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第一回富士ダンジョン探索
宝箱
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青春 18切符は私が 18のときに、当時はまだ国鉄と呼ばれていた[日本国有鉄道旅客局]が販売を始めた。
高校の卒業旅行はこれを利用して行ったものだ。
定年退職した今の私には時間がたっぷりあるし、何より安いので、今回、このダンジョンに来るのに、青春18切符で来ようかとも思ったが、この切符は期間限定で回数券のようなシステムになっており、一人で使う私には、期間内に使い切れない危険性が伴う。
なので今回は夜行バスを利用してきた。
23時過ぎに出て、8時半に駅につき、隣接の喫茶店でモーニングセットを食べてから、バスでダンジョン前までやって来た。
そしてギルド会館ならぬ、ダンジョン管理センターのコインロッカーに荷物を入れ、普段着にウエストポーチとナップサック姿で、10時前くらいにダンジョンに入った。
初入ダンして、さっき出てくるまでが午前の部。
今からが午後の部といったところかな。
なお、今晩から、ほど近くにできているカプセルホテルに連泊の予定だ。
気分はさながら、ダンジョンの近くのギルドの隣の宿に泊まる駆け出し冒険者といったところだ。
ここにダンジョンができてから、さっきからお世話になっている窓口や売店の施設の他にも、周りには宿泊施設や入浴施設、各種お食事処、キャンプ場、コインランドリー、トランクルーム等々イロイロな施設ができている。
ダンジョンを管理している部署が[地方活性化ナンタラ課]である所以だ。
駅からここに来るバスの本数もなかなかのものだ。
タクシー乗り場にも常に何台かのタクシーが停まっている。
さて、再入場手続きをして、午後の部と参ろう。
ダンジョンに入って水晶玉に触ると HP は 5 しか回復していなかった。
まぁ仕方ない。なるべく省エネで進もう。
午前の部で進んだところまで、手描きの地図をたどって行く。
相変わらず、スライムとゴブリンとインプを倒しながら、こちらはモンスターからの攻撃は受けず、さっきのリポップ部屋らしきところまで HP -1 でたどり着いた。
覗いてみると中にはまたゴブリンが4匹いた。
ここでこいつらと闘うと、また HP が心もとなくなって引き返すことになりかねない。
私は中のゴブリン達に気づかれないように部屋を通り過ぎ、1層の探索を進める。
壁を叩くのはやめている。(壁にスイッチのようなものがないかは、まぁまぁしつこめに確認しながら進んではいるが)
曲がり角や交差点では慎重に先を覗くようにした。
と、先の方から戦闘しているような物音が聞こえた。
見にいってみると、さっきのリポップ部屋と同じようなところで男性 2人が 2匹のゴブリンと闘っていた。
{何匹か倒して残り 2匹なのかな?}
観戦していると私の方に向いて闘っていた男性がこちらに気づいて会釈をしてきた。
私も会釈を返す。
まもなく 2人はゴブリンを全て倒しダンジョンに還した。
すると、最後のゴブリンが吸収されたところに宝箱が現れた。
「やった!」
控えめな歓声を上げている。
{へぇ、あれが宝箱か…}
私はもう一度会釈をして、その場を離れた。
宝箱から何が出てくるのか、すごく興味はあったが、あれ以上あそこで覗いているのはよくないと思ったからだ。
モンスターを倒すと大小の差はあれど、毎回魔石をドロップする。
魔石以外にも不確定な確率で、そのモンスターお決まりのアイテムをドロップすることがある。
ゴブリンなら棍棒、コボルトならナイフ、スケルトンならソードといった具合だ。
ドロップするたびに品質は違うらしい。
棍棒も長かったり、短かったりするらしい。
私は長がめで細そめの棍棒を買った。
ドロップアイテムとは別に、さらに低確率で、さっきのように宝箱が出ることがある。
宝箱の中身はランダムだ。
まぁ、ランダムとはいっても低階層では低階層なりのものしか出てこないのだが…
