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第10章 セントラル魔法学院
第178話 学院選抜試験
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学院選抜試験。それは周辺国を巻き込んだ一大イベント、竜闘祭に出場する学院の生徒達を決める試験のことでここ、セントラル魔法学院では毎年恒例の行事である。各クラスがその出場権を懸けて、鎬を削る訳だが1学年~3学年でそれぞれの代表は1クラスずつとなっており、その関門は非常に狭い。1学年につき、8クラスある為、その年の竜闘祭に出場できる確率は8分の1で今年がダメなら、来年での出場を目指すことになる。つまり、入学してから卒業するまでの間に最高3回のチャンスがあるという訳だ。選抜の方法だが、くじ引きによってランダムに決められたクラス同士がトーナメント方式で争っていき、最終的に生き残ったクラスがその学年の代表となる。試合内容は実戦を想定した模擬戦。制限時間は20分でその間により多くの生徒達を戦闘不能にした方の勝利となる。もちろん、致命傷や後遺症の残る攻撃を与えることは禁止されており、複数の教師達が試験官として配置され、危険のないよう常に目を光らせている。試験は授業の時間を使ってグラウンドか体育館のどちらかで行われることになるが当然、これも授業の一環として見られ、教師からの評価の対象となる。その為、各クラスは皆、真剣に一丸となって取り組むことになるのだが何よりも大事なのはチームワークだ。いくら大人数であるとはいえ、それは向こうも同じである。数の利が効かない状態、となれば、あとは団結力に頼る他はない。それぞれの力量の違いはあれど呼吸を合わせれば、良い連携や一体感が生まれる。逆に言うと個々の自我が強すぎたり、ワンマンプレーが先行してしまう場合は足元を掬われる結果になりかねない。だから各クラスは試験当日に向けて、傾向と対策を練り、模擬戦を意識した特訓を行って徹底的にチームプレーを磨いていく訳だ。そして、かくいう俺達のクラスもそれは同じだった………………環境は全くの別物だが。
――――――――――――――――――――
「ではこれより、2ーE対2ーHの試合を開始する。試合時間は20分。それぞれ危険に十分配慮して試合を行うように……………では開始!」
試験当日、初戦の相手は2ーEだった。組分けはAから始まり、アルファベット順に続いていく。それは1年次の最後に行われた筆記と実技の試験の成績を元にしており、Aが最も良く、その正反対がHだ……………と初出勤の日にセーラから聞かされた。つまり、対戦相手である生徒達がニヤニヤしているのもそういった理由からだった。
「おいおい、初戦の相手がこいつらかよ」
「ひゃっふ~!こりゃラッキーだな」
「ああ。俺達が一生懸命に努力してた時間を返」
「「「"火球"」」」
「ぐわああああ!」
「あ、熱ぃ!」
「何だよ、これ!」
「た、助けてくれ!」
しかし、その油断もすぐに消え去ることとなる。後方に控えていた3人の生徒が一斉に初級の火魔法を彼らに向けて放ったからだ。いくら初級とはいえ、俺達の指導を受けたものだ。その大きさも質もとても生徒が放ったものとは思えないものになっており、これを食らってしまえば、ひとたまりもないだろう。もちろん、ルール違反は犯さぬよう、しっかりと加減をしてある。相手側からしたら、予測のできない攻撃であり、パニックになるのは必至。また少し落ち着いたとしても負傷者の手当てをする為に回復に専念しなければならず、そうなると支援部隊のバフを受けられず、また後方からの魔法での援護も期待できない。結果、防御がほぼない紙装甲な攻撃部隊がまともに機能するはずもなく……………
「「「"剣上葬"」」」
「「「"氷棺"」」」
「「「"雷貫"」」」
「「「"風牢"」」」
剣で斬られたり、氷漬けにされたり、雷に打たれたり、風に吹かれたり…………惨憺たるな有様になった。ここまでの流れは全てクラスのリーダーであるクリスの指示によるものである。とはいっても全てが上手くいく訳ではなく、運良く攻撃を逃れた者が出てくる。そういった者を狩りとるべく動くのがクラスで唯一の遊撃者、セーラだ。彼女は取りこぼしのないよう、入念に斬っていく。
「"剣舞奏"」
「ひぃ~」
「や、やめてくれ!」
その際、彼女を見る敵チームは恐怖と混乱で満ちた顔をしていたのだった。
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「ではこれより、2ーE対2ーHの試合を開始する。試合時間は20分。それぞれ危険に十分配慮して試合を行うように……………では開始!」
試験当日、初戦の相手は2ーEだった。組分けはAから始まり、アルファベット順に続いていく。それは1年次の最後に行われた筆記と実技の試験の成績を元にしており、Aが最も良く、その正反対がHだ……………と初出勤の日にセーラから聞かされた。つまり、対戦相手である生徒達がニヤニヤしているのもそういった理由からだった。
「おいおい、初戦の相手がこいつらかよ」
「ひゃっふ~!こりゃラッキーだな」
「ああ。俺達が一生懸命に努力してた時間を返」
「「「"火球"」」」
「ぐわああああ!」
「あ、熱ぃ!」
「何だよ、これ!」
「た、助けてくれ!」
しかし、その油断もすぐに消え去ることとなる。後方に控えていた3人の生徒が一斉に初級の火魔法を彼らに向けて放ったからだ。いくら初級とはいえ、俺達の指導を受けたものだ。その大きさも質もとても生徒が放ったものとは思えないものになっており、これを食らってしまえば、ひとたまりもないだろう。もちろん、ルール違反は犯さぬよう、しっかりと加減をしてある。相手側からしたら、予測のできない攻撃であり、パニックになるのは必至。また少し落ち着いたとしても負傷者の手当てをする為に回復に専念しなければならず、そうなると支援部隊のバフを受けられず、また後方からの魔法での援護も期待できない。結果、防御がほぼない紙装甲な攻撃部隊がまともに機能するはずもなく……………
「「「"剣上葬"」」」
「「「"氷棺"」」」
「「「"雷貫"」」」
「「「"風牢"」」」
剣で斬られたり、氷漬けにされたり、雷に打たれたり、風に吹かれたり…………惨憺たるな有様になった。ここまでの流れは全てクラスのリーダーであるクリスの指示によるものである。とはいっても全てが上手くいく訳ではなく、運良く攻撃を逃れた者が出てくる。そういった者を狩りとるべく動くのがクラスで唯一の遊撃者、セーラだ。彼女は取りこぼしのないよう、入念に斬っていく。
「"剣舞奏"」
「ひぃ~」
「や、やめてくれ!」
その際、彼女を見る敵チームは恐怖と混乱で満ちた顔をしていたのだった。
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