【完結】社長、俺のこと好きすぎじゃないですか?―キスから始まる溺愛オフィス―

砂原紗藍

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23.俺のこと、好きすぎじゃないですか?

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――朝。

目が覚めると、すぐ目の前に翔の顔があった。
柔らかい笑みで、静かに俺を見ている。

「……おはよう」
「おはよう。よく眠れたか?」

翔の指先が、そっと俺の頬をなでる。

「はい……翔が一緒にいてくれたので」
「そうか。よかった」

翔は俺の額に、軽くキスを落とした。

「顔色も、少し良くなったな」
「心配かけて、すみません」
「颯真は謝る必要ないよ」

翔の声は穏やかで、安心感で満たされる。

「今日は休もう。無理させたくない」
「でも……仕事が」
「大丈夫。一緒にいよう」

翔は俺の手を包み込み、目を合わせてくる。

「昨日のこと、まだ引っかかってるだろ」
「……はい」
「なら、今日は俺がそばにいる。安心しろ」
「……ありがとうございます」
「朝ごはん作るよ。何が食べたい?」
「翔が作るんですか……?」
「うん。作りたいんだ。お前の好きなものを」
「じゃあ……オムレツがいいです」
「任せろ」

しばらくして、翔が朝食を持ってきた。
オムレツ、サラダ、トースト、そしてコーヒー。
どれも丁寧に作られているのが分かる。

「すごい……」
「ほら座って。食べよう」

オムレツを一口食べると、自然と笑みがこぼれた。

「……すごく美味しいです」
「いい顔するな。作った甲斐があるよ」

食事の途中、翔が真剣な声で言った。

「颯真、ひとつだけ約束してほしい」
「はい?」
「夜遅くに一人で出歩かない。必ず俺に連絡すること」

その言い方は強くない。
ただ、本気で心配してるのが伝わってくる。

「……分かりました」

さらに翔は立ち上がり、引き出しから小さなデバイスを取り出した。

「これは……?」
「GPSトラッカー。持っておいてほしい」
「監視……ですか?」
「違うよ。何かあった時、すぐ駆けつけられるように」

俺が黙ると、翔は少しだけ不安そうに聞いた。

「嫌か」
「……嫌じゃないです。でも、過保護ですよ?」
「分かってる。でも、颯真のこととなると冷静じゃいられないんだ」

翔は苦笑しながら、俺の頭をそっと撫でる。

「お前だけだよ。俺をこんなにさせるのは」
「……翔……」
「これからも、ずっと守るよ。お前は俺にとって、本当に大事な人だから」


――数日後、会社。

昼休み、翔と並んで食堂で食事していると、翔が俺の顔を覗きこむ。

「颯真、最近ほんとに良くなったな」
「はい。もう大丈夫です」
「でも無理はしないこと。何かあればすぐ言え」
「分かってます」

コーヒーを飲んでいると、ふと思い出して聞いた。

「……GPS、やっぱり見てるんですか?」
「ああ。お前の居場所、常に把握してる」
「……やっぱり過保護」
「自覚はある。でも、やめられないな」

翔は照れもせず笑って、俺の手を握る。

「もう……仕方ないですね」

胸がじんわり温かくなる。

「……ありがとう」
「こちらこそ」

翔はそっと手を握り直し、目を見つめて言う。

「これからも、ずっと一緒だよ」
「はい。……ていうか、翔は本当に俺のこと、好きすぎじゃないですか?」
「ああ。お前が側にいる限り、俺はずっとこうだからな」

自然と笑いながら、俺もその手を握り返した。



***


――次回、いよいよ最終回。
二人の“未来”が描かれます。

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