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アレクシアvsレオンゼーレ8
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アレクシアの眼前で、レオンゼーレの体が地面に崩れ落ちた。この瞬間、レオンゼーレ・ツヴァイクの命の灯は消えた。
「叔父上」
ティネンではレオンゼーレに助けられたが、今回は安鶴沙をさらわれ命までをも狙われた。ひょっとしたら憎むべき相手なのかもしれない。だが、レオンゼーレには剣の手ほどきを受けた事もある。そして何より母親の兄だ。謝罪の言葉を述べるべきなのかもしれない。だが、
「――ありがとう、ございました」
己の眼前に剣を捧げ、もう動く事のないレオンゼーレに対して剣士としての礼節を持って感謝の言葉を述べた。
後悔は――ない。…本当にそうだろうか?とアレクシアは自問する。もっといいやり方があったのではないか、レオンゼーレの命を奪う事無く前へ進む方法がひょっとしたら――。しかし、そこまで考えて首を振った。
(叔父上は、己の全てを賭け邪神と融合し…私の前に立ちはだかった)
レオンゼーレの行為を肯定するつもりはない。だが、愚かな行動だと斬り捨てる事も出来なかった。レオンゼーレ・ツヴァイクは剣士として譲れぬもののために命を賭け、アレクシア・ツヴァイクもまた譲れぬものを賭け対峙した。そして、一方が生き残り一方が命を落とした。互いに剣士としての道を歩んだ――それだけの話だ。
(だから…私も前へ進まなければ)
アレクシアは迷宮の奥へと足を踏み出す。ルカと安鶴沙がいる場所へと向かって。
「叔父上」
ティネンではレオンゼーレに助けられたが、今回は安鶴沙をさらわれ命までをも狙われた。ひょっとしたら憎むべき相手なのかもしれない。だが、レオンゼーレには剣の手ほどきを受けた事もある。そして何より母親の兄だ。謝罪の言葉を述べるべきなのかもしれない。だが、
「――ありがとう、ございました」
己の眼前に剣を捧げ、もう動く事のないレオンゼーレに対して剣士としての礼節を持って感謝の言葉を述べた。
後悔は――ない。…本当にそうだろうか?とアレクシアは自問する。もっといいやり方があったのではないか、レオンゼーレの命を奪う事無く前へ進む方法がひょっとしたら――。しかし、そこまで考えて首を振った。
(叔父上は、己の全てを賭け邪神と融合し…私の前に立ちはだかった)
レオンゼーレの行為を肯定するつもりはない。だが、愚かな行動だと斬り捨てる事も出来なかった。レオンゼーレ・ツヴァイクは剣士として譲れぬもののために命を賭け、アレクシア・ツヴァイクもまた譲れぬものを賭け対峙した。そして、一方が生き残り一方が命を落とした。互いに剣士としての道を歩んだ――それだけの話だ。
(だから…私も前へ進まなければ)
アレクシアは迷宮の奥へと足を踏み出す。ルカと安鶴沙がいる場所へと向かって。
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