408 / 903
二次試験51
しおりを挟む
「ロ、ロストアルフェがあんた達を狙ってるって…」
驚きを隠せない様子のシルヴィ。彼女に対してルカは申し訳なさそうに告げた。
「はい、僕らはどうやらマークされているようです。一緒に行動すれば…シルヴィさんやフーベルトさんも巻き込んでしまうかもしれません」
少年がそう言った時、ちょうど一行は洞窟の分かれ道に差し掛かった。左右に別れた洞窟の道幅は同程度、こちらに流れ込んでくる魔力の量も同程度だ。どちらが正解かは、進んでみなければ分からない。だが逆に言えばルカ達とシルヴィ達が別行動を取るにはちょうどいい分かれ道と言えた。
シルヴィとフーベルトにはルカ達と行動を共にしなければならない理由はない。むしろロストアルフェに狙われていると分かった今となっては、共に行動するにはリスクの方が大きい。
「…あなた達はどっちの道を進むの?」
シルヴィがルカに問いかけた。少年は答える。
「そうですね…右の道を。アレクシアさんとアヅサさんはどちらの道がいいと思いますか?」
「私はルカ君の意見に従うよ」
「もちろんわたしもです!」
二人はそう言って同意した。
ちなみにルカ君が右の道と言ったのは確たる理由があっての事ではない。時間をかけて調べればどちらの道が最短ルートかを導き出せたかもしれないが、今は調べている時間が惜しかったために今回は直感で選んだ。そんな選択を受けシルヴィは、
「そう…それなら私も右ね」
と応じる。フーベルトもまた、
「うむ」
と頷いた。そんな二人のやり取りにルカは意外な表情を浮かべる。
「いいんですか…?」
右の道を進むとは、すなわちルカ達と行動を共にするという事。そして共にロストアルフェに狙われる危険を背負うという事だ。
「言っておくけれど、ルカ・ハークレイ…私はあなた達への仲間意識で行動を共にすると言っている訳じゃないの」
シルヴィはそう返し、さらに言葉を続ける。
「ロストアルフェに狙われる危険を背負ってでも…あなた達と行動を共にした方が有利と考えた。それだけよ」
ルカ達と別行動を取っても、いずれかの狩人に狙われるのは変わらない。それならば行動を共にし、ロストアルフェと戦った方が勝算はある。――シルヴィはそう言っているのだった。その答えに表情を綻ばせたのは安鶴沙だ。
「やったあ!さすがはシルヴィさん、クーデレ!」
「な、なによクーデレって…」
「ツンデレのクールバージョンみたいなものです!」
「…そのツンデレってのがそもそも分からないんだけど…ま、何にしてもあなた達と行動を共にさせてもらうわ」
「わしのような年寄りがおっても足手まといかもしれんが、一次試験に引き続きよろしく頼むわい」
フーベルトがシルヴィの言葉に続いた。こうして、5名は改めて一丸となってダンジョンの奥へと進んでいった。
驚きを隠せない様子のシルヴィ。彼女に対してルカは申し訳なさそうに告げた。
「はい、僕らはどうやらマークされているようです。一緒に行動すれば…シルヴィさんやフーベルトさんも巻き込んでしまうかもしれません」
少年がそう言った時、ちょうど一行は洞窟の分かれ道に差し掛かった。左右に別れた洞窟の道幅は同程度、こちらに流れ込んでくる魔力の量も同程度だ。どちらが正解かは、進んでみなければ分からない。だが逆に言えばルカ達とシルヴィ達が別行動を取るにはちょうどいい分かれ道と言えた。
シルヴィとフーベルトにはルカ達と行動を共にしなければならない理由はない。むしろロストアルフェに狙われていると分かった今となっては、共に行動するにはリスクの方が大きい。
「…あなた達はどっちの道を進むの?」
シルヴィがルカに問いかけた。少年は答える。
「そうですね…右の道を。アレクシアさんとアヅサさんはどちらの道がいいと思いますか?」
「私はルカ君の意見に従うよ」
「もちろんわたしもです!」
二人はそう言って同意した。
ちなみにルカ君が右の道と言ったのは確たる理由があっての事ではない。時間をかけて調べればどちらの道が最短ルートかを導き出せたかもしれないが、今は調べている時間が惜しかったために今回は直感で選んだ。そんな選択を受けシルヴィは、
「そう…それなら私も右ね」
と応じる。フーベルトもまた、
「うむ」
と頷いた。そんな二人のやり取りにルカは意外な表情を浮かべる。
「いいんですか…?」
右の道を進むとは、すなわちルカ達と行動を共にするという事。そして共にロストアルフェに狙われる危険を背負うという事だ。
「言っておくけれど、ルカ・ハークレイ…私はあなた達への仲間意識で行動を共にすると言っている訳じゃないの」
シルヴィはそう返し、さらに言葉を続ける。
「ロストアルフェに狙われる危険を背負ってでも…あなた達と行動を共にした方が有利と考えた。それだけよ」
ルカ達と別行動を取っても、いずれかの狩人に狙われるのは変わらない。それならば行動を共にし、ロストアルフェと戦った方が勝算はある。――シルヴィはそう言っているのだった。その答えに表情を綻ばせたのは安鶴沙だ。
「やったあ!さすがはシルヴィさん、クーデレ!」
「な、なによクーデレって…」
「ツンデレのクールバージョンみたいなものです!」
「…そのツンデレってのがそもそも分からないんだけど…ま、何にしてもあなた達と行動を共にさせてもらうわ」
「わしのような年寄りがおっても足手まといかもしれんが、一次試験に引き続きよろしく頼むわい」
フーベルトがシルヴィの言葉に続いた。こうして、5名は改めて一丸となってダンジョンの奥へと進んでいった。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
282
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる