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おばけ? 妖怪? 違います!
知らないからね?
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「テラーさん、ジュノンさん……。どうして、ここに?」
「もう半分察してるくせにー」
……個性の塊'sは、僕らに警鐘を鳴らしていた。一歩引けと、仲がいいだけじゃダメだと、疑えと。
「……ねぇ、ジュノン? マジでストレートに言うの?」
「言うよ? なんで?」
「いや、だって……さ?」
いつものように飄々としているジュノンさんと違って、テラーさんの顔色は冴えない。そんなテラーさんを、気にしていないようで少し気にしている感じのジュノンさんは、僕らに向かい合う。
「だって遠回しじゃ分からない鈍感さんにはストレートに言わなきゃダメでしょ」
「そりゃそうだけどさぁ……」
「……この間から、塊'sのみなさんが言ってるのは一体、なんのことなんですか?」
フローラが尋ねると、ジュノンさんはストレートかつ簡潔に、僕らに言い放つ。
「――レイナ・クラーミル、ロイン・クラーミル。二人と関わるのは止めておきな」
僕の頭の中が、一瞬真っ白になった。……二人に関わるな? なんで? どうしてだ?!
「レイナに関わるなだって? どうしてだ?! 理由を教えてくれ! どうして二人と関わってはいけない!?」
「ほらー、そうなるからみんな遠回しに伝えてたのに。全っぜん気づいてくれないからもー」
少し冗談混じりにそう笑ったあと、ジュノンさんの表情は変わる。笑顔だ。しかし、その瞳に見据えられ、僕らはその場から動けなくなる。
「理由は……そうだな、死ぬから?」
「……どう…………」
「どうしてって? そこは言えないよ。国と国に関わる問題だからさ。あ、もしかして言えないの分かってて聞いてる?」
「だって……レイナも、ロイン様も……悪い人じゃ、ないだろう?」
すると、ジュノンさんはクスリと笑って、僕らをみる。
「――本当にそう思うの? 見てる世界が随分狭いんだねぇ」
「ジュノン……いくら塊'sでも、その言い方は許さないぞ!」
アリアさんがジュノンさんに向かっていく。それを、ジュノンさんは片手で制し、吹き飛ばす。僕は咄嗟にアリアさんの背後に回り、その体を受け止める。
「っ……アリアさん! 大丈夫ですか!?」
「……あぁ」
「ちょ、ちょっとジュノン! ……いくらなんでも言いすぎやり過ぎだって」
「いつまでも甘やかすわけにもいかないでしょ? 私たちはUnfinishedの親でもなんでもないんだからさ」
「そうだけどさ……」
ジュノンさんは僕らをじっと見ている。……個性の塊'sが、間違ったことはなかった。少なくとも僕らが個性の塊'sと出会ってから、一度も。一度も間違っていない。
僕らは……何度も間違えた。何度も何度も間違えて、それでも生きているのは、個性の塊'sが助けてくれたからだ。
そんな個性の塊'sが、今、この事に関して間違う可能性は、0に等しいだろう。
……それでも、僕らは信じられないのだ。
優しく僕に話しかけてくれたロインが、笑顔を浮かべ、必死に言葉を紡いだレイナ様が、僕らを騙しているなんて、考えたくなかった。
「……ま、そうなるよね。Unfinishedのみんなは、『疑う』ってことが苦手だからさ。
でも……私たちは警告したよ。それも何度も」
「…………」
「私たちはこの件に関わるつもりはないよ。少なくとも今は、ね。
それでもUnfinishedがその行動を変える気がないのなら……どうなっても、知らないからね?」
威圧ではない。もっと、違う種類の、冷ややかな目。
個性の塊'sは、僕にとって一種の先輩でもある。同じ出身で、先に転生し、魔王まで倒している。先輩が後輩に向ける視線としては……あまりにも、厳しかった。
「……でも、」
でも僕は……どうしても……。
「僕は、信じてみたいです。裏切られたとしても、僕は、信じてみたいです」
「……理由は?」
「僕はこの世界で、人を信じるって決めたからです。……どんな相手でも、どんな過去があっても」
「言っとくけど、一応ウタくんはUnfinishedのリーダーなんでしょ? もしもウタくんがそれで騙されたら、他のみんなは巻き込まれることになるんだよ?」
「私は二人を信じるぞ」
アリアさんが言う。少し間をおいて、ポロンくんが口を開く。
「……おいらは、二人を完全に信じることは出来ない。でも、おいらは、二人を信じるっていうウタ兄とアリア姉を信じる」
「私も、お二人を信じます。騙されてもいいです。私の居場所は、Unfinishedなんですから」
「ぼくは、ウタとアリアを信じるよ。いざとなったら助けてくれるって確信もあるし、ぼくも、助けられっぱなしじゃないからね」
「……我がなにかいう必要は、ないだろう?」
「みんな……」
僕がほっとしていると、ジュノンさんはくるりと踵を返した。
「……本当に、知らないからね?」
そして、テラーさんの肩を軽く叩いて、自分はどこかに去っていってしまった。
「……全く、素直じゃないな。口で言いなって、口で」
テラーさんは言いながら僕にすっと近づく。そして、胸の前で複雑に手を組む。
「――クラスティラントア」
すると、そこに小さな魔方陣が現れ、僕の胸の中に入ってくる。
「わ……?!」
「ウタ殿……」
「はぁ、手がかかるんだからさ。
……疑われてる本人が悪いとは限らないからね? じゃ」
「ま、待ってください! これは……」
それには答えず、テラーさんもどこかに去っていった。
「もう半分察してるくせにー」
……個性の塊'sは、僕らに警鐘を鳴らしていた。一歩引けと、仲がいいだけじゃダメだと、疑えと。
「……ねぇ、ジュノン? マジでストレートに言うの?」
「言うよ? なんで?」
「いや、だって……さ?」
いつものように飄々としているジュノンさんと違って、テラーさんの顔色は冴えない。そんなテラーさんを、気にしていないようで少し気にしている感じのジュノンさんは、僕らに向かい合う。
「だって遠回しじゃ分からない鈍感さんにはストレートに言わなきゃダメでしょ」
「そりゃそうだけどさぁ……」
「……この間から、塊'sのみなさんが言ってるのは一体、なんのことなんですか?」
フローラが尋ねると、ジュノンさんはストレートかつ簡潔に、僕らに言い放つ。
「――レイナ・クラーミル、ロイン・クラーミル。二人と関わるのは止めておきな」
僕の頭の中が、一瞬真っ白になった。……二人に関わるな? なんで? どうしてだ?!
