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Act 51. 川沿いの土手の上
【どうかしてるぜ】
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本当はまだ傷が少し痛んだけど何てことなかった、
息を切らして土手まで辿り着くと
街灯に照らされてぼんやりと浮かぶ制服姿の
シルエットを確認した。
「…煌子~っ!」
「あ…タカムラ…って、早っ!」
「『いつまで待たせんのよ!』って言うつもりだった?」
「バカ」
「久しぶりのバカ、だ」
「だって相変わらず…時間厳守のバカだもん」
「それってバカ…なのかなぁ?」
「バカだよ、ふふっ」
僕たちは自転車を停めて
少し傾斜のある土手の草の上に腰掛けた。
「場所すぐにわかった?」
「うん」
「そっか」
「あの時さ…」
「うん」
「いつも『ここでいいよ』って言ってた理由が」
「うん」
「わかった気がしたから」
「そうなんだ?」
「あそこは『昔の煌子』がいた場所だから、見られたくなかった、んだよね?」
「半分正解」
「半分?」
「あんたの言ってることは当たってるけど、それだけじゃないから」
「他にも?」
「うん、見られたくなかったってのと、まだ見せなくなかった…ってのと、もし全部知られたら、ってのと…」
「そっか」
「今は大丈夫…だから」
「その先を見られても、って意味で?」
「そう言うこと」
「思ったんだけど、煌子ってさ」
「何?」
「いいヤツだよな」
その一言のせいだろうか?
街灯に照らされた煌子の頬が真っ赤に紅潮した。
「…バカ!急に何言ってんの?」
「美月から聞いたよ、昔のこと色々と」
「そう…でも、バカだよね」
「バカはお互いさまじゃない?」
「あんたほどバカじゃない」
「それ、それだよ、煌子のそう言うとこが好きなんだよね」
今日の僕はどうかしているのか?
いつもより煌子に対して
愚直なほどにストレートに本心をぶちまけている。
「…バカ、ほんとにバカ!バカ!」
「柄にもなく照れてる?」
「もう!どっか行って!」
「自分から呼び出しといて」
「知らない!」
僕はあたふたする煌子を横目に
笑いをこらえて空を見上げながら
土手の斜面に仰向けになった。
息を切らして土手まで辿り着くと
街灯に照らされてぼんやりと浮かぶ制服姿の
シルエットを確認した。
「…煌子~っ!」
「あ…タカムラ…って、早っ!」
「『いつまで待たせんのよ!』って言うつもりだった?」
「バカ」
「久しぶりのバカ、だ」
「だって相変わらず…時間厳守のバカだもん」
「それってバカ…なのかなぁ?」
「バカだよ、ふふっ」
僕たちは自転車を停めて
少し傾斜のある土手の草の上に腰掛けた。
「場所すぐにわかった?」
「うん」
「そっか」
「あの時さ…」
「うん」
「いつも『ここでいいよ』って言ってた理由が」
「うん」
「わかった気がしたから」
「そうなんだ?」
「あそこは『昔の煌子』がいた場所だから、見られたくなかった、んだよね?」
「半分正解」
「半分?」
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「他にも?」
「うん、見られたくなかったってのと、まだ見せなくなかった…ってのと、もし全部知られたら、ってのと…」
「そっか」
「今は大丈夫…だから」
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「そう言うこと」
「思ったんだけど、煌子ってさ」
「何?」
「いいヤツだよな」
その一言のせいだろうか?
街灯に照らされた煌子の頬が真っ赤に紅潮した。
「…バカ!急に何言ってんの?」
「美月から聞いたよ、昔のこと色々と」
「そう…でも、バカだよね」
「バカはお互いさまじゃない?」
「あんたほどバカじゃない」
「それ、それだよ、煌子のそう言うとこが好きなんだよね」
今日の僕はどうかしているのか?
いつもより煌子に対して
愚直なほどにストレートに本心をぶちまけている。
「…バカ、ほんとにバカ!バカ!」
「柄にもなく照れてる?」
「もう!どっか行って!」
「自分から呼び出しといて」
「知らない!」
僕はあたふたする煌子を横目に
笑いをこらえて空を見上げながら
土手の斜面に仰向けになった。
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