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おばけ? 妖怪? 違います!
ストーカーは嫌いだ!
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スラちゃんの過去についてがかなりわかったところで、僕らは腕を組んで考えこむ。何についてか? ……その『何か』が無いから困っているのだ。
「ウタの勘で来たからな……。まぁ、やることがないのは当然なんだが」
「ボーッと過ごすわけにもいかないよなぁ」
「ぼく、みんなでケーキ食べたい!」
「でもそれは、一日で終わっちゃうからね」
「うーん、どうしたものか」
すると、不意にドラくんが頭をあげ、そもそも論を持ち出した。
「……なぁ、お主ら。お主らは冒険者だろう? ギルドに依頼を受けにいくのではダメなのか?」
「……あ」
「それと、だが。我とスラちゃんは今は人の身だが元はスライムとドラゴン。クラーミル内はあのお二人のお陰で自由に動けるが、他の国に入るとき、ギルドカードは必要なのか? それとも?」
「……アリアさん、その辺はどうなんでしょうか?」
「……どうなんでしょうか」
「アリア姉……?」
「アリア……?」
アリアさんはふうっと一息つき、紅茶を飲み、落ち着いた様子で顔をあげた。
「…………知らん!」
「分からないんですか!?」
「わかるか! 大体、マルティネスに限らず、王族はギルドとは基本的には関係を持たない! エマとだって、個人的に仲が良かっただけで、仕事関係は全くの別なんだぞ!?」
「アリア! このタイミングだと完全に言い訳だよ!?」
「言い訳だよ!」
「アリア姉認めちゃダメだろ!?」
「我らはどうすれば……」
「……あの、」
不意に、フローラが手をあげた。
「…………ギルドに行けば、全部解決するんじゃ……」
「…………」
その時、僕らの心は一つになった。僕らは確実に感じ、そして思ったのだ。
「……たしかに」
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
「……えっと、つまりどういうことでしょうか?」
ギルドの受付嬢さんが困ったように笑いながら首をかしげる。……まぁ、そりゃそうか。いきなり「この二人は元スライムと元ドラゴンなんだが、ギルドカードの発行は出来るか!?」って言われたらさ。そりゃあ、こんな反応するよなぁ。
「えっと……信じられないかもしれないんですけど、本当なんです! つい一ヶ月前まではスライムとドラゴンで!」
「そうはおっしゃられましても、前例がありませんので……確かな証人か確認がとれないと、判断ができません」
「確認って……まさかここでドラコンに戻るわけにはいかないだろう」
「あっ、ギルドマスターっているの? ギルドマスターなら詳しいこと分かるんじゃないか!?」
「ギルドマスターは今はおりません。私だって、ギルドマスターがいれば頼りたいですよこんなこと!」
そんな感じで話していると、いつの間にか何事かと人が集まってきてしまった。……このまま騒ぎになるのも良くないしなぁ。
うーん、出直すしかないか。そうみんなに言おうと思ったとき、背後から聞きなれた声がした。
「へーい! Boys and Girls! 元気にしてたか!?」
「おさくさん!?」
人混みの中からひょっこり現れたおさくさんはすたすたとこちらに向かって歩いてくる。すると、受付嬢さんが驚いたように叫ぶ。
「おさくさん!? どうしてここに!? ハンレルの方にいらっしゃるんじゃ……」
「あっれ? まだこっちの方には情報来てない? 魔王復活したからさ、この間倒してきたのー」
『魔王復活』の言葉に一瞬ざわついたギルド内だったが、おさくさんが僕の肩に手を回し、
「ウタくんたちと一緒にー!」
と笑うと、ざわつきが更に大きくなった。
「え、魔王討伐に、普通の冒険者が……? え、どういうことなんですか!?」
「そのまんまのことなんだけど、ね。
んで、はいこれ」
不意におさくさんが取り出したのはA3サイズくらいの、少し大きい封筒。きちんと封がされ、チェックもついているちゃんとしたものだ。
『カロックギルド本部様』と書かれており、差出人の名前は『ジュノン』だった。
「これは……?」
「ジュノンからの実験データのコピーね。この二人、ジュノンの実験のおかげなのかせいなのかで人になってるんだ。
なんなら私が証人になるよ? 目の前で見てたしね」
「……しかし、知能は引き継がれると書いてあります。スライムは普通、こんなに高い知能は」
「ジュノンの考察によると、なんらかの実験の被害に遭ってる可能性が高いってね。例えば、魔物に人の知能を植えつけるーとか」
凄まじい個性の塊'sの情報量。僕らがついさっき知ったことを、とっくに知っていたんだ。
受付嬢さんは一通りの話を聞くと、はぁっとため息をついて、僕らを順に見た。
「……分かりました。この条件ならば、ギルドカードの発行ができます。Unfinished所属ではありますが、あくまで使役されているということなので、ランクの表示はありません。よろしいですね?」
「うん!」
「構わない」
「ではしばらく待っていてください」
受付嬢さんが奥にいってしまうと、だんだんと人は散っていった。半分ほどいなくなったところで、おさくさんが僕らに言う。
「……ストーカーに注意」
「え?」
「ストーカーは嫌いだっ!」
「好きな奴なかなかいないと思うぞ!?」
