17 / 31
17 涙の理由
しおりを挟む
【ローゼリア side】
ドアが閉まり、ヘンリックが休憩室から出て行く。
エーヴェルトはハンカチを取り出し、壊れ物でも扱うようにローゼリアの涙をそっと拭う。ここがフォレスター家だったなら、迷わずにローゼリアを抱きしめたところだったが、王宮である以上、兄であっても過度な触れ合いは出来なかった。
「……兄さまっ、あ、ありがとうごっ、ございますっ」
「思い出していたのか?」
エーヴェルトがそう言うと、ローゼリアは渡されたハンカチで涙をぬぐいながら頷く。
「だって、……今さら、あんな事を言うなんてっ、……卑怯ですわっ」
ヘンリックと婚約を結んだばかりの七歳の頃、王宮から帰ったローゼリアはいつも泣いていた。
ヘンリックは意地悪な事は一度も言わないし、乱暴な事もしない。
彼はローゼリアに何もしなかった。
七歳の子供が緊張しながら行った王宮で、前日に考えてきた話題を一生懸命に話すのだが、話し相手であるはずの彼は温かい言葉を掛けるどころか、ローゼリアの言葉に一度も返事を返してはくれなかった。
ローゼリアと同じ七歳だったヘンリックは、義理の母である王妃や侍女長にあの子は悪い子供だからあまり仲良くしてはいけないと言われての行動だったのだが、実際のローゼリアは友達のいない内気な子供だった。
ヘンリックの事情を知らないから、ローゼリアは最初の頃は将来の夫となるであろう彼と仲良くしたいという期待を持ち、頑張ってヘンリックに近づこうと思い、手紙も書いていたが彼からは一度も返事をもらったことはなかった。
最初のお茶会はとても短い時間であったのだが、理由も分からず不機嫌な様子の相手を前にして、張り詰めた空気の中で言葉を交わさない時間というものは実際の時間よりもずっと長く感じられた。
それでも公爵令嬢としてローゼリアは必死に耐えて、家に付くまではと我慢していた涙は兄を見た途端、堰を切ったように流れてしまうのだ。
自身も幼かったエーヴェルトは、泣いている妹を抱きしめる事しか出来なかった。
それ以来ローゼリアにとってお茶会は苦痛に感じるものとなった。だが行きたくないと言っても、王族の婚約者という立場から行かないといないものでもあった。
家族に心配そうに見送られながら出掛けていたローゼリアは、自分のせいで家族に心配をかけているという罪悪感を抱いていて、毎回暗い表情をしながら出掛けていったのだった。
何度か父親が部屋まで手を引いて付き添ってくれた事もあったが、当時の侍女長が王太子様の婚約者が親離れも出来ない甘えた子供なんてみっともないと、いつも父に嫌味を言うので、ローゼリアの方から父の付き添いを断るようになった。
この国の王太子と公爵令嬢の婚約は子供の感情だけではどうにもできず、ローゼリアは感情と表情を消す事を覚えていき、婚約して一年が経った頃にはヘンリックの顔を見ただけで意識をしないまでも表情を消せるようになっていた。
彼に対しての気持ちは好きではないという感情以外は何も無い。彼に話題を振る時は感情ではなく頭の中にある知識で語る、そうやって何年もやり過ごしてきたのだ。そしてそんなローゼリアに対してヘンリックもローゼリアへの関心をさらに失くしていったのだった。
それでもヘンリックの気持ちがマリーナへと傾いてしまった事を知った時はショックだった。しかし彼に何の期待もしていなかったから立ち直りは早く、まだこんな感情が自分にも残っていたのだと、冷静に自分を分析していた。
結婚してからはヘンリックの歩み寄りを感じてはいたが、それでもローゼリアの感情は少しも動かなかった。
彼を前にすると表情を消す事は習慣となっていて、彼の前でだけローゼリアの表情は硬くなり心も動かなくなってしまうのだ。
