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1.衝撃の朝
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「藤堂、社長室に呼ばれてるぞ」
入社三日目の朝、俺―― 藤堂 颯真は先輩社員からそう告げられた。
まだ会社のコピー機の使い方すら覚えきれていないのに、社長に呼ばれるなんて。
心臓が早鐘を打つ。
書類を抱えたまま、最上階へ向かうエレベーターに乗り込む。
鏡に映る自分をちらりと見て、思わず息をのむ。
淡い色の髪、透き通るような瞳、白い肌――子供の頃から注がれてきた好奇の目を思い出す。
就活でも、何社も落ちた。
面接官の視線が、いつも俺の外見に向けられる。
能力よりも見た目で判断される――そう感じることが多かった。
でも、この会社だけは、俺を受け入れてくれた。
――社長から呼び出しなんて、俺、何かまずいことでもしたのか?
それとも、配属先の話か……。
考えれば考えるほど、緊張が増していく。
扉の前で深呼吸をする。
心臓が張り裂けそうだ。
ノックすると、低く落ち着いた声が返ってきた。
「どうぞ」
扉を開けると、社長室の広さに圧倒される。
窓の外には東京の景色が広がり、その前に立つのは――“ 黒崎 翔社長”。
三十歳にして会社を率いる若き経営者。
雑誌で初めて社長を見たとき、圧倒されるほどの存在感に憧れを抱いた。
まさか、その会社に自分が採用されるなんて、夢にも思わなかった。
上品なスーツに身を包んだ長身の彼は、視線をこちらに向け、一瞬の間を置いてから静かに微笑んだ。
「早かったね。座って」
「は、はい……」
俺は促されるままソファに腰を下ろす。
黒崎社長は俺の向かいに座り、じっと見つめてきた。
その視線に、俺は少し身構えた。
もしかしたら、またこの見た目のことを言われるかもしれない。
でも、社長の目に浮かんでいたのは、好奇の眼差しではなかった。
何か、もっと――温かいもののような気がした。
沈黙が数秒続く。
この人、面接の時もこんなに見つめてきただろうか。
あの時は緊張で覚えていないけど、今はその視線の重さがはっきりと分かる。
「あの、何か……ミスを?」
おそるおそる尋ねると、黒崎社長はゆっくりと首を横に振った。
「ミスじゃない。ただ、確認したいことがあってね」
「確認……ですか?」
黒崎社長は身を乗り出してきた。
俺の目をまっすぐ見つめる。
その瞳は深く、吸い込まれそうなほど真剣だった。
「藤堂くん。昨日、俺にキスしたよね?」
――え。
何を言われたのか、一瞬理解できなかった。
「……は?」
「覚えてない?歓迎会の後、駐車場で。俺の唇に、キスをした」
俺の顔が一気に熱くなる。
「そ、そんな……! 俺、そんなこと……」
――記憶がない。
入社三日目の朝、俺―― 藤堂 颯真は先輩社員からそう告げられた。
まだ会社のコピー機の使い方すら覚えきれていないのに、社長に呼ばれるなんて。
心臓が早鐘を打つ。
書類を抱えたまま、最上階へ向かうエレベーターに乗り込む。
鏡に映る自分をちらりと見て、思わず息をのむ。
淡い色の髪、透き通るような瞳、白い肌――子供の頃から注がれてきた好奇の目を思い出す。
就活でも、何社も落ちた。
面接官の視線が、いつも俺の外見に向けられる。
能力よりも見た目で判断される――そう感じることが多かった。
でも、この会社だけは、俺を受け入れてくれた。
――社長から呼び出しなんて、俺、何かまずいことでもしたのか?
それとも、配属先の話か……。
考えれば考えるほど、緊張が増していく。
扉の前で深呼吸をする。
心臓が張り裂けそうだ。
ノックすると、低く落ち着いた声が返ってきた。
「どうぞ」
扉を開けると、社長室の広さに圧倒される。
窓の外には東京の景色が広がり、その前に立つのは――“ 黒崎 翔社長”。
三十歳にして会社を率いる若き経営者。
雑誌で初めて社長を見たとき、圧倒されるほどの存在感に憧れを抱いた。
まさか、その会社に自分が採用されるなんて、夢にも思わなかった。
上品なスーツに身を包んだ長身の彼は、視線をこちらに向け、一瞬の間を置いてから静かに微笑んだ。
「早かったね。座って」
「は、はい……」
俺は促されるままソファに腰を下ろす。
黒崎社長は俺の向かいに座り、じっと見つめてきた。
その視線に、俺は少し身構えた。
もしかしたら、またこの見た目のことを言われるかもしれない。
でも、社長の目に浮かんでいたのは、好奇の眼差しではなかった。
何か、もっと――温かいもののような気がした。
沈黙が数秒続く。
この人、面接の時もこんなに見つめてきただろうか。
あの時は緊張で覚えていないけど、今はその視線の重さがはっきりと分かる。
「あの、何か……ミスを?」
おそるおそる尋ねると、黒崎社長はゆっくりと首を横に振った。
「ミスじゃない。ただ、確認したいことがあってね」
「確認……ですか?」
黒崎社長は身を乗り出してきた。
俺の目をまっすぐ見つめる。
その瞳は深く、吸い込まれそうなほど真剣だった。
「藤堂くん。昨日、俺にキスしたよね?」
――え。
何を言われたのか、一瞬理解できなかった。
「……は?」
「覚えてない?歓迎会の後、駐車場で。俺の唇に、キスをした」
俺の顔が一気に熱くなる。
「そ、そんな……! 俺、そんなこと……」
――記憶がない。
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