また、モンスターから出る以外にも宝箱が見つかることもあるらしい。
罠や、[ミミックがいた]みたいな報告は色々あるが、まだまだ検証段階だ。
高校の卒業旅行はこれを利用して行ったものだ。
定年退職した今の私には時間がたっぷりあるし、何より安いので、今回、このダンジョンに来るのに、青春18切符で来ようかとも思ったが、この切符は期間限定で回数券のようなシステムになっており、一人で使う私には、期間内に使い切れない危険性が伴う。
なので今回は夜行バスを利用してきた。
23時過ぎに出て、8時半に駅につき、隣接の喫茶店でモーニングセットを食べてから、バスでダンジョン前までやって来た。
そしてギルド会館ならぬ、ダンジョン管理センターのコインロッカーに荷物を入れ、普段着にウエストポーチとナップサック姿で、10時前くらいにダンジョンに入った。
初入ダンして、さっき出てくるまでが午前の部。
今からが午後の部といったところかな。
なお、今晩から、ほど近くにできているカプセルホテルに連泊の予定だ。
気分はさながら、ダンジョンの近くのギルドの隣の宿に泊まる駆け出し冒険者といったところだ。
ここにダンジョンができてから、さっきからお世話になっている窓口や売店の施設の他にも、周りには宿泊施設や入浴施設、各種お食事処、キャンプ場、コインランドリー、トランクルーム等々イロイロな施設ができている。
ダンジョンを管理している部署が[地方活性化ナンタラ課]である所以だ。
駅からここに来るバスの本数もなかなかのものだ。
タクシー乗り場にも常に何台かのタクシーが停まっている。
さて、再入場手続きをして、午後の部と参ろう。
ダンジョンに入って水晶玉に触ると HP は 5 しか回復していなかった。
まぁ仕方ない。なるべく省エネで進もう。
午前の部で進んだところまで、手描きの地図をたどって行く。
相変わらず、スライムとゴブリンとインプを倒しながら、こちらはモンスターからの攻撃は受けず、さっきのリポップ部屋らしきところまで HP -1 でたどり着いた。
覗いてみると中にはまたゴブリンが4匹いた。
ここでこいつらと闘うと、また HP が心もとなくなって引き返すことになりかねない。
私は中のゴブリン達に気づかれないように部屋を通り過ぎ、1層の探索を進める。
壁を叩くのはやめている。(壁にスイッチのようなものがないかは、まぁまぁしつこめに確認しながら進んではいるが)
曲がり角や交差点では慎重に先を覗くようにした。
と、先の方から戦闘しているような物音が聞こえた。
見にいってみると、さっきのリポップ部屋と同じようなところで男性 2人が 2匹のゴブリンと闘っていた。
{何匹か倒して残り 2匹なのかな?}
観戦していると私の方に向いて闘っていた男性がこちらに気づいて会釈をしてきた。
私も会釈を返す。
まもなく 2人はゴブリンを全て倒しダンジョンに還した。
すると、最後のゴブリンが吸収されたところに宝箱が現れた。
「やった!」
控えめな歓声を上げている。
{へぇ、あれが宝箱か…}
私はもう一度会釈をして、その場を離れた。
宝箱から何が出てくるのか、すごく興味はあったが、あれ以上あそこで覗いているのはよくないと思ったからだ。
モンスターを倒すと大小の差はあれど、毎回魔石をドロップする。
魔石以外にも不確定な確率で、そのモンスターお決まりのアイテムをドロップすることがある。
ゴブリンなら棍棒、コボルトならナイフ、スケルトンならソードといった具合だ。
ドロップするたびに品質は違うらしい。
棍棒も長かったり、短かったりするらしい。
私は長がめで細そめの棍棒を買った。
ドロップアイテムとは別に、さらに低確率で、さっきのように宝箱が出ることがある。
宝箱の中身はランダムだ。
まぁ、ランダムとはいっても低階層では低階層なりのものしか出てこないのだが…
また、モンスターから出る以外にも宝箱が見つかることもあるらしい。
罠や、[ミミックがいた]みたいな報告は色々あるが、まだまだ検証段階だ。
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