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15 ローゼリア・フォレスターという仮面
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ヴィルタ家主催の狩猟パーティーより少し前、ローゼリアはオルコット伯爵家が持つ王都のタウンハウスにいた。
オルコット領の紙の販売で付き合いのある、商家のパーティーに参加する為にローゼリアは半日かけて出掛ける準備をした。
裕福とはいえ小規模な平民の家主催のパーティーだが、予定では人数は少ないが貴族も来る予定になっている。気を抜くわけにはいかなかった。
準備を終えたローゼリアがやっと玄関ホールに現れると、伯爵とイアンがいた。イアンは黒いスラックスに白いシャツとラフな格好をしている。本日は伯爵とローゼリアの夫婦のみの参加なので、彼は留守番だったが見送りのために玄関ホールまで来てくれていたらしい。
そんなイアンが正装姿のローゼリアを見て、目を大きく見開いている。あまり表情の変わらない彼を驚かせた事にローゼリアは内心ほくそ笑んでいた。
伯爵はローゼリアをひと目見て満足気に笑っている。
「これぞローゼリア・フォレスターだな」
「王都では誰に会うのか分かりませんもの。私にも意地というものがあります。実家が没落して嫁いだからといって簡単に変わるような女には見られたくありませんわ」
ローゼリアは優雅に笑いながら答える。
出掛ける準備をするに当たって、ローゼリアはしばらく切っていなかった前髪をどうするか迷った。没落前は目の上で揃えるように切っていたが、ローゼリアの身の回りの世話をしてくれる使用人すらいない小さな領地の子爵令嬢となり、自分で家の事をするようになってからは自身の身だしなみに気遣う余裕は無かったので、前髪を後ろに流すように上げて首の後ろでひとつに髪の毛をまとめていただけだった。
手入れのしやすさも考えて髪も平民のように短くしたかったのだが、それをしてしまうと母親がショックを受けてしまうのではないかと心配して長い髪のままにしていた。
鏡の前で久し振りに自分の顔を見つめる。小さなパーティーとはいえ、貴族もいるのだからきっとローゼリアはパーティーで注目される。今のローゼリアが持っているものは、王太子の婚約者時代に被っていた古い仮面だ。これからの自分をどうしようかなんて考えてこなかったローゼリアに新しい仮面はまだ無い。
少し考えた後、ローゼリアは侍女に伸びてしまった前髪を以前のように瞳を少し隠す程度に揃えてもらった上に、手間だが天然のウエーブの入った髪はコテでストレートに伸ばしてもらい、オイルで手入れをしてもらった。
準備をしてくれた3人の侍女たちは「前髪で隠してしまわれるなんてもったいない」と残念がってくれたが、ローゼリアの願いを聞いてくれた。
髪を以前のように戻したら、化粧気の無い顔に違和感を感じたので、こちらも以前のように厚めに化粧を塗り込み、首まで隠すコットと地味な色のシュールコーをしっかり着込んでみたら、数か月前の自分がそこにいた。
鏡を覗いて見たら満足そうな自分とは対照的に残念そうな表情の侍女たちの姿が映っていた。
オルコット領でのローゼリアは夫である伯爵が何も言わない事をいいことに、大した化粧もせずにウエーブのある髪も簡単にまとめた程度の格好でいつも過ごしていた。
没落して村娘のような姿をしていた時は別として、公爵令嬢時代だって、ここまで何もしなかった事は無かったというくらいに元高位貴族令嬢とは思えないような適当な格好で過ごしていた。
伯爵はおそらく令嬢時代のローゼリアの姿を見た事があるのだろう。面白いものを見るように口の端が上がっていた。
伯爵とは違い、これまで社交界に顔を出した事がないイアンは、初めて見るローゼリアの姿に口を開けて驚いていた。それは決して綺麗とかそういった感想を抱いたからではなく、異質な物を見るような視線をローゼリアに投げかけている。
「何か問題でもありまして?」
「いえ、……お、お綺麗だと思いまして」
