172 / 387
迷子の迷子の冒険者捜索!
おさく!
しおりを挟む
「あのさー? 本当にいらないと思う? 位置情報機能」
僕らが店を出ようとしたとき、おさくさんがそう声をかけてきた。僕らはそれに振り向くと、ちょっと困ってしまって、顔を見合わせた。
「まぁ、ウォークマ……いや、歩くマンにはいらない機能かなぁって」
「そうだなぁ。音楽を聴いたり録音したりするだけだもんな」
まぁ6分だけどね。
「そっかぁ。テラーには好評なんだけどなぁ。『迷っても帰ってこれる! ありがたい! 方角わからなくてもなんとかなる!』って」
「いやいや、テラーさん『重度の方向音痴』じゃないですか!」
「普通の人にはいらないかぁ。よし! 削除しよう! 次のモデルから!
ご意見ご感想、ありがとうございましたっ!」
そういえば、と、僕は思う。僕らは僕らの意見とか情報とか教えてるわけだし、なにより『歩くマン』っていうちょっとよく分からないけど、確実に品質以上のお値段のもの買ったばっかりだし、今なら、おさくさんのことを教えてもらえるかも?
「あの、おさくさん」
「なんだい少年!」
「おさくさんのステータスって、教えてもらえませんかね?」
「知ってどうするの?」
「いや……どうってわけじゃないですけど、おさくさんだけまだ知らないままなので」
「あ! おいらも聞きたいことある!」
僕に便乗してポロンくんもそう口を挟む。
「ラミリエでキルナンスが襲撃したとき、そのタイミングっていうか、時間? 分かってたって聞いたぞ!
キルナンスは色々雑だったけど、情報の管理は徹底してたんだい。サワナルでのこととかもそうだけど、どうやってそういう情報仕入れてんだ?」
「あっ! あと、いきなり出てきていきなり消えますけど、それ、なにか魔法使ってるんですか? 私、そういうのは詳しくなくて……」
思えば、おさくさんのことについては、他の個性の塊'sとは違ってほぼ知らない。いつもふらっと現れてふらっと消えてしまうからだろう。神出鬼没とはまさにことのことだ。
僕らの言い分を聞いて、おさくさんはちょっと考えて、「あっ!」と思い付いたように顔をあげた。
「私とバトって」
「勝てるわけないじゃないですか!」
なんか、デジャブだ。でも、やっぱり無理だ! 勝てるわけないよ! 塊'sだもん!
「えー、じゃーそうだなぁー、うーん……」
「そんなに情報明かしたくないのか?」
「ミステリアス感消えるじゃーん」
「そこ!?」
「じゃー分かった! ステータスは教えたげる! 他はシークレットで! 鑑定していいよ!」
「やった! じゃあ鑑定!」
名前 おさく
種族 人間
年齢 22
職業 村人(侍)
レベル 97
HP 70000
MP 19850
スキル アイテムボックス・暗視・剣術(超上級)・体術(超上級)・初級魔法(熟練度10)・炎魔法(熟練度10)・水魔法(熟練度7)・氷魔法(熟練7)・風魔法(熟練度7)・雷魔法(熟練度8)・土魔法(熟練度6)・光魔法(熟練度6)・闇魔法(熟練度7)・回復魔法(熟練度5)
ユニークスキル 陰陽進退・陰陽進退替技・侍の心得・それは残像だ・火事場の馬鹿力・真剣白羽取り
称号 元最強の侍・ぼったくり商売・悪のり・地獄耳・個性の塊's
「うあっ!」
「ど、どうかしましたかウタさん!」
「称号に『ぼったくり商売』ってある……HP70000って……」
久々に塊'sを鑑定したからか、打撃がでかい。こう、ズドンとくる……。
他、スキルを鑑定してみた結果、こうでした。
陰陽進退……対象(1~5人まで)に4連続大ダメージ。剣術の発展スキル。
陰陽進退替技……陰陽進退の効果に加えて相手を一定時間麻痺状態にする。発動時間は5分。剣術の発展スキル。
侍の心得……対象一体に7連続特大ダメージ。剣術の発展スキル。
それは残像だ……自身を神速にする。発動時間はMPが続く限り無限。
火事場の馬鹿力……一時的にステータスが10倍になる。自身にのみ使用可。発動時間は5分。連続しての使用可。
真剣白羽取り……相手の攻撃を確実に受け止める。体術の発展スキル。
これでこそ個性の塊's。強いですねー……と、言おうと思ったとき、おさくさんはこんなことを言った。
「あっ! そうだ! 世界を広げにいこう!」
「…………ん? はい?」
「しばらく世界広げてなかった! どうしよっかな、テラー誘ってくか!」
テラーさんと一緒に世界を広げに? え、どゆこと……?