「レイナに関わるなだって? どうしてだ?! 理由を教えてくれ! どうして二人と関わってはいけない!?」
「ほらー、そうなるからみんな遠回しに伝えてたのに。全っぜん気づいてくれないからもー」
少し冗談混じりにそう笑ったあと、ジュノンさんの表情は変わる。笑顔だ。しかし、その瞳に見据えられ、僕らはその場から動けなくなる。
「理由は……そうだな、死ぬから?」
「……どう…………」
「どうしてって? そこは言えないよ。国と国に関わる問題だからさ。あ、もしかして言えないの分かってて聞いてる?」
「だって……レイナも、ロイン様も……悪い人じゃ、ないだろう?」
すると、ジュノンさんはクスリと笑って、僕らをみる。
「――本当にそう思うの? 見てる世界が随分狭いんだねぇ」
「ジュノン……いくら塊'sでも、その言い方は許さないぞ!」
アリアさんがジュノンさんに向かっていく。それを、ジュノンさんは片手で制し、吹き飛ばす。僕は咄嗟にアリアさんの背後に回り、その体を受け止める。
「っ……アリアさん! 大丈夫ですか!?」
「……あぁ」
「ちょ、ちょっとジュノン! ……いくらなんでも言いすぎやり過ぎだって」
「いつまでも甘やかすわけにもいかないでしょ? 私たちはUnfinishedの親でもなんでもないんだからさ」
「そうだけどさ……」
ジュノンさんは僕らをじっと見ている。……個性の塊'sが、間違ったことはなかった。少なくとも僕らが個性の塊'sと出会ってから、一度も。一度も間違っていない。
僕らは……何度も間違えた。何度も何度も間違えて、それでも生きているのは、個性の塊'sが助けてくれたからだ。
そんな個性の塊'sが、今、この事に関して間違う可能性は、0に等しいだろう。
……それでも、僕らは信じられないのだ。
優しく僕に話しかけてくれたロインが、笑顔を浮かべ、必死に言葉を紡いだレイナ様が、僕らを騙しているなんて、考えたくなかった。
「……ま、そうなるよね。Unfinishedのみんなは、『疑う』ってことが苦手だからさ。
でも……私たちは警告したよ。それも何度も」
「…………」
「私たちはこの件に関わるつもりはないよ。少なくとも今は、ね。
それでもUnfinishedがその行動を変える気がないのなら……どうなっても、知らないからね?」
威圧ではない。もっと、違う種類の、冷ややかな目。
個性の塊'sは、僕にとって一種の先輩でもある。同じ出身で、先に転生し、魔王まで倒している。先輩が後輩に向ける視線としては……あまりにも、厳しかった。
「……でも、」
でも僕は……どうしても……。
「僕は、信じてみたいです。裏切られたとしても、僕は、信じてみたいです」
「……理由は?」
「僕はこの世界で、人を信じるって決めたからです。……どんな相手でも、どんな過去があっても」
「言っとくけど、一応ウタくんはUnfinishedのリーダーなんでしょ? もしもウタくんがそれで騙されたら、他のみんなは巻き込まれることになるんだよ?」
「私は二人を信じるぞ」
アリアさんが言う。少し間をおいて、ポロンくんが口を開く。
「……おいらは、二人を完全に信じることは出来ない。でも、おいらは、二人を信じるっていうウタ兄とアリア姉を信じる」
「私も、お二人を信じます。騙されてもいいです。私の居場所は、Unfinishedなんですから」
「ぼくは、ウタとアリアを信じるよ。いざとなったら助けてくれるって確信もあるし、ぼくも、助けられっぱなしじゃないからね」
「……我がなにかいう必要は、ないだろう?」
「みんな……」
僕がほっとしていると、ジュノンさんはくるりと踵を返した。
「……本当に、知らないからね?」
そして、テラーさんの肩を軽く叩いて、自分はどこかに去っていってしまった。
「……全く、素直じゃないな。口で言いなって、口で」
テラーさんは言いながら僕にすっと近づく。そして、胸の前で複雑に手を組む。
「――クラスティラントア」
すると、そこに小さな魔方陣が現れ、僕の胸の中に入ってくる。
「わ……?!」
「ウタ殿……」
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