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入学試験4
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「これより、実技試験を始める。」
やっと試験が始まったようだ。尻取りをずっとするのも飽きがくる。
「この闘技場には、試験官が二人いる。どちらでもいい。一人は騎士だ、一人は冒険者だ。名前を言って受け始めろ特に順番などない。それで始め!」
なるほど、二人の試験官ねぇ。やっていることは素晴らしいことだが、明らかに冒険者のところへ行く人が少ないというより全員、騎士のところに向かっている。
どう見ても、冒険者の方が強そうじゃないか。みんな、弱いところに行くのか。
「ディー、冒険者のところ行こうよ」
「そうだね、僕もこういうの嫌いだよ。」
俺たちは無人の冒険者のところに来た。
冒険者も特に何も言わずに地面に座っていた。
「おう、お前俺のとこ来ていいのか?」
「ええ、どう見てもあの騎士より貴方の方が強いでしょう。みんな、弱い方を行くって腰抜けですね。」
「いや、アレクそういうことじゃないよ。」
「何だお前、そう思ってこっちに人がこないと思ったのか?」
「え、違うのか?」
「ハハッ、おい隣にいる奴教えてやれ」
「いいの?それって冒険者を侮辱する事になるよ?」
「いいよいいよ、知っておいた方が良いだろうからな。」
どういう事だ?よく意味が分からないんだけど。
「アレク、この国の貴族や金持ちの平民は冒険者を蔑ろにして、見下すんだよ。金の亡者とか国に貢献してないとかでね。」
「はぁ?あの騎士見てみろよ、どうみても実践経験のない、型だけできる奴だぞ?そんな奴に国が守れるわけないだろ。それにこの人があの騎士10人いても負けはしないだろ!それの冒険者が魔物を間引きしてるから、スタンピードが起きないのに」
「それはありがたいが、そいつが言ったことが真実さ。」
貴族の奴、見る目がなさ過ぎるだろう。もうこの国ヤバイとしか思わないな。
「まあ、僕もそう思うよ。だから、嫌なんだよねこんな状況がね。」
「俺は毎年これに参加しているが久々だぜ、こんなやつは。前は女で馬鹿みたいに強い奴がいて、せこい技で勝ったけど、俺のことを見下すどころか礼を言ってきた奴。名前は確か、レグシーヌとか言ったか。そのあと試験の間は俺とずっと模擬戦やってたよ。」
「姉さんかよ。」
姉さんならそんなこと関係なく、恐らく騎士が雑魚すぎてこっちに来たんだろう。
「あいつの弟かよ、それなら納得だが。俺はお前たちに敵う気がしないから満点にしとくぜ。」
「でも、お前たちみたいな奴がいるからこういう仕事は辞められないってもんだな。とりあえず、打ち合うか?どうせ誰も来ないから。」
「じゃあ僕は冒険者の方につくよ。アレク、二体一ってどう?」
「そうだな、体を動かしたかったし、それでいいか。でも、一応結界張っておくぞ。」
「お前、魔法まで使えるのか!?、こりぁ、すげー奴が来たもんだ。俺は少ししか使えねえからな。」
俺はあちらに被害が出ないように、結界を張り打ち合いを始めた。
「おい、速すぎだろ!」
「いや、まだまだ行くよ。とりあえず、身体強化を掛けとくから。アレク、少しは手加減してよね!」
「分かってる分かってる。」
そういって、三十分ほど剣を打ち合った。
やはり俺の想像通りだ。この冒険者は実力者それも実戦経験がとてもある。
それぞれの行動が最適な動きをする。
それにディーに邪魔にならように動くので、はじめての連携であったがパーティーとして機能していた。
背後からの攻撃やディーの攻撃を生かすための動き、この人はやはりすごい人だ。
「ありがとうございました、今度複数人での戦い方を教えて頂けませんか?」
「おいおい、俺でいいのかよ。それにお前十分一人で強いだろ。」