「あら、イアン様が女性を褒めるなんて珍しいこともありますのね。でも心にも無い事を無理におっしゃらなくてもかまわなくてよ。私は別に美しくなるために装っているのではないのですから。ランゲル女性らしさを私が体現しようとするとこうなってしまいますの。面白いでしょう、ふふふ」
ローゼリアの母はエルランド出身で、ローゼリアはその因子を強く受け継いでいる。ランゲル人とエルランド人では顔の作りと美醜の感覚が多少違うのだ。なのでローゼリアがランゲル人に見せようとすると多少の無理が出てしまう。
ランゲル国民はストレートの髪質を持つ者が多く、国内ではそれが美しいとされているので、ローゼリアはそれに合わせてクセを伸ばし、目立つ大きな瞳を前髪で隠すようにする。その上で肌が白く見えるように厚く濃い化粧を施すと元の素顔が分からないレベルになってしまうのだ。
王妃や王宮侍女の指示の通りにした結果がこれなのだが、ローゼリアの顔の一番の特徴である目を隠そうとしているからか、美とは逆の方向に仕上がってしまっている。
ローゼリアの母親のナタリーは王妃がローゼリアの美しさに嫉妬しているからわざとあのような化粧をさせるのだとよくぼやいていたが、家長である父親が王家の言う事は忠実に従うタイプだったので、反論も出来ずに従い続けるしかなかった。
「私は女性の見た目に疎い方ですが、普段とはまるで別人の姿に驚いてしまって……」
「正直なお褒めの言葉をありがとうございます。私この格好をすると社交で貴族たちと立ち向かえる気持ちになりますのよ」
そう言いながらローゼリアは扇子を取り出して貴族女性らしい笑みを浮かべて、伯爵のエスコート受けて馬車に乗って夜会へ出掛けて行った。
玄関ホールに残されたイアンはひと言、「女は恐ろしいな」と小声でつぶやいていた。
平民が主催する小さな夜会であったにもかかわらず、その夜オルコット夫妻が現れた事はフォレスター家の爵位返上の噂と共に、オフシーズンであるにも関わらず、あっという間に貴族社会に広まっていった。
貴族たちの口さがない噂にもローゼリアは傷つくことはなかった。5年ほどでこの国を去ろうと考えているローゼリアにとって、ランゲル国の社交界での自分の立ち位置はどうでも良いものになっていたので、一躍時の人となった自分を使って何か商売に使えるような事はないかと考える程度にしか思わなかった。
オルコット領の紙の販売で付き合いのある、商家のパーティーに参加する為にローゼリアは半日かけて出掛ける準備をした。
裕福とはいえ小規模な平民の家主催のパーティーだが、予定では人数は少ないが貴族も来る予定になっている。気を抜くわけにはいかなかった。
準備を終えたローゼリアがやっと玄関ホールに現れると、伯爵とイアンがいた。イアンは黒いスラックスに白いシャツとラフな格好をしている。本日は伯爵とローゼリアの夫婦のみの参加なので、彼は留守番だったが見送りのために玄関ホールまで来てくれていたらしい。
そんなイアンが正装姿のローゼリアを見て、目を大きく見開いている。あまり表情の変わらない彼を驚かせた事にローゼリアは内心ほくそ笑んでいた。
伯爵はローゼリアをひと目見て満足気に笑っている。
「これぞローゼリア・フォレスターだな」
「王都では誰に会うのか分かりませんもの。私にも意地というものがあります。実家が没落して嫁いだからといって簡単に変わるような女には見られたくありませんわ」
ローゼリアは優雅に笑いながら答える。
出掛ける準備をするに当たって、ローゼリアはしばらく切っていなかった前髪をどうするか迷った。没落前は目の上で揃えるように切っていたが、ローゼリアの身の回りの世話をしてくれる使用人すらいない小さな領地の子爵令嬢となり、自分で家の事をするようになってからは自身の身だしなみに気遣う余裕は無かったので、前髪を後ろに流すように上げて首の後ろでひとつに髪の毛をまとめていただけだった。
手入れのしやすさも考えて髪も平民のように短くしたかったのだが、それをしてしまうと母親がショックを受けてしまうのではないかと心配して長い髪のままにしていた。