しかし、今になって彼からのありがとう、楽しかった、嬉しい、という言葉にこんなにも揺さぶられるなんて思わなかった。
「ロゼ、僕も殿下がもう少し早く変わってくれていればと悔しく思う時はある。彼を知れば知るほど僕たちが思っていたほどの人間ではなかった知る度にね。……でもそれでもどうしてもロゼが嫌ならば……」
最後の方は囁くような小さな声だった。そして続く言葉をエーヴェルトは唇だけをゆっくり動かしてローゼリアに伝えた。
『ぼくが、なんとかする』
声には出さずにそう伝えると、エーヴェルトはにっこりと笑った。
王太子妃として王家に嫁いでしまった以上、逃げる事はもう出来ない。だからエーヴェルトは結婚前にローゼリアの気持ちを聞いてくれたのだ。あの時だって婚約を覆す事は簡単な事ではなかっただろう。
ローゼリアは自分のために兄が無理をしようとしている事を理解し、泣きながらも苦笑いを浮かべて、その必要はないと伝えるように首を横に振った。
自分は覚悟を持って王太子妃という椅子に座る事を選んだのだ。ローゼリアはその事を改めて思い返していた。
エーヴェルトのお陰で涙はようやく引いていき、ローゼリアは少しずつ冷静な自分が戻ってきていることを感じていた。
「取り乱してしまい、申し訳ございません」
「殿下には体調を崩したと伝えるから大丈夫だよ。このまま戻って休んだ方がいい。それとその顔では出ない方がいいから、王太子妃の執務室にいる侍女を呼ぶことにしよう。少しの間ここで待っているんだ」
そう言ってエーヴェルトは休憩室を出て行った。
すぐにローゼリア付きの侍女がやってくると、手際良く白粉を使って赤くなってしまった目の周りを隠していく。
化粧を施されていくと、ローゼリアの気持ちは落ち着いていく。化粧をしている自分は自分であって自分ではない。そう思う事でこれまでたくさんの辛い時を乗り切ってきた。厳しかった教師たち、いつも冷たい視線で見つめる王妃、自分に関心を持ってくれない婚約者、自分に聞こえるように陰口を言う敵対派閥の貴族たち、優しい言葉の中に嫌味や皮肉を混ぜてくる上辺だけ友人関係の令嬢たち。
あの時に比べれば今日の事なんて大した事ではない。
化粧が完成する頃にはローゼリアはすっかりいつもの自分を取り戻していた。
続き部屋という構造上、廊下へ出るにはヘンリックがいる執務室を通らないといけない。
ローゼリアがドアを開けると、それまで仕事をしていたヘンリックが手を止めて心配そうな表情を浮かべる。
「申し訳ございません、突然気分が悪くなってしまいましたの。本日は先にお暇させていただきますわね」
そう言って笑顔を作る。彼はこの作り笑顔が好きではないのだが、そんなことはもうどうでも良かった。
エーヴェルトはローゼリアをひと目見ただけで大丈夫だと判断したようで、すぐに何事も無かったかのように書類仕事を再開した。
執務室にいる面々は休憩室で起きた事を知らないので、誰もローゼリアの事を気にしている者はいなかった。
ヘンリックだけが何かを言いたそうに、ずっとローゼリアを見つめていた。
そしてその夜、ローゼリアはヘンリックに関係の再構築を持ちかけられたのだった。
ドアが閉まり、ヘンリックが休憩室から出て行く。
エーヴェルトはハンカチを取り出し、壊れ物でも扱うようにローゼリアの涙をそっと拭う。ここがフォレスター家だったなら、迷わずにローゼリアを抱きしめたところだったが、王宮である以上、兄であっても過度な触れ合いは出来なかった。
「……兄さまっ、あ、ありがとうごっ、ございますっ」
「思い出していたのか?」
エーヴェルトがそう言うと、ローゼリアは渡されたハンカチで涙をぬぐいながら頷く。