「いや、貴方だからこそですよ。いずれ複数人で戦うことがあると思います。そんな時に連携出来なかったら、負けることも考えられますから。」
「そうか、じゃあギルドに来い。俺は依頼以外ではほとんどそこに居るから。」
「分かりました、ではありがとうございました。また、今度伺います。」
「おうよ、またな」
と俺たちは闘技場を出て、リリアーヌの待ち合わせ場所に結構早いが向かった。
side冒険者の試験官
「それで、これは本当ですか?」
「学園長よ、俺が嘘をつくわけがないだろ。」
俺は学園長の元に訪れている。試験のことで話を聞きたいと言うことだ。
「二百点満点中、千点というのはよくわからないのですが。」
「まあ、おれが敵わない奴だったよ、少し打ち合ったが全くだ。それに面白い奴だったぞ。」
「それはどういう意味で?」
「真っ先に俺のところに来て、弱い騎士のところに行く、みんなは腰抜けだな。と言ったんだ。」
これが笑わずに居られるかよ。
「それに、騎士なんかに国が守れるわけないと試験官の騎士を見て言っていたぞ。それは、俺も納得だな。騎士で強いのは一握りだからな。」
「貴方がそこまでいうのですね、このアレンと言うのは平民ですから、厳しい学園生活になりそうですね。」
「ん?それは違うぞ?あのレグシーヌの弟だからな。貴族の子息だろう。」
「あの、家ですか。」
少し学園長の表情が歪んだな。相当権力のある貴族なんだろう。そんな奴があんな風になるとは意外だが。
「下手に手を出したら返り討ちだな、それにそのディーと言うやつはそもそも人族じゃない、上位精霊いや、それよりも上の存在だろう。」
「え?それは流石に、」
「信じる信じないは任せるが、俺は中位精霊とは会ったことがあるがディーと言うやつはそれすら生温い感じだ。精霊は魔法が得意なのに普通に剣を振っていたしな。とりあえず下手なことしない事だな、エルフを全て敵回すことなるからな。じゃあ俺は行くぜ。」
そう言って学園長室を出た。
面白い奴がやっぱり居るもんだな。
遅くなり申し訳ございません。ストックはめっちゃあるので投稿していきたいと思います。
やっと試験が始まったようだ。尻取りをずっとするのも飽きがくる。
「この闘技場には、試験官が二人いる。どちらでもいい。一人は騎士だ、一人は冒険者だ。名前を言って受け始めろ特に順番などない。それで始め!」
なるほど、二人の試験官ねぇ。やっていることは素晴らしいことだが、明らかに冒険者のところへ行く人が少ないというより全員、騎士のところに向かっている。
どう見ても、冒険者の方が強そうじゃないか。みんな、弱いところに行くのか。
「ディー、冒険者のところ行こうよ」
「そうだね、僕もこういうの嫌いだよ。」
俺たちは無人の冒険者のところに来た。
冒険者も特に何も言わずに地面に座っていた。
「おう、お前俺のとこ来ていいのか?」
「ええ、どう見てもあの騎士より貴方の方が強いでしょう。みんな、弱い方を行くって腰抜けですね。」
「いや、アレクそういうことじゃないよ。」
「何だお前、そう思ってこっちに人がこないと思ったのか?」
「え、違うのか?」
「ハハッ、おい隣にいる奴教えてやれ」
「いいの?それって冒険者を侮辱する事になるよ?」
「いいよいいよ、知っておいた方が良いだろうからな。」
どういう事だ?よく意味が分からないんだけど。
「アレク、この国の貴族や金持ちの平民は冒険者を蔑ろにして、見下すんだよ。金の亡者とか国に貢献してないとかでね。」
「はぁ?あの騎士見てみろよ、どうみても実践経験のない、型だけできる奴だぞ?そんな奴に国が守れるわけないだろ。それにこの人があの騎士10人いても負けはしないだろ!それの冒険者が魔物を間引きしてるから、スタンピードが起きないのに」
「それはありがたいが、そいつが言ったことが真実さ。」
貴族の奴、見る目がなさ過ぎるだろう。もうこの国ヤバイとしか思わないな。
「まあ、僕もそう思うよ。だから、嫌なんだよねこんな状況がね。」