「あー、急いできたからお腹すいたぁ。商品買わなくていいからご飯おごってーアリアさーん、ウタくーん」
「どこまでも自由だ!」
振り回されつつ、流されつつ、しかしおさくさんのおかげで、スラちゃんとドラくんは無事にギルドカードをゲットした。
「ウタの勘で来たからな……。まぁ、やることがないのは当然なんだが」
「ボーッと過ごすわけにもいかないよなぁ」
「ぼく、みんなでケーキ食べたい!」
「でもそれは、一日で終わっちゃうからね」
「うーん、どうしたものか」
すると、不意にドラくんが頭をあげ、そもそも論を持ち出した。
「……なぁ、お主ら。お主らは冒険者だろう? ギルドに依頼を受けにいくのではダメなのか?」
「……あ」
「それと、だが。我とスラちゃんは今は人の身だが元はスライムとドラゴン。クラーミル内はあのお二人のお陰で自由に動けるが、他の国に入るとき、ギルドカードは必要なのか? それとも?」
「……アリアさん、その辺はどうなんでしょうか?」
「……どうなんでしょうか」
「アリア姉……?」
「アリア……?」
アリアさんはふうっと一息つき、紅茶を飲み、落ち着いた様子で顔をあげた。
「…………知らん!」
「分からないんですか!?」
「わかるか! 大体、マルティネスに限らず、王族はギルドとは基本的には関係を持たない! エマとだって、個人的に仲が良かっただけで、仕事関係は全くの別なんだぞ!?」
「アリア! このタイミングだと完全に言い訳だよ!?」
「言い訳だよ!」
「アリア姉認めちゃダメだろ!?」
「我らはどうすれば……」
「……あの、」
不意に、フローラが手をあげた。
「…………ギルドに行けば、全部解決するんじゃ……」
「…………」
その時、僕らの心は一つになった。僕らは確実に感じ、そして思ったのだ。
「……たしかに」
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「……えっと、つまりどういうことでしょうか?」
ギルドの受付嬢さんが困ったように笑いながら首をかしげる。……まぁ、そりゃそうか。いきなり「この二人は元スライムと元ドラゴンなんだが、ギルドカードの発行は出来るか!?」って言われたらさ。そりゃあ、こんな反応するよなぁ。
「えっと……信じられないかもしれないんですけど、本当なんです! つい一ヶ月前まではスライムとドラゴンで!」
「そうはおっしゃられましても、前例がありませんので……確かな証人か確認がとれないと、判断ができません」
「確認って……まさかここでドラコンに戻るわけにはいかないだろう」
「あっ、ギルドマスターっているの? ギルドマスターなら詳しいこと分かるんじゃないか!?」
「ギルドマスターは今はおりません。私だって、ギルドマスターがいれば頼りたいですよこんなこと!」
そんな感じで話していると、いつの間にか何事かと人が集まってきてしまった。……このまま騒ぎになるのも良くないしなぁ。
うーん、出直すしかないか。そうみんなに言おうと思ったとき、背後から聞きなれた声がした。
「へーい! Boys and Girls! 元気にしてたか!?」
「おさくさん!?」
人混みの中からひょっこり現れたおさくさんはすたすたとこちらに向かって歩いてくる。すると、受付嬢さんが驚いたように叫ぶ。
「おさくさん!? どうしてここに!? ハンレルの方にいらっしゃるんじゃ……」
「あっれ? まだこっちの方には情報来てない? 魔王復活したからさ、この間倒してきたのー」
『魔王復活』の言葉に一瞬ざわついたギルド内だったが、おさくさんが僕の肩に手を回し、
「ウタくんたちと一緒にー!」
と笑うと、ざわつきが更に大きくなった。
「え、魔王討伐に、普通の冒険者が……? え、どういうことなんですか!?」
「そのまんまのことなんだけど、ね。
んで、はいこれ」
不意におさくさんが取り出したのはA3サイズくらいの、少し大きい封筒。きちんと封がされ、チェックもついているちゃんとしたものだ。
『カロックギルド本部様』と書かれており、差出人の名前は『ジュノン』だった。
「これは……?」
「ジュノンからの実験データのコピーね。この二人、ジュノンの実験のおかげなのかせいなのかで人になってるんだ。
なんなら私が証人になるよ? 目の前で見てたしね」
「……しかし、知能は引き継がれると書いてあります。スライムは普通、こんなに高い知能は」
「ジュノンの考察によると、なんらかの実験の被害に遭ってる可能性が高いってね。例えば、魔物に人の知能を植えつけるーとか」
凄まじい個性の塊'sの情報量。僕らがついさっき知ったことを、とっくに知っていたんだ。
受付嬢さんは一通りの話を聞くと、はぁっとため息をついて、僕らを順に見た。
「……分かりました。この条件ならば、ギルドカードの発行ができます。Unfinished所属ではありますが、あくまで使役されているということなので、ランクの表示はありません。よろしいですね?」
「うん!」
「構わない」
「ではしばらく待っていてください」
受付嬢さんが奥にいってしまうと、だんだんと人は散っていった。半分ほどいなくなったところで、おさくさんが僕らに言う。
「……ストーカーに注意」
「え?」
「ストーカーは嫌いだっ!」
「好きな奴なかなかいないと思うぞ!?」
「あー、急いできたからお腹すいたぁ。商品買わなくていいからご飯おごってーアリアさーん、ウタくーん」
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