わせる。彼らは正しく魔界について理解をしており、その強大な力の前には自分達は虫けらのように簡単にひねりつぶされることを知っていた。なんとか父親であるカスパーブルグ卿が震えずにいられたのは、子供達を守らなければいけないという気概からだったのかもしれない。

 勇気を出して顔をあげた3人は、アルフレドが異形の者であることに気付き、特にリーエンの姉はがたがたと震えだす。アルフレドは高さが低いチェストに雑に腰を下ろした。

「魔王に対してどう振舞えば良いかお前たち人間はわからぬだろうから、先に言っておく。お前たちが思っている通り、魔界は簡単に人間界を滅ぼすことも侵略することも出来る。だが、それでも時にどうにも出来ぬことはどんな世界でも発生するものだ。そして、そのどうにも出来ぬことを、リーエン・トリニーダ・エルカスタル・カスパーブルグが我らのために解決してくれた」

 え、とみな驚きの表情でアルフレドを見た。

「魔界は厳しくも時に寛大だ。リーエン・トリニーダ・エルカスタル・カスパーブルグの功績に対する褒賞として、魔界召集後に本来なら決して人間が得られぬはずの特別な権利を与えた。ファリダン・トリニーダ・エルカスタル・カスパーブルグ。これを」

 アルフレドがリーエンからの手紙を出せば、カスパーブルグ卿は近付いてそれを恭しく受け取る。

「俺が魔界に帰ってから読むが良い。リーエンからの手紙だ」

「あ……ありがとうございます……!」

「もう1つ、リーエンからメッセージを預かって来た。人間界にはないものだが、魔界にある映像記録の魔法で、今の彼女を映したものだ。2度しか再生出来ないものなので、冷静に、聞き洩らすことなく見るが良い」

 アルフレドは魔石を取り出してリーエンの姿を空中に投影した。そういった術を見たことがない3人は驚きに身を竦めてから、次はそこに映っているリーエンに駆け寄ろうとする。が、当然それが「そこにリーエンがいるわけではない」と理解をすると同時に、リーエンからの言葉を聞く暇もなくみな泣き崩れた。

 きっと、最初はわけがわからないだろうとアルフレドに助言をされたリーエンは、最初から本題を切り出さずに記録石の映像の説明から入っていたため、泣いている家族がなんとか映像である彼女の言葉に耳を傾けられるようになる頃、本題に入った。

 自分は元気であること。伝えたいことは手紙に書いたので、ただ、自分が幸せな結婚を出来たのだということを見て欲しくて、結婚式の装いを今しているのだと。自分が選んだドレスだが似合っているだろうか。姉の結婚式を見られないのは残念だが、きっと綺麗なんだろうな、と。彼女らしい、とりとめのないことを少し話して。

「信じてもらえないかもしれないけれど、わたしはわたしを選んでくださった方を愛しています。今でも人間界が恋しくなってたまに泣いちゃうけど、わたしが幸せであることは何の疑いももたないでください。本当に遠くに嫁に行ったんだなって思ってもらえたら嬉しいです。そして、離れていても、みんなの幸せをずっと願っています」

 それが、リーエンからの最後の言葉だった。それまで、必死にこらえていただろうカスパーブルグ卿の口から嗚咽が漏れ、父親のその姿に子供達も我慢が出来なくなったようで、彼らはしばしどうにも出来ぬ涙を流し続けた。アルフレドはそれに何も言わず、彼らが落ち着くまで周囲を見渡して「これがリーエンの部屋か」と観察をしている。

「みっともない姿をお見せしました。お許しいただけますでしょうか」

「うむ。娘を思う心あれば、それも仕方のないことだ。あと1回再生できるが、その前に俺からの話を少し聞いてもらいたい」

「はっ、なんなりと」

「リーエン・トリニーダ・エルカスタル・カスパーブルグは、先日魔王妃となった」

 彼のその言葉に一同はぽかんとした。魔王妃。聞き慣れない言葉であったが、何度か繰り返し考えれば、どうやらそれは目の前にいる魔王の妻になったという意味なのではないのかと理解が追い付く。

「魔界には必要がない貴族の矜持を持ち続けて時に面倒なところもあるが、それはお前たちが彼女に与えた大きな力であるし、魔界に足りぬものだからこそ我らが出来ぬことを今後も成し遂げることだろう。それに、なんだ、あの能力は。やたらと形や色を覚えていて、かと思えば人の名前を覚えるのはからきしだし、怒りすぎたり混乱すると焼き菓子を大量に食べながら落ち着くなんて聞いたことがない」