「アリアさんって、今いくつ目の世界にいるの?」
「……えっ……と?」
ダメだ! アリアさんも完全に困惑している!
「ほら、ほら! 11、12を過ぎたくらいから目にする世界があるじゃん!? すごい人だと8個目の世界にいたりするやつ! 平均は3~5くらいのABCZ?」
さすがにこれはついていけない。そう僕が諦めたとき、アリアさんが手を叩いた。
「あの世界か!」
「分かったんですか!?」
「フローラ! あの世界だよ! お前がこの間初めてみた世界! マルティネスで一緒に見ただろ?」
「私が初めて……? あっ! 分かりました!」
「全然わからない……」
「んで、アリアさんってなんこめ?」
「それ言わなきゃダメなのか? 個人情報だぞ個人情報」
「ちぇっ。でもね! 前にテラーと世界広げに行ったらね!?」
困惑し続けてる僕の肩を、ポロンくんがポンポンと叩いた。
「えっとさ、男には分からない世界があるってことだよ。女にしか分からない世界ってのが、あるんだよ、多分」
「きっと?」
「もしかして……って、これは確かなことだからな!?」
うーん、乙女心? は分からないですなー。
僕らが店を出ようとしたとき、おさくさんがそう声をかけてきた。僕らはそれに振り向くと、ちょっと困ってしまって、顔を見合わせた。
「まぁ、ウォークマ……いや、歩くマンにはいらない機能かなぁって」
「そうだなぁ。音楽を聴いたり録音したりするだけだもんな」
まぁ6分だけどね。
「そっかぁ。テラーには好評なんだけどなぁ。『迷っても帰ってこれる! ありがたい! 方角わからなくてもなんとかなる!』って」
「いやいや、テラーさん『重度の方向音痴』じゃないですか!」
「普通の人にはいらないかぁ。よし! 削除しよう! 次のモデルから!
ご意見ご感想、ありがとうございましたっ!」
そういえば、と、僕は思う。僕らは僕らの意見とか情報とか教えてるわけだし、なにより『歩くマン』っていうちょっとよく分からないけど、確実に品質以上のお値段のもの買ったばっかりだし、今なら、おさくさんのことを教えてもらえるかも?
「あの、おさくさん」
「なんだい少年!」
「おさくさんのステータスって、教えてもらえませんかね?」
「知ってどうするの?」
「いや……どうってわけじゃないですけど、おさくさんだけまだ知らないままなので」
「あ! おいらも聞きたいことある!」
僕に便乗してポロンくんもそう口を挟む。
「ラミリエでキルナンスが襲撃したとき、そのタイミングっていうか、時間? 分かってたって聞いたぞ!
キルナンスは色々雑だったけど、情報の管理は徹底してたんだい。サワナルでのこととかもそうだけど、どうやってそういう情報仕入れてんだ?」
「あっ! あと、いきなり出てきていきなり消えますけど、それ、なにか魔法使ってるんですか? 私、そういうのは詳しくなくて……」
思えば、おさくさんのことについては、他の個性の塊'sとは違ってほぼ知らない。いつもふらっと現れてふらっと消えてしまうからだろう。神出鬼没とはまさにことのことだ。
僕らの言い分を聞いて、おさくさんはちょっと考えて、「あっ!」と思い付いたように顔をあげた。
「私とバトって」
「勝てるわけないじゃないですか!」
なんか、デジャブだ。でも、やっぱり無理だ! 勝てるわけないよ! 塊'sだもん!
