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淡々と語り終えたミラ。
感情を交えない語り口だからか、余計にその時の惨状が浮き彫りになるようで、クリスティーナは手にした扇子で顔半分を覆い隠したけれど、ドン引きした目と顔色までは隠しようがない。
何故その後直ぐではなく、少し間を置いて前王妃が亡くなったか、何故アシェリードが亡くなった愛していたはずの妻を鼻で嘲笑うのか、国内の高位の未婚の令嬢に拘ったか、とっても納得がいったクリスティーナは、想定外のヘヴィ─さに溜息を吐いた。
「当たり前だけど、私、浮気はするのもされるのも嫌いなの。まぁ陛下は場合によっては側室を娶らなきゃいけなくなるかもしれないけど。私は絶対にしないと、誓うわ」
「美しく聡明、かつ貞淑な王妃殿下にお仕え出来ること史上の喜び、また、永遠の忠誠をもって一層お仕え申し上げます」
「じゃ、貴女の下に有能な部下を3人選んで早急につけなさい。多忙すぎる侍女なんてまるで私が虐めているみたいに見えるじゃない。全体の管理、あの子の周りも調査するわよ」
「早急に手配いたします」
ほんの僅かに緩むミラの瞳を見て、クリスティーナは主人らしく鷹揚に頷いて見せる。
しかし、内心は先程の重たい事実に疲れが倍増して早々にベッドへ帰ることを決意していたのであった。
部屋に戻るなり、クリスティーナは早々に着替えて休む準備をした。
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるミラが、上掛けをめくってくれて、ベッドに潜り込みながら聞き忘れていたなと思っていたことをふと口にする。
「そう言えばあの子、なんていう名前なの?」
ミラは直ぐに返答をする。
「スノウ様とお呼びしております。彼のお方はスノーホワイトと名付けられておりましたが、それでは少し支障がございますので」
「そ……う、スノウ。ありがとう」
ぎこちない動作だったが、クリスティーナはなんとかベッドの中へと身を滑り込ませる。
上掛けをぎゅっと握り込んで頭まで被せると、気遣ったミラは一礼してから静かに部屋から下がって行った。
一方室内…いや、上掛けの中のクリスティーナは、頭を抱えていた。
「そっちーーーーー?!?!?!童話ー?!乙女ゲームじゃなかったのーーーー?!」
人生の舵取りの失敗点に関して、盛大に頭を抱えてたのであった。
感情を交えない語り口だからか、余計にその時の惨状が浮き彫りになるようで、クリスティーナは手にした扇子で顔半分を覆い隠したけれど、ドン引きした目と顔色までは隠しようがない。
何故その後直ぐではなく、少し間を置いて前王妃が亡くなったか、何故アシェリードが亡くなった愛していたはずの妻を鼻で嘲笑うのか、国内の高位の未婚の令嬢に拘ったか、とっても納得がいったクリスティーナは、想定外のヘヴィ─さに溜息を吐いた。
「当たり前だけど、私、浮気はするのもされるのも嫌いなの。まぁ陛下は場合によっては側室を娶らなきゃいけなくなるかもしれないけど。私は絶対にしないと、誓うわ」
「美しく聡明、かつ貞淑な王妃殿下にお仕え出来ること史上の喜び、また、永遠の忠誠をもって一層お仕え申し上げます」
「じゃ、貴女の下に有能な部下を3人選んで早急につけなさい。多忙すぎる侍女なんてまるで私が虐めているみたいに見えるじゃない。全体の管理、あの子の周りも調査するわよ」
「早急に手配いたします」
ほんの僅かに緩むミラの瞳を見て、クリスティーナは主人らしく鷹揚に頷いて見せる。
しかし、内心は先程の重たい事実に疲れが倍増して早々にベッドへ帰ることを決意していたのであった。
部屋に戻るなり、クリスティーナは早々に着替えて休む準備をした。
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるミラが、上掛けをめくってくれて、ベッドに潜り込みながら聞き忘れていたなと思っていたことをふと口にする。
「そう言えばあの子、なんていう名前なの?」
ミラは直ぐに返答をする。
「スノウ様とお呼びしております。彼のお方はスノーホワイトと名付けられておりましたが、それでは少し支障がございますので」
「そ……う、スノウ。ありがとう」
ぎこちない動作だったが、クリスティーナはなんとかベッドの中へと身を滑り込ませる。
上掛けをぎゅっと握り込んで頭まで被せると、気遣ったミラは一礼してから静かに部屋から下がって行った。
一方室内…いや、上掛けの中のクリスティーナは、頭を抱えていた。
「そっちーーーーー?!?!?!童話ー?!乙女ゲームじゃなかったのーーーー?!」
人生の舵取りの失敗点に関して、盛大に頭を抱えてたのであった。
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