鏡の前で久し振りに自分の顔を見つめる。小さなパーティーとはいえ、貴族もいるのだからきっとローゼリアはパーティーで注目される。今のローゼリアが持っているものは、王太子の婚約者時代に被っていた古い仮面だ。これからの自分をどうしようかなんて考えてこなかったローゼリアに新しい仮面はまだ無い。
少し考えた後、ローゼリアは侍女に伸びてしまった前髪を以前のように瞳を少し隠す程度に揃えてもらった上に、手間だが天然のウエーブの入った髪はコテでストレートに伸ばしてもらい、オイルで手入れをしてもらった。
準備をしてくれた3人の侍女たちは「前髪で隠してしまわれるなんてもったいない」と残念がってくれたが、ローゼリアの願いを聞いてくれた。
髪を以前のように戻したら、化粧気の無い顔に違和感を感じたので、こちらも以前のように厚めに化粧を塗り込み、首まで隠すコットと地味な色のシュールコーをしっかり着込んでみたら、数か月前の自分がそこにいた。
鏡を覗いて見たら満足そうな自分とは対照的に残念そうな表情の侍女たちの姿が映っていた。
オルコット領でのローゼリアは夫である伯爵が何も言わない事をいいことに、大した化粧もせずにウエーブのある髪も簡単にまとめた程度の格好でいつも過ごしていた。
没落して村娘のような姿をしていた時は別として、公爵令嬢時代だって、ここまで何もしなかった事は無かったというくらいに元高位貴族令嬢とは思えないような適当な格好で過ごしていた。
伯爵はおそらく令嬢時代のローゼリアの姿を見た事があるのだろう。面白いものを見るように口の端が上がっていた。
伯爵とは違い、これまで社交界に顔を出した事がないイアンは、初めて見るローゼリアの姿に口を開けて驚いていた。それは決して綺麗とかそういった感想を抱いたからではなく、異質な物を見るような視線をローゼリアに投げかけている。
「何か問題でもありまして?」
「いえ、……お、お綺麗だと思いまして」
「あら、イアン様が女性を褒めるなんて珍しいこともありますのね。でも心にも無い事を無理におっしゃらなくてもかまわなくてよ。私は別に美しくなるために装っているのではないのですから。ランゲル女性らしさを私が体現しようとするとこうなってしまいますの。面白いでしょう、ふふふ」
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ランゲル国民はストレートの髪質を持つ者が多く、国内ではそれが美しいとされているので、ローゼリアはそれに合わせてクセを伸ばし、目立つ大きな瞳を前髪で隠すようにする。その上で肌が白く見えるように厚く濃い化粧を施すと元の素顔が分からないレベルになってしまうのだ。
王妃や王宮侍女の指示の通りにした結果がこれなのだが、ローゼリアの顔の一番の特徴である目を隠そうとしているからか、美とは逆の方向に仕上がってしまっている。
ローゼリアの母親のナタリーは王妃がローゼリアの美しさに嫉妬しているからわざとあのような化粧をさせるのだとよくぼやいていたが、家長である父親が王家の言う事は忠実に従うタイプだったので、反論も出来ずに従い続けるしかなかった。
「私は女性の見た目に疎い方ですが、普段とはまるで別人の姿に驚いてしまって……」
「正直なお褒めの言葉をありがとうございます。私この格好をすると社交で貴族たちと立ち向かえる気持ちになりますのよ」
そう言いながらローゼリアは扇子を取り出して貴族女性らしい笑みを浮かべて、伯爵のエスコート受けて馬車に乗って夜会へ出掛けて行った。
玄関ホールに残されたイアンはひと言、「女は恐ろしいな」と小声でつぶやいていた。
平民が主催する小さな夜会であったにもかかわらず、その夜オルコット夫妻が現れた事はフォレスター家の爵位返上の噂と共に、オフシーズンであるにも関わらず、あっという間に貴族社会に広まっていった。
貴族たちの口さがない噂にもローゼリアは傷つくことはなかった。5年ほどでこの国を去ろうと考えているローゼリアにとって、ランゲル国の社交界での自分の立ち位置はどうでも良いものになっていたので、一躍時の人となった自分を使って何か商売に使えるような事はないかと考える程度にしか思わなかった。
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