「だって、……今さら、あんな事を言うなんてっ、……卑怯ですわっ」
ヘンリックと婚約を結んだばかりの七歳の頃、王宮から帰ったローゼリアはいつも泣いていた。
ヘンリックは意地悪な事は一度も言わないし、乱暴な事もしない。
彼はローゼリアに何もしなかった。
七歳の子供が緊張しながら行った王宮で、前日に考えてきた話題を一生懸命に話すのだが、話し相手であるはずの彼は温かい言葉を掛けるどころか、ローゼリアの言葉に一度も返事を返してはくれなかった。
ローゼリアと同じ七歳だったヘンリックは、義理の母である王妃や侍女長にあの子は悪い子供だからあまり仲良くしてはいけないと言われての行動だったのだが、実際のローゼリアは友達のいない内気な子供だった。
ヘンリックの事情を知らないから、ローゼリアは最初の頃は将来の夫となるであろう彼と仲良くしたいという期待を持ち、頑張ってヘンリックに近づこうと思い、手紙も書いていたが彼からは一度も返事をもらったことはなかった。
最初のお茶会はとても短い時間であったのだが、理由も分からず不機嫌な様子の相手を前にして、張り詰めた空気の中で言葉を交わさない時間というものは実際の時間よりもずっと長く感じられた。
それでも公爵令嬢としてローゼリアは必死に耐えて、家に付くまではと我慢していた涙は兄を見た途端、堰を切ったように流れてしまうのだ。
自身も幼かったエーヴェルトは、泣いている妹を抱きしめる事しか出来なかった。
それ以来ローゼリアにとってお茶会は苦痛に感じるものとなった。だが行きたくないと言っても、王族の婚約者という立場から行かないといないものでもあった。
家族に心配そうに見送られながら出掛けていたローゼリアは、自分のせいで家族に心配をかけているという罪悪感を抱いていて、毎回暗い表情をしながら出掛けていったのだった。
何度か父親が部屋まで手を引いて付き添ってくれた事もあったが、当時の侍女長が王太子様の婚約者が親離れも出来ない甘えた子供なんてみっともないと、いつも父に嫌味を言うので、ローゼリアの方から父の付き添いを断るようになった。
この国の王太子と公爵令嬢の婚約は子供の感情だけではどうにもできず、ローゼリアは感情と表情を消す事を覚えていき、婚約して一年が経った頃にはヘンリックの顔を見ただけで意識をしないまでも表情を消せるようになっていた。
彼に対しての気持ちは好きではないという感情以外は何も無い。彼に話題を振る時は感情ではなく頭の中にある知識で語る、そうやって何年もやり過ごしてきたのだ。そしてそんなローゼリアに対してヘンリックもローゼリアへの関心をさらに失くしていったのだった。
それでもヘンリックの気持ちがマリーナへと傾いてしまった事を知った時はショックだった。しかし彼に何の期待もしていなかったから立ち直りは早く、まだこんな感情が自分にも残っていたのだと、冷静に自分を分析していた。
結婚してからはヘンリックの歩み寄りを感じてはいたが、それでもローゼリアの感情は少しも動かなかった。
彼を前にすると表情を消す事は習慣となっていて、彼の前でだけローゼリアの表情は硬くなり心も動かなくなってしまうのだ。
しかし、今になって彼からのありがとう、楽しかった、嬉しい、という言葉にこんなにも揺さぶられるなんて思わなかった。
「ロゼ、僕も殿下がもう少し早く変わってくれていればと悔しく思う時はある。彼を知れば知るほど僕たちが思っていたほどの人間ではなかった知る度にね。……でもそれでもどうしてもロゼが嫌ならば……」
最後の方は囁くような小さな声だった。そして続く言葉をエーヴェルトは唇だけをゆっくり動かしてローゼリアに伝えた。
『ぼくが、なんとかする』
声には出さずにそう伝えると、エーヴェルトはにっこりと笑った。