「俺は毎年これに参加しているが久々だぜ、こんなやつは。前は女で馬鹿みたいに強い奴がいて、せこい技で勝ったけど、俺のことを見下すどころか礼を言ってきた奴。名前は確か、レグシーヌとか言ったか。そのあと試験の間は俺とずっと模擬戦やってたよ。」
「姉さんかよ。」
姉さんならそんなこと関係なく、恐らく騎士が雑魚すぎてこっちに来たんだろう。
「あいつの弟かよ、それなら納得だが。俺はお前たちに敵う気がしないから満点にしとくぜ。」
「でも、お前たちみたいな奴がいるからこういう仕事は辞められないってもんだな。とりあえず、打ち合うか?どうせ誰も来ないから。」
「じゃあ僕は冒険者の方につくよ。アレク、二体一ってどう?」
「そうだな、体を動かしたかったし、それでいいか。でも、一応結界張っておくぞ。」
「お前、魔法まで使えるのか!?、こりぁ、すげー奴が来たもんだ。俺は少ししか使えねえからな。」
俺はあちらに被害が出ないように、結界を張り打ち合いを始めた。
「おい、速すぎだろ!」
「いや、まだまだ行くよ。とりあえず、身体強化を掛けとくから。アレク、少しは手加減してよね!」
「分かってる分かってる。」
そういって、三十分ほど剣を打ち合った。
やはり俺の想像通りだ。この冒険者は実力者それも実戦経験がとてもある。
それぞれの行動が最適な動きをする。
それにディーに邪魔にならように動くので、はじめての連携であったがパーティーとして機能していた。
背後からの攻撃やディーの攻撃を生かすための動き、この人はやはりすごい人だ。
「ありがとうございました、今度複数人での戦い方を教えて頂けませんか?」
「おいおい、俺でいいのかよ。それにお前十分一人で強いだろ。」
「いや、貴方だからこそですよ。いずれ複数人で戦うことがあると思います。そんな時に連携出来なかったら、負けることも考えられますから。」
「そうか、じゃあギルドに来い。俺は依頼以外ではほとんどそこに居るから。」
「分かりました、ではありがとうございました。また、今度伺います。」
「おうよ、またな」
と俺たちは闘技場を出て、リリアーヌの待ち合わせ場所に結構早いが向かった。
side冒険者の試験官
「それで、これは本当ですか?」
「学園長よ、俺が嘘をつくわけがないだろ。」
俺は学園長の元に訪れている。試験のことで話を聞きたいと言うことだ。
「二百点満点中、千点というのはよくわからないのですが。」
「まあ、おれが敵わない奴だったよ、少し打ち合ったが全くだ。それに面白い奴だったぞ。」
「それはどういう意味で?」
「真っ先に俺のところに来て、弱い騎士のところに行く、みんなは腰抜けだな。と言ったんだ。」
これが笑わずに居られるかよ。
「それに、騎士なんかに国が守れるわけないと試験官の騎士を見て言っていたぞ。それは、俺も納得だな。騎士で強いのは一握りだからな。」
「貴方がそこまでいうのですね、このアレンと言うのは平民ですから、厳しい学園生活になりそうですね。」
「ん?それは違うぞ?あのレグシーヌの弟だからな。貴族の子息だろう。」
「あの、家ですか。」
少し学園長の表情が歪んだな。相当権力のある貴族なんだろう。そんな奴があんな風になるとは意外だが。
「下手に手を出したら返り討ちだな、それにそのディーと言うやつはそもそも人族じゃない、上位精霊いや、それよりも上の存在だろう。」
「え?それは流石に、」
「信じる信じないは任せるが、俺は中位精霊とは会ったことがあるがディーと言うやつはそれすら生温い感じだ。精霊は魔法が得意なのに普通に剣を振っていたしな。とりあえず下手なことしない事だな、エルフを全て敵回すことなるからな。じゃあ俺は行くぜ。」
そう言って学園長室を出た。
面白い奴がやっぱり居るもんだな。
遅くなり申し訳ございません。ストックはめっちゃあるので投稿していきたいと思います。
応援ありがとうございます!
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