 そのアルフレドの言葉に、カスパーブルグ家の人々は「この魔王とやらとリーエンは本当に交流があるのだ」と嫌でも理解する。この魔王のもとにリーエンが嫁いだのか、とみな半信半疑だったが、彼の言葉でそれを信じることが出来た。

「あの、あの、リーエンは魔界でも焼き菓子を食べているのですか……」

 恐る恐る姉であるジェシカがそんな間抜けな問いを投げれば、アルフレドは呆れたように

「食べなければいけないような状況を作ってしまったこちらが悪いのは承知の上だが、真夜中に木いちごのパイ3つ、スコーン2つ、大量のクッキーを食べた時はさすがに運動させなければと思ったぞ」

と答える。ジェシカは「ああ、そんなことに……」と嘆かわしい、という表情になるが、カスパーブルグ卿はその逆だ。

「なるほど。我が娘があなた様の元へ嫁いだことは事実なのですね。そして、そんな姿をお見せするほどにあなた様に気を許しているのだと教えていただけたこと、心より感謝申し上げます」

 カスパーブルグ卿の言葉からは「いくらリーエンでもそれをやらかすのは人前ではなかった」のだということがわかり、アルフレドはぴくりと眉を動かす。そうか。あの晩、自分とヴィンスを追い出すこともなく話を聞きながら彼女がもぐもぐと食べていたのはかなり珍しいことだったのかと知り「今日自分が来てよかったな」と内心思う。

「本来、使者として俺が来るほどのことではないが、個人的な礼も伝えたかったゆえに。ファリダン・トリニーダ・エルカスタル・カスパーブルグ。奥方を失った後も、素晴らしい女性に彼女を育ててくれたこと、こちらも感謝をする。この先も誇るが良い。そして、そちらの2名も、リーエンの兄弟として恥ずべきことない生き方をするように。俺からの願いはそれだけだ」

 アルフレドはそれ以上は多く言わず、もう一度リーエンからの映像を見せて「特別に」とカスパーブルグ卿からのほんの一言二言の伝言を受け取って魔界に戻った。勿論、それは元老院からの褒賞に含まれていなかったが、アルフレドは「わざわざ魔王である俺が行ってやったんだ。俺の労働にも対価は時には必要だろう」とどうしようもない屁理屈をのちに述べたという。



 その晩、アルフレドはリーエンの部屋を訪れて、人間界でのやりとりを彼女に報告した。予想外にもリーエンは泣かずに笑顔で「お姉様らしい」「お父様らしい」と言うだけだった。特に、姉ジェシカが焼き菓子について聞いたくだりは、リーエンも「まさかそこですか!」と大いに笑った。
 
「家族の話をすれば、お前がまた人間界のことを思い出して泣くのではと思っていたのだが……」

「ふふ、そうですね。胸が熱くなって泣きそうにはなっていますが、それより……アルフレド様が直接行って下さったことが嬉しくて……ありがとうございます」

「ああ。その……俺は、10年前にお前の父親にもっと礼を言わねばならなかったのに、奥方の訃報のこともあって最後に会えなかったのでな」

「ありがとうございます……それに、父からの伝言も……」

 カスパーブルグ卿からの伝言はシンプルだった。それは「花嫁姿はとても美しくて直接見られなかったことが残念だ。幸せになりなさい」ただそれだけ。人間界だとか魔界だとか、魔界召集という非人道的な仕組みで娘を手放した彼の無念はそこにはなく、ただ幸せな嫁ぎ先に娘を送り出した父親の言葉。そうであることが、リーエンにはとても嬉しく思え、自分の父を誇らしいと思う気持ちが更に強まる。

「10年前お前と話すことを許可してくれたのは、お前の父親だからな。たとえ天啓とやらのおかげだとしても、お前の父親が歌姫の家門を信じず、自分の娘に与えられた天啓とやらを信じず、妻のことだけを考えていればあの場で俺をすぐに見捨てたはずだ。そう思えば、俺は最低限のことをお前の父親にも返すべきだと思えたのでな……」

 その思考が相当人間的であることはアルフレド自身理解をしている。時にそれが彼の足枷にもなっているが、リーエンは彼がそういう珍しい魔族であることで、自分も救われているのだとわかっている。