「えー、じゃーそうだなぁー、うーん……」
「そんなに情報明かしたくないのか?」
「ミステリアス感消えるじゃーん」
「そこ!?」
「じゃー分かった! ステータスは教えたげる! 他はシークレットで! 鑑定していいよ!」
「やった! じゃあ鑑定!」
名前 おさく
種族 人間
年齢 22
職業 村人(侍)
レベル 97
HP 70000
MP 19850
スキル アイテムボックス・暗視・剣術(超上級)・体術(超上級)・初級魔法(熟練度10)・炎魔法(熟練度10)・水魔法(熟練度7)・氷魔法(熟練7)・風魔法(熟練度7)・雷魔法(熟練度8)・土魔法(熟練度6)・光魔法(熟練度6)・闇魔法(熟練度7)・回復魔法(熟練度5)
ユニークスキル 陰陽進退・陰陽進退替技・侍の心得・それは残像だ・火事場の馬鹿力・真剣白羽取り
称号 元最強の侍・ぼったくり商売・悪のり・地獄耳・個性の塊's
「うあっ!」
「ど、どうかしましたかウタさん!」
「称号に『ぼったくり商売』ってある……HP70000って……」
久々に塊'sを鑑定したからか、打撃がでかい。こう、ズドンとくる……。
他、スキルを鑑定してみた結果、こうでした。
陰陽進退……対象(1~5人まで)に4連続大ダメージ。剣術の発展スキル。
陰陽進退替技……陰陽進退の効果に加えて相手を一定時間麻痺状態にする。発動時間は5分。剣術の発展スキル。
侍の心得……対象一体に7連続特大ダメージ。剣術の発展スキル。
それは残像だ……自身を神速にする。発動時間はMPが続く限り無限。
火事場の馬鹿力……一時的にステータスが10倍になる。自身にのみ使用可。発動時間は5分。連続しての使用可。
真剣白羽取り……相手の攻撃を確実に受け止める。体術の発展スキル。
これでこそ個性の塊's。強いですねー……と、言おうと思ったとき、おさくさんはこんなことを言った。
「あっ! そうだ! 世界を広げにいこう!」
「…………ん? はい?」
「しばらく世界広げてなかった! どうしよっかな、テラー誘ってくか!」
テラーさんと一緒に世界を広げに? え、どゆこと……?
「アリアさんって、今いくつ目の世界にいるの?」
「……えっ……と?」
ダメだ! アリアさんも完全に困惑している!
「ほら、ほら! 11、12を過ぎたくらいから目にする世界があるじゃん!? すごい人だと8個目の世界にいたりするやつ! 平均は3~5くらいのABCZ?」
さすがにこれはついていけない。そう僕が諦めたとき、アリアさんが手を叩いた。
「あの世界か!」
「分かったんですか!?」
「フローラ! あの世界だよ! お前がこの間初めてみた世界! マルティネスで一緒に見ただろ?」
「私が初めて……? あっ! 分かりました!」
「全然わからない……」
「んで、アリアさんってなんこめ?」
「それ言わなきゃダメなのか? 個人情報だぞ個人情報」
「ちぇっ。でもね! 前にテラーと世界広げに行ったらね!?」
困惑し続けてる僕の肩を、ポロンくんがポンポンと叩いた。
「えっとさ、男には分からない世界があるってことだよ。女にしか分からない世界ってのが、あるんだよ、多分」
「きっと?」
「もしかして……って、これは確かなことだからな!?」
うーん、乙女心? は分からないですなー。
0
あなたにおすすめの小説
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる