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第10章 セントラル魔法学院
第166話 袋の鼠
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「あらあら、こんなにいいのかしら?」
「「かしら~」」
エレナが目の前の盗賊達にそう問う。あの後、車を止め、様子を窺っていた対象は盗賊だった。ここら辺では有名な盗賊団らしく、近くを通りかかる通行人や冒険者を狙っていて、俺達が見たのはどうやら偵察部隊だったようだ。ちょうどその時は全く人通りがなく、暇を持て余してそうだと判断した俺達はそいつらをとっ捕まえて、アジトまで案内させたのだ。ちなみにその一連の流れはエレナとカナ・サナの立候補により、彼女達に全て任せた。すると最初は外見から油断をしまくっていた盗賊達も次第に顔色が悪くなり、逃げ惑う者達が増えてきたがそれも全て彼女達が斬り伏せた為、結果残っているのはボスと側近だけになったのである。ちなみにエレナが話しかけたのはボスだった。
「は、はい!ぜ、全部いっちゃって下さい」
「お母さん、こんなにあるよ~」
「いっぱいあるよ~」
「本当ね~……………それにしても今、全部って言ったわよね~」
「は、はい。確かにそう言いましたが…………」
「お母さん、私も聞いたよ~」
「うん。聞いた~」
「そ、それが何か…………」
「そこには当然、あなた達の命も含まれているのよね?」
「「当然、当然!!」」
「へ?」
「言質は取ったわよ?じゃあ、カナ・サナ、殺りましょうか」
「「は~い!!」」
「ち、ちょっと待ってくれ!そ、それはここにある財宝の話のはずじゃ!?それと生け捕りにしてギルドに渡した方が得するだろ!?」
「誰も財宝だけとは一言も言ってないわよ~ま、もちろんそれも頂くけど……………あと生け捕りにして引き渡しても処理に時間が掛かって最悪こっちの時間も奪われるかもしれないから、今回はしないのよ。だから、事後報告ね。野鼠盗賊団は壊滅しましたっていう」
「「壊滅、壊滅~」」
「う、嘘だろ!?お、おい!み、見逃してく…………」
「見逃す訳ないでしょ?…………"残風"!」
「「そぉっれ~!!"疾風"!!」」
「くそ野郎がぁ~!!」
「「お、お頭~お、俺達を助け」」
エレナがボスにフランベルジュをカナ・サナが側近にスモールソードをそれぞれ振るった。盗賊達が最後の勇気と覚悟を振り絞って放った抵抗は当然、意味を為さず盗賊達はただの肉塊へと変わり、この日名のある盗賊団が1つ壊滅へと至った。エレナは武器を納めてから物言わぬ屍となったボスへと振り返り、一言こう言った。
「野郎じゃないわよ」
――――――――――――――――――――
盗賊団を壊滅させた俺達は次にティアの運転で目的地まで向かった。途中で何度も"楽しいです"と笑顔で言っている彼女を見て、微笑ましくなりながら、車内は和気藹々としていた。そこからさらに少し進んだ時、不意にサラが
「この辺りですわ」
と言った為、一旦運転を止めた。まだカンパル王国とはかけ離れた場所であったが事前にサラの用事が道中にあることを知っていた俺達は全員で車を降り、サラの案内で森の中を進んでいった。すると……………
「見えてきましたわ」
サラが声を弾ませながら、指を差した方を見てみるとそこには木製の大きな門があり、門番が2人ほど立っていた。おそらく、その先には人々が生活を営むような場所があるのだろう。
「サラ、あれが?」
「ええ。そうですわ」
サラは一呼吸入れると振り返り、全員を見渡しながら、こう言った。
「あれが私の生まれ育った里ですわ」
「「かしら~」」
エレナが目の前の盗賊達にそう問う。あの後、車を止め、様子を窺っていた対象は盗賊だった。ここら辺では有名な盗賊団らしく、近くを通りかかる通行人や冒険者を狙っていて、俺達が見たのはどうやら偵察部隊だったようだ。ちょうどその時は全く人通りがなく、暇を持て余してそうだと判断した俺達はそいつらをとっ捕まえて、アジトまで案内させたのだ。ちなみにその一連の流れはエレナとカナ・サナの立候補により、彼女達に全て任せた。すると最初は外見から油断をしまくっていた盗賊達も次第に顔色が悪くなり、逃げ惑う者達が増えてきたがそれも全て彼女達が斬り伏せた為、結果残っているのはボスと側近だけになったのである。ちなみにエレナが話しかけたのはボスだった。
「は、はい!ぜ、全部いっちゃって下さい」
「お母さん、こんなにあるよ~」
「いっぱいあるよ~」
「本当ね~……………それにしても今、全部って言ったわよね~」
「は、はい。確かにそう言いましたが…………」
「お母さん、私も聞いたよ~」
「うん。聞いた~」
「そ、それが何か…………」
「そこには当然、あなた達の命も含まれているのよね?」
「「当然、当然!!」」
「へ?」
「言質は取ったわよ?じゃあ、カナ・サナ、殺りましょうか」
「「は~い!!」」
「ち、ちょっと待ってくれ!そ、それはここにある財宝の話のはずじゃ!?それと生け捕りにしてギルドに渡した方が得するだろ!?」
「誰も財宝だけとは一言も言ってないわよ~ま、もちろんそれも頂くけど……………あと生け捕りにして引き渡しても処理に時間が掛かって最悪こっちの時間も奪われるかもしれないから、今回はしないのよ。だから、事後報告ね。野鼠盗賊団は壊滅しましたっていう」
「「壊滅、壊滅~」」
「う、嘘だろ!?お、おい!み、見逃してく…………」
「見逃す訳ないでしょ?…………"残風"!」
「「そぉっれ~!!"疾風"!!」」
「くそ野郎がぁ~!!」
「「お、お頭~お、俺達を助け」」
エレナがボスにフランベルジュをカナ・サナが側近にスモールソードをそれぞれ振るった。盗賊達が最後の勇気と覚悟を振り絞って放った抵抗は当然、意味を為さず盗賊達はただの肉塊へと変わり、この日名のある盗賊団が1つ壊滅へと至った。エレナは武器を納めてから物言わぬ屍となったボスへと振り返り、一言こう言った。
「野郎じゃないわよ」
――――――――――――――――――――
盗賊団を壊滅させた俺達は次にティアの運転で目的地まで向かった。途中で何度も"楽しいです"と笑顔で言っている彼女を見て、微笑ましくなりながら、車内は和気藹々としていた。そこからさらに少し進んだ時、不意にサラが
「この辺りですわ」
と言った為、一旦運転を止めた。まだカンパル王国とはかけ離れた場所であったが事前にサラの用事が道中にあることを知っていた俺達は全員で車を降り、サラの案内で森の中を進んでいった。すると……………
「見えてきましたわ」
サラが声を弾ませながら、指を差した方を見てみるとそこには木製の大きな門があり、門番が2人ほど立っていた。おそらく、その先には人々が生活を営むような場所があるのだろう。
「サラ、あれが?」
「ええ。そうですわ」
サラは一呼吸入れると振り返り、全員を見渡しながら、こう言った。
「あれが私の生まれ育った里ですわ」
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