王太子妃として王家に嫁いでしまった以上、逃げる事はもう出来ない。だからエーヴェルトは結婚前にローゼリアの気持ちを聞いてくれたのだ。あの時だって婚約を覆す事は簡単な事ではなかっただろう。
ローゼリアは自分のために兄が無理をしようとしている事を理解し、泣きながらも苦笑いを浮かべて、その必要はないと伝えるように首を横に振った。
自分は覚悟を持って王太子妃という椅子に座る事を選んだのだ。ローゼリアはその事を改めて思い返していた。
エーヴェルトのお陰で涙はようやく引いていき、ローゼリアは少しずつ冷静な自分が戻ってきていることを感じていた。
「取り乱してしまい、申し訳ございません」
「殿下には体調を崩したと伝えるから大丈夫だよ。このまま戻って休んだ方がいい。それとその顔では出ない方がいいから、王太子妃の執務室にいる侍女を呼ぶことにしよう。少しの間ここで待っているんだ」
そう言ってエーヴェルトは休憩室を出て行った。
すぐにローゼリア付きの侍女がやってくると、手際良く白粉を使って赤くなってしまった目の周りを隠していく。
化粧を施されていくと、ローゼリアの気持ちは落ち着いていく。化粧をしている自分は自分であって自分ではない。そう思う事でこれまでたくさんの辛い時を乗り切ってきた。厳しかった教師たち、いつも冷たい視線で見つめる王妃、自分に関心を持ってくれない婚約者、自分に聞こえるように陰口を言う敵対派閥の貴族たち、優しい言葉の中に嫌味や皮肉を混ぜてくる上辺だけ友人関係の令嬢たち。
あの時に比べれば今日の事なんて大した事ではない。
化粧が完成する頃にはローゼリアはすっかりいつもの自分を取り戻していた。
続き部屋という構造上、廊下へ出るにはヘンリックがいる執務室を通らないといけない。
ローゼリアがドアを開けると、それまで仕事をしていたヘンリックが手を止めて心配そうな表情を浮かべる。
「申し訳ございません、突然気分が悪くなってしまいましたの。本日は先にお暇させていただきますわね」
そう言って笑顔を作る。彼はこの作り笑顔が好きではないのだが、そんなことはもうどうでも良かった。
エーヴェルトはローゼリアをひと目見ただけで大丈夫だと判断したようで、すぐに何事も無かったかのように書類仕事を再開した。
執務室にいる面々は休憩室で起きた事を知らないので、誰もローゼリアの事を気にしている者はいなかった。
ヘンリックだけが何かを言いたそうに、ずっとローゼリアを見つめていた。
そしてその夜、ローゼリアはヘンリックに関係の再構築を持ちかけられたのだった。
637
あなたにおすすめの小説
ここだけの話だけど・・・と愚痴ったら、婚約者候補から外れた件
ひとみん
恋愛
国境防衛の最前線でもあるオブライト辺境伯家の令嬢ルミエール。
何故か王太子の妃候補に選ばれてしまう。「選ばれるはずないから、王都観光でもしておいで」という母の言葉に従って王宮へ。
田舎育ちの彼女には、やっぱり普通の貴族令嬢とはあわなかった。香水臭い部屋。マウントの取り合いに忙しい令嬢達。ちやほやされてご満悦の王太子。
庭園に逃げこみ、仕事をしていた庭師のおじさんをつかまえ辺境伯領仕込みの口の悪さで愚痴り始めるルミエール。
「ここだけの話だからね!」と。
不敬をものともしない、言いたい放題のルミエールに顔色を失くす庭師。
その後、不敬罪に問われる事無く、何故か妃選定がおこなわれる前にルミエールは除外。
その真相は?
ルミエールは口が悪いです。言いたい放題。
頭空っぽ推奨!ご都合主義万歳です!
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
第18回恋愛小説大賞で、『奨励賞』をいただきましたっ!