「ありがとうございます……アルフレド様には、まだ天啓の全文をお教えしてなかったと思うんですけれど……」

「うん? あの晩聞いていた内容ではないのか?」

「続きがあったんです。結構長いんですよ? いきますね……あなたは近々、彷徨い困っている青年と出会い、その青年から生涯の助けを得るでしょう。ですが、青年を助けるかどうかは、あなたの意思で。それは大きな力に翻弄される者ゆえ困難も多く、時にあなたを苦しめますが、あなたを必要としています。もし、手を差し伸べなければあなたは静かな人生を送り、青年はただ困難と共に生きていくことでしょう」

 アルフレドは彼女の言葉をゆっくりと脳内で咀嚼をした。そして、彼女と同じ結論を導き出す。

「そうか。すべて、あの夜に限らず……魔界でのことを言っていたのか、それは」

「アルフレド様もそう思われますか? わたしも今となっては、そう思えるのです」

「なるほどな……お前が、俺を……」

 しみじみと何かを噛み締めるようにアルフレドは考え、それからバッとソファから立ち上がると、座っているリーエンを強引に抱きあげた。

「アルフレド様っ……?」

「お前が手を差し伸べなければ、俺は困難と共に生きるしかなかったのだろう」

「わたしは断言できませんが……そうなのかも、しれませんね」

「だが、俺には今も困難なことがある」

「なんでしょう」

 既にリーエンはなんとなく察したのか彼の腕の中でくすくすと笑い出した。

「毎晩でもお前を抱きたくて仕方がない」

「それを我慢する困難を乗り越えていただかないと、次はわたしに困難が振りかかってしまいますから……」

 やっぱりな、という様子でリーエンは苦笑いを浮かべたが、アルフレドはその困難を今は乗り越える気がまったくないようで、そのまま彼女を寝室に運んでいく。リーエンは諦め半分といった様子で、だがどうしてもこれだけは……と伝えた。

「アルフレド様、明日は午前中コーバス先生の授業があるのですが」

「……」

 その当然の牽制に、アルフレドは一瞬困った表情を見せる。だが、決して部屋に戻らずリーエンを彼女のベッドに横たえると

「あまり時間をかけないように善処するし、優しくする」

 と言って軽く口付け、リーエンの靴を脱がせた。

「あまり信じませんし期待も多くしませんが、出来れば優しくしてください」
 
 そう言ってリーエンが笑えば、アルフレドは自分のそれまでの所業を省みて「ううん」と唸り、彼女の隣にごろんと横たわった。

「そうだな。期待されていないとは思うが、お前好みに優しく出来るようになるのも場数がいるのだと大目に見てくれ」

「ええ……場数? ……もう、アルフレド様は……ううん、頑張ります……」

 リーエンの声が小さくなったのがおかしかったようでアルフレドは笑い声をあげた。そして、彼の笑い声を聞いたリーエンは、自分でも「頑張ります」はおかしいのでは、と思ってつられて笑う。

 しばらく寝室には2人の幸せな笑い声が響き、やがて、愛し合う者同士の甘い営みが始まった。少し前までの様子が嘘のようにアルフレドは落ち着いている。彼の腕の中で考えるリーエン。

(たとえ、意地の悪いことをされたり、以前のように強引なことをされてもアルフレド様が求めてくださることが嬉しいし、いつだって優しくしたいと思ってくださっていることだけで、とても幸せなのだけど)

 でも、それは彼には内緒。言わない。そんなことを思いながら、しがみつくように彼を抱きしめた。体を使った愛情表現が苦手な彼女のその不器用な様子を可愛らしく思い、笑って抱き返すアルフレド。たったこれだけの行為を幸せだと感じてしまう。だが、以前の自分はこの感情を手にすることが出来なかったのだろうと彼は実感し、その思いはより一層リーエンへの気持ちを深めていく。

 アルフレドは何度も何度も「好きだ」と言いながら、飽きることなく彼女にキスの雨を降らせ、朝まで愛しい妻を放すことはなかった。




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感想 1

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みんなの感想(1件)

ぴ~助
2024.09.27 ぴ~助

魔王様…確かに優しく…は…ちょっと…いや、だいぶ…?無理かもだけど、なるべく頑張って(^︺^💧)..

2024.09.27 今泉 香耶

お読みいただきありがとうございます!気持ちだけは……気持ちだけは頑張ってくれるんじゃないかなって思います。いや、それだけじゃ足りないか。頑張れ……!

解除

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