幸せってひとそれぞれ。

うー

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3・キャラが濃い

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「娘っ子、大丈夫か?」
「急に動かなくなったからびっくりしたよ?」
「…やはり情緒不安定だな、こいつ。」


ぱちぱち、と瞬きをする。周りを見渡すと、さっき見た3人が心配そうにこちらを見ていた。


「…あの、だ、大丈夫です、一応。」

「なら、いいけどよ。あんまりおっちゃんをびっくりさせんなよ。」とダンディさん。ついでに頭をなでなでされた。
「一点を見つめてたし話しかけても無反応だったよ?ほんとに平気?」と美少年、うん、かわいい。
「…いい医者を紹介しよう。」と不機嫌そうな美形、いやほんとに大丈夫ですよ。

「…大丈夫で、す。あ、あの、ここは?」

「ここはピアンの森だぞ。今は俺たちの休憩場所だ。」
「まぁ、他の連中はまだ戻って来てないけどね。」
「それは言ってやるな、そこそこ難しいものだったからな今回は。」
「ふーん、優しいねザックは。」


…ピアンの森ってどこでしょう。


「ピアンの森はどこの国にあるんですか?」

「なんだ娘っ子、相当田舎の出身か?」
「ピアンの森は、王都があるアリングレイ帝国アリューデンの端、ギノン国に接する場所にある森の事だよ。」


ほほう、どこだよ。聞いたことないよ。さすが異世界、まったく分からん!


「…もしや、お前…迷い人か?」
「娘っ子が!?」「え!?」

「あぁ!迷い人!なんだかそれっぽい………えぇと、迷い人?ってなんですか?」


3人が綺麗にずっこけるのを私は見た。


「ザック、間違いねぇ、このなーんにも知らなそうな感じ。初めて迷い人に会うが間違いない。」
「僕もそんな気がする。」
「気が合うな、俺もだ。」

「バカにしてますか?」

「ふむ、してないとは言い切れんな。」
「怒ったの?かわいいね。」
「…迷い人とは、何百年に一度、別の世界より神によって遣わされる幸せの運び人のことだ。」


ダンディと美少年はもう無視の方向でいきましょう。


「…幸せの…。」


ふむふむ、幸せの運び人…。なんだか荷が重そうな響きでございます。
でも、さっき、神様と話しをしたくらいだし…きっとなにか自分じゃ気づかない力が私の中にあるのかもしれない。中二病チックな思考になっているが、仕方ないよね、だってここ、異世界だし!ふぅー!


よし、落ち着け自分。

と、なんやかんや考えていると、目の前の3人が急に真剣な顔つきでこちらを見ている事にふと気づく。



「ようこそ、アリングレイ帝国へ迷い人様。我が名は、イーサン・フィッシャー、近衛騎士団隊長を務めています。」
「名は、アイザック・オルコット、同じく近衛騎士団所属、副隊長でございます。」
「名は、ジュリアン・クラーク、同じく副隊長にございます。」


3人は片膝をつき、右手を胸に当てながら首を垂れる。

えぇ、そうですね、雰囲気が変わり過ぎて、ついていけません。


「我らに、迷い人様のお名前を教えていただいても、よろしいですか?」

そう言って、ダンディ隊長さんはちらりとこちらを見上げる。


…ちくしょう!そんなワイルドダンディのくせに上目づかい!?甘え上手とか聞いてない!いや初対面だけどさ!
上目づかいされたらいちころでしょうよ!


「そんな、様なんてつけなくても…。石野結香です。あ、えーと、ゆうか・いしの、です。」

「ユウカ…?」
「そうです。あの、様はつけないで下さいね。」

偉くもなんともないんですから…。

「ユウカ!かわいい名前!僕の事はジュリアンかジュリーって呼んでもらいたいな。」

いや、君の方がかわいいよ美少年。

「じゃあ、ジュリでも?」
「全然いいよ!ジュリね!よろしくユウカ。」


はい、かわいいは正義。そっと目の前に出された手のひらに自分のものを重ねる。握手かな?と、思っていると、グイッと引っ張られ、私の手の甲にキスがひとつ落とされた。


「っ!?」
「ちなみに24歳、よろしくね?」


嘘だろ!同い年かよ!?
てゆうか、なんでキスしたの!?手の甲が熱い!

パニック、パニック!
美少年に見えて同い年のジュリの横ではダンディさんがにやっとしてるし…当たり前なの?このキスは…。異世界文化こわいよ…。
というか、この手はいつ離されるのデスカ。


「それで?俺の事はなんて呼ぶ?娘っ…おっと、もっとかしこまったほうがいいか?」

手をジュリに触られたまま、ダンディの方を見る

「…いや、さっきの感じがいいです。」
「そうかそうか、娘っ子。で、どうする?」
「んー、…呼び捨てには出来なそう…だって隊長さんですもんね。…たいちょーさんはだめですよね?」
「…いや、良い。その抜けた感じで呼ぶのが、なお良い。」
「じゃあ、たいちょーさんで。」
「おう、よろしくな娘っ子。」


一瞬考えた様子のたいちょーさんは、ニヤッと方頬をあげ手を差し出す。
あ、またこれ手の甲にキスパターン?と思っていると、その手は私の頭に。…撫でるの好きなんですか?いや、悪い気はまったくしませんが。

あはーん、撫でるのお上手、たいちょーさん。ついつい、目が閉じてくる。


「…かわいいな、娘っ子は。」

「んん!…俺は名で呼んでもらえれば反応する。」
「…あ、はい!じゃあアイザックさん?」


危ない、危ない、立ち寝するところだったわ。テクニシャンたいちょーさん。
ちらりと、不機嫌な美形さんを見ると、ものすごい不機嫌さが増していた。
なんだか、すみません。


「…ザックでいい。」
「了解ですザックさん!」
「…さんは付けるな。」
「はい、ザック!」
「…よしとする。」


だったらなんでそんなに不機嫌そうなのか、と、じーっとザックを見つめる。

「…ちっ。」

舌打ちされた。と思ったらザックも手を差し出してきた。
なんだ、なんだ、何をしてくる、この不機嫌さんめ!

「そんなに見つめるな…。」

と、言いつつ、私の視界をその大きな手のひらで隠したのでした。

「…ごめんなさい?」

一応、謝っときました。

えぇと、なんだろ、この状況。手を握られ、頭をなでられ、目隠しをされています。

「…あの、みなさん、一旦離れてくれませんか。」

「おぉっと、悪かったな娘っ子。ついつい可愛くてな。」
「ごめんねユウカ、離れがたい触り心地で、さ。」
「っ!…悪い。」

「い、いえ。」


どんな反応をすればいいのやら…。とりあえず3人とも離れてくれた、さすが騎士。紳士だわ。




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