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)
婚約破棄されたけれど、どうぞ勝手に没落してくださいませ。私は辺境で第二の人生を満喫しますわ
鍛高譚
恋愛
「白い結婚でいい。
平凡で、静かな生活が送れれば――それだけで幸せでしたのに。」
婚約破棄され、行き場を失った伯爵令嬢アナスタシア。
彼女を救ったのは“冷徹”と噂される公爵・ルキウスだった。
二人の結婚は、互いに干渉しない 『白い結婚』――ただの契約のはずだった。
……はずなのに。
邸内で起きる不可解な襲撃。
操られた侍女が放つ言葉。
浮かび上がる“白の一族”の血――そしてアナスタシアの身体に眠る 浄化の魔力。
「白の娘よ。いずれ迎えに行く」
影の王から届いた脅迫状が、運命の刻を告げる。
守るために剣を握る公爵。
守られるだけで終わらせないと誓う令嬢。
契約から始まったはずの二人の関係は、
いつしか互いに手放せない 真実の愛 へと変わってゆく。
「君を奪わせはしない」
「わたくしも……あなたを守りたいのです」
これは――
白い結婚から始まり、影の王を巡る大いなる戦いへ踏み出す、
覚醒令嬢と冷徹公爵の“運命の恋と陰謀”の物語。
---
婚約破棄ありがとう!と笑ったら、元婚約者が泣きながら復縁を迫ってきました
ほーみ
恋愛
「――婚約を破棄する!」
大広間に響いたその宣告は、きっと誰もが予想していたことだったのだろう。
けれど、当事者である私――エリス・ローレンツの胸の内には、不思議なほどの安堵しかなかった。
王太子殿下であるレオンハルト様に、婚約を破棄される。
婚約者として彼に尽くした八年間の努力は、彼のたった一言で終わった。
だが、私の唇からこぼれたのは悲鳴でも涙でもなく――。
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
もう演じなくて結構です
梨丸
恋愛
侯爵令嬢セリーヌは最愛の婚約者が自分のことを愛していないことに気づく。
愛しの婚約者様、もう婚約者を演じなくて結構です。
11/5HOTランキング入りしました。ありがとうございます。
感想などいただけると、嬉しいです。
11/14 完結いたしました。
11/16 完結小説ランキング総合8位、恋愛部門4位ありがとうございます。
【受賞&本編完結】たとえあなたに選ばれなくても【改訂中】
神宮寺 あおい
恋愛
人を踏みつけた者には相応の報いを。
伯爵令嬢のアリシアは半年後に結婚する予定だった。
公爵家次男の婚約者、ルーカスと両思いで一緒になれるのを楽しみにしていたのに。
ルーカスにとって腹違いの兄、ニコラオスの突然の死が全てを狂わせていく。
義母の願う血筋の継承。
ニコラオスの婚約者、フォティアからの横槍。
公爵家を継ぐ義務に縛られるルーカス。
フォティアのお腹にはニコラオスの子供が宿っており、正統なる後継者を望む義母はルーカスとアリシアの婚約を破棄させ、フォティアと婚約させようとする。
そんな中アリシアのお腹にもまた小さな命が。
アリシアとルーカスの思いとは裏腹に2人は周りの思惑に振り回されていく。
何があってもこの子を守らなければ。
大切なあなたとの未来を夢見たいのに許されない。
ならば私は去りましょう。
たとえあなたに選ばれなくても。
私は私の人生を歩んでいく。
これは普通の伯爵令嬢と訳あり公爵令息の、想いが報われるまでの物語。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読む前にご確認いただけると助かります。
1)西洋の貴族社会をベースにした世界観ではあるものの、あくまでファンタジーです
2)作中では第一王位継承者のみ『皇太子』とし、それ以外は『王子』『王女』としています
→ただ今『皇太子』を『王太子』へ、さらに文頭一文字下げなど、表記を改訂中です。
そのため一時的に『皇太子』と『王太子』が混在しております。
よろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字を教えてくださる方、ありがとうございます。
読み返してから投稿しているのですが、見落としていることがあるのでとても助かります。
アルファポリス第18回恋愛小説大賞 奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる