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第9章 フォレスト国
第133話 入国
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「次の者!」
「はい!」
「ん?随分と大所帯だな」
「うちは少々、特殊でして」
「何だ?商人か?」
「へぇ、まぁそんなところでございます」
「どれどれ、身分証は……………っと、オマエ・ラ・アザムーク商会か」
「はい」
「なるほど……………よし、確認が取れた。じゃあ通ってもいいぞ」
「ありがとうございます」
――――――――――――――――――――
「どうやら上手くいったようだな」
「まさか、本当にやるとはね」
「当たり前だ。この方法が確実なんだからな」
俺達は現在、フォレスト国にある高級宿屋の一室に集まっていた。そもそもどうやって入国を果たしたのかだが、もちろん素直にそのままいった訳ではない。実は"幻惑"の魔道具というものを使い、俺達の認識を書き換えて正体がバレないように入国したのだ。この魔道具はアスカの固有スキルである"幻惑"が封じ込められた魔道具であり、使い捨てではあるのだが、一度使用すると対象者全員が1週間の間、"幻惑"を使える状態となり、任意での発動を行うことができるのだ。クラン"黒天の星"はこの間の一件で良くも悪くも広く知れ渡ってしまった。その為、どのメンバーまで顔が割れているのかが定かではないことから、一応全員が正体をバラさずにいた方がいいだろうという結論に至り、そのような入国方法となったのだ。リースやセバスは言わずもがな。見つからないに越したことはないし、そもそも俺達と一緒にいるところを発見されると厄介だ。結果、全員が特殊な商人という認識をさせ、入国。その後は目立つことを避けるのに最適な高級宿屋で2部屋を男と女で分かれて取ったのだ。そして、今は作戦会議の為に男部屋の方に全員が集まっているという状態だ。
「で、とりあえずだが……………ドルツ、頼めるか?」
「ああ」
俺に促され、ドルツが地図と情報が書き込まれた紙を広げた。そこにはフォレスト国の地理や彼の文字でびっしりと覆い尽くされたメモ、それから基本情報などが記してあった。
「まずは基本情報からだ。このフォレスト国は国と言われてはいるがどちらかというと小国の部類に入り、その面積はフリーダムの2倍ほどしかない。人口は約1000人。南北でそれぞれエリアが分かれており、北は主に居住エリアだ。ここはフォレスト国を定住場所として決め、暮らしている人々がいるところで7割が一般庶民、残りの3割が貴族で構成されている。一方、南エリアだがここは冒険者や商売人、また遠征など仕事や特殊な事情で訪れている者達が集い、一時的または長期的な拠点としているエリアである。ちなみに俺達が入ってきた入り口も南側にあり、この宿屋もそういった者達向けに展開している」
「なるほど」
「次に人々の暮らしや宗教についてだが、この国には貧民街というものがなく貧富の差は比較的存在しないものと思われる。また信仰や思想に関しては特に決まっているものがなく、多くの者が無信仰であり、他種族への風当たりもそこまでキツくはない。いわゆる差別や偏見といったものも一部を除いては確認されていない」
「一部…………ね」
「気候も安定していて、商品の仕入れや保存にも特に問題は見当たらない。さらには魔物が適度に出現する場所があり、依頼に困る心配がない。普通に仕事をしていれば、商売人だろうが冒険者だろうが生きていけないことはないだろう。依頼に至っては報酬もいいしな」
「黙って聞く限りではとても暮らしやすくて良い国に思えるが俺達はリースから色々と聞いてしまっている。まさか、裏でそんなことが起きていようとはこの国の者ですら、知らないのがほとんどだろう」
「……………で、僕達は一体、どう動けばいいの?」
「ああ。それはだな………………」
「はい!」
「ん?随分と大所帯だな」
「うちは少々、特殊でして」
「何だ?商人か?」
「へぇ、まぁそんなところでございます」
「どれどれ、身分証は……………っと、オマエ・ラ・アザムーク商会か」
「はい」
「なるほど……………よし、確認が取れた。じゃあ通ってもいいぞ」
「ありがとうございます」
――――――――――――――――――――
「どうやら上手くいったようだな」
「まさか、本当にやるとはね」
「当たり前だ。この方法が確実なんだからな」
俺達は現在、フォレスト国にある高級宿屋の一室に集まっていた。そもそもどうやって入国を果たしたのかだが、もちろん素直にそのままいった訳ではない。実は"幻惑"の魔道具というものを使い、俺達の認識を書き換えて正体がバレないように入国したのだ。この魔道具はアスカの固有スキルである"幻惑"が封じ込められた魔道具であり、使い捨てではあるのだが、一度使用すると対象者全員が1週間の間、"幻惑"を使える状態となり、任意での発動を行うことができるのだ。クラン"黒天の星"はこの間の一件で良くも悪くも広く知れ渡ってしまった。その為、どのメンバーまで顔が割れているのかが定かではないことから、一応全員が正体をバラさずにいた方がいいだろうという結論に至り、そのような入国方法となったのだ。リースやセバスは言わずもがな。見つからないに越したことはないし、そもそも俺達と一緒にいるところを発見されると厄介だ。結果、全員が特殊な商人という認識をさせ、入国。その後は目立つことを避けるのに最適な高級宿屋で2部屋を男と女で分かれて取ったのだ。そして、今は作戦会議の為に男部屋の方に全員が集まっているという状態だ。
「で、とりあえずだが……………ドルツ、頼めるか?」
「ああ」
俺に促され、ドルツが地図と情報が書き込まれた紙を広げた。そこにはフォレスト国の地理や彼の文字でびっしりと覆い尽くされたメモ、それから基本情報などが記してあった。
「まずは基本情報からだ。このフォレスト国は国と言われてはいるがどちらかというと小国の部類に入り、その面積はフリーダムの2倍ほどしかない。人口は約1000人。南北でそれぞれエリアが分かれており、北は主に居住エリアだ。ここはフォレスト国を定住場所として決め、暮らしている人々がいるところで7割が一般庶民、残りの3割が貴族で構成されている。一方、南エリアだがここは冒険者や商売人、また遠征など仕事や特殊な事情で訪れている者達が集い、一時的または長期的な拠点としているエリアである。ちなみに俺達が入ってきた入り口も南側にあり、この宿屋もそういった者達向けに展開している」
「なるほど」
「次に人々の暮らしや宗教についてだが、この国には貧民街というものがなく貧富の差は比較的存在しないものと思われる。また信仰や思想に関しては特に決まっているものがなく、多くの者が無信仰であり、他種族への風当たりもそこまでキツくはない。いわゆる差別や偏見といったものも一部を除いては確認されていない」
「一部…………ね」
「気候も安定していて、商品の仕入れや保存にも特に問題は見当たらない。さらには魔物が適度に出現する場所があり、依頼に困る心配がない。普通に仕事をしていれば、商売人だろうが冒険者だろうが生きていけないことはないだろう。依頼に至っては報酬もいいしな」
「黙って聞く限りではとても暮らしやすくて良い国に思えるが俺達はリースから色々と聞いてしまっている。まさか、裏でそんなことが起きていようとはこの国の者ですら、知らないのがほとんどだろう」
「……………で、僕達は一体、どう動けばいいの?」
「ああ。それはだな………………」
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