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Episode➃ 最後の一滴
第16章|保健師の腕の見せどころ? <1>緒方社長からの差し入れ
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<1>
その日、『株式会社E・M・A』の事務所で産業医訪問の報告書を作っていたら、社長の緒方先生が部屋に入ってきた。
「みんな~! お疲れ様! 『青野』のたい焼き、買って来たわよ~~! 」
顔を上げると、緒方先生が手に持った袋をちょっと持ち上げながら、こちらにウインクをしていた。
嬉しい差し入れに、皆で静かに事務作業をしていた部屋の雰囲気がちょっとなごむ。
ちょうど私も、産業医面談のメモをまとめるのに頭を使ってお腹がすき始めていたところだ。
「え~! これ大好き! 」隣のデスクで資料作成をしていた先輩保健師の持野さんが歓声をあげた。
「スティーブ・ジョブズがアメリカまでお取り寄せしてた和菓子店の、限定たい焼きねっ♪ 緒方先生、ありがとうございまぁす♥」女医の黒木先生も立ち上がった。
ごくり……。
「たい焼き……。い、頂いてもよろしいのですか?? 」思わず訊いた私に「もちろんよ」と緒方先生は笑った。
「あ、そうだ、鈴木先生は? 」
緒方先生の言葉に、私は答えた。「鈴木先生は別の個室で、資料作成をされているかと……」
「そう。じゃあたい焼き3つ持って、一緒にその部屋に行きましょ。実は、ちょっと話があるのよ」
その日、『株式会社E・M・A』の事務所で産業医訪問の報告書を作っていたら、社長の緒方先生が部屋に入ってきた。
「みんな~! お疲れ様! 『青野』のたい焼き、買って来たわよ~~! 」
顔を上げると、緒方先生が手に持った袋をちょっと持ち上げながら、こちらにウインクをしていた。
嬉しい差し入れに、皆で静かに事務作業をしていた部屋の雰囲気がちょっとなごむ。
ちょうど私も、産業医面談のメモをまとめるのに頭を使ってお腹がすき始めていたところだ。
「え~! これ大好き! 」隣のデスクで資料作成をしていた先輩保健師の持野さんが歓声をあげた。
「スティーブ・ジョブズがアメリカまでお取り寄せしてた和菓子店の、限定たい焼きねっ♪ 緒方先生、ありがとうございまぁす♥」女医の黒木先生も立ち上がった。
ごくり……。
「たい焼き……。い、頂いてもよろしいのですか?? 」思わず訊いた私に「もちろんよ」と緒方先生は笑った。
「あ、そうだ、鈴木先生は? 」
緒方先生の言葉に、私は答えた。「鈴木先生は別の個室で、資料作成をされているかと……」
「そう。じゃあたい焼き3つ持って、一緒にその部屋に行きましょ。実は、ちょっと話があるのよ」
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