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提案
しおりを挟むその後、一旦先程ノックされた客間に戻ってソーマの股間が落ち着くまで呪を昇華させてから、足腰立たずクタッとした体を横抱きにされてサロンへ戻ると…
ソーマの父母夫妻、ソーマの兄夫妻もツヤツヤの肌で出迎えてくれた。
それから、ソーマの父上様が口を開いた。
「ソーマよ。お前の纏う魔力を見れば、解呪が進んでいることがよくわかった。また、それが、こちらのケイ様のお陰であることも。」
「はい。」
「だから、ケイ様にご協力頂いて、領内の呪に苦しむ領民達を救えたらと思うのだ。」
「…………!! それは、ケイに男娼のように体を暴かれろとおっしゃいますか?」
「そうだ。ただし、呪の昇華のためだ。交わりは昼間に短時間、一日に一人のみ、子種の放出は一度までとする。
明日から早速取り掛かって欲しい。
お願いできますね、神子様。」
ソーマの父上様は、僕を正面から見て真摯的な表情で言った。
「それが、僕をこの世界に迎えた、神のご意思ですので。」
僕はソーマの父上様に対して、頭を下げた。
「ごめん、ケイは大事に私だけが愛したいのに。」
ソーマは僕の肩を抱いて言った。
「神の託宣に違えることはしない方が良いと思うから。」
ソーマに言うと、ソーマは僕を抱き締めたまま立ち上がった。
「それでは、明日の午前に診療所へ一人お寄越しください。」
「わかっ」
ソーマの宣言に父上様が返事をするやいなや、ソーマはお姫様抱っこしている僕と共に退室した。
全体的に落ち着いたトーンで纏められた廊下には深紅の絨毯が敷かれ、この世界にコロコロも掃除機もあるとは思えないがしっかり掃除が行き届いているのがわかる。
しずしずと歩くご令嬢や、堂々とした体躯のカイゼル髭の紳士が闊歩するような場所を、ソーマはスタスタと早歩きで移動していた。
白い廊下に焦げ茶色の扉の並びを見ていると、進行方向の先に少し開けた場所があるのに気付く。
そこは、大階段と、吹き抜けの天井には煌めくシャンデリアのある高級ホテルのロビーのような場所だった。
「この、正面玄関から出ましょう。」
「ソーマ様、お出かけですか?」
「あぁ。ダヴィのところへ行ってくる。」
家令の問い掛けにソーマが答えると、直後に玄関番により重厚な扉が左右に開かれた。
ソーマは僕を抱き上げたままその扉を出ると、門まで歩きながら僕の視線を歪ませた。
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