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年上ボディガードとヒミツの計画
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「アリス様」
「は…、はい…!」
朝、ぼけっと寮から学校までの道を歩いていたら、後ろから昴くんに声をかけられた。
いつもなら普通に受け答えするものの、今日はびっくりしすぎて変な声が出た。
「申し訳ございません、驚かせてしまって…。肩に糸くずがついていましたので」
「…あ、ありがとう」
わたしは深く息を吐いて、バクバクする鼓動をなんとか落ち着かせる。
実は…、この前からやたらと昴くんを意識してしまうようになった。
『…うわっ』
『…ありす!危ない…!!』
“この前”とは、ボートの上でバランスを崩したわたしの上に昴くんが覆いかぶさったときだ。
今でも、あのときの昴くんの表情、キスしてしまうのではないかと思うくらいの距離感を思い出したら顔が熱くなる。
それに、わたしのことを『ありす』と呼んでくれた。
あのときの、わたしたちを取り巻くあの空間だけは、警護対象者とボディガードという関係じゃなかったような気がする。
それ以降、わたしは昴くんと目が合うだけでドキドキするし、名前を呼ばれたら密かにニヤけてしまうほど。
なぜなら、昴くんへの自分の気持ちに気づいてしまったから。
昴くんはわたしのことを“大事な警護対象者”というけれど、わたしは昴くんのことを“ただのボディガード”だなんて思えなくなっていた。
…当たり前じゃん。
命がけで助けてくれて、わたしが目覚めるまでそばにいてくれて、ずっとわたしのことを見てくれている。
そんな人のことを…、気にならないわけがない。
好きな人がすぐそばでわたしを守ってくれる。
うれしいことだけれど、バクバクと暴れる心臓がもつかが心配だ。
そんなわたしの変化を察知して、声をかけてきたのは慎太郎くんだった。
お昼休みに職員室に呼び出されたわたしに、慎太郎くんが付き添ってくれていたときだ。
昴くんと虹斗くんは次の授業の準備のため、ここにはいない。
「アリスちゃん、最近感じ変わったよね?」
慎太郎くんがわたしの顔をのぞき込んできたため、思わずキョトンとした。
「…え?そう?」
メイクはいつもどおりだし、髪型も変わってないし――。
「自分で気づいてない?昴に対して、なんかよそよそしくなったよね?」
慎太郎くんに言われてはっとした。
昴くんのことは意識しないようにはしているけど、昴くんに話しかけられるだけで緊張する。
だから、なるべく話さないようにしている。
話すとしても短く済むように。
じゃないと、わたしの顔が恥ずかしさで真っ赤になっていることに気づかれてしまうから。
「…わたし、そんなふうに態度変わってたかな?」
「うん。めちゃくちゃわかりやすいよ」
そう言って、慎太郎くんはクスッと笑う。
「好きなんだよね?昴のこと」
その慎太郎くんの言葉に、顔の体温が一気に沸点まで達するのがわかった。
「…わ、わわわわたしは…べつにっ…」
「アリスちゃん動揺しすぎ。恥ずかしがらなくたっていいでしょ、本当のことなんだから」
どうやら、慎太郎くんにはすべてお見通しのようだ。
「言っちゃいなよ、『好き』って」
「…無理、無理!そんなことできるわけないよ…!!」
「どうして?案外いけると思うんだけど」
「…冗談やめてよ、慎太郎くん。昴くんにとって、わたしはただの“警護対象者”…なんだから」
自分で口に出して虚しくなった。
昴くんとの間に、埋められない距離があることを自覚して。
「どっちにしても、アリスちゃんの交換留学期間はあと少しだよね?結果はどうあれ、もう会えなくなるなら気持ち伝えるくらいいいんじゃない?」
「…できないよぉ。絶対振られるから…。星乃川学園での生活は、“楽しかった”っていう思い出で終わりたいから」
それに、自分から告白するだなんて…そもそもできないし。
「でも、この前池から助け出してくれたこともあるし、感謝の気持ちも込めてなにかお礼したいとは考えてはいたんだけど…」
もちろん、慎太郎くんと虹斗くんにも感謝している。
だけど、昴くんが一番迷惑をかけているし、お世話になっているから。
「…あっ、そうだ!」
すると、慎太郎くんがなにかを思い出したようにつぶやいた。
「そういえば、明後日…昴の誕生日だったんだ!」
「…えっ、本当!?」
「うん。だから、誕生日プレゼントをあげたら喜ぶんじゃないかな」
――誕生日プレゼント。
それなら、自然な流れで感謝の気持ちも伝えやすい。
慎太郎くん、ナイスアイディア!
ということで、慎太郎くんが買い物に付き合ってくれることになった。
虹斗くんは、プレゼントのことを昴くんにバラしちゃいそうだから内緒にしておこう。
さっそく買いにいきたいところだけど、残念ながら慎太郎くんは今日と明日は予定があるらしい。
だから、明後日の昴くんの誕生日に買いにいく計画をした。
プレゼントはなにがいいかなと考えていると、あっという間に昴くんの誕生日当日に。
その日の朝、部屋で身支度をしていると、いつもの朝食のお迎えよりも早く慎太郎くんが1人で部屋にやってきた。
「おはよう、アリスちゃん」
「慎太郎くん、おはよー」
「昴に言っておいたよ。今日のメインの警護はオレにしてほしいって。そのほうが、放課後の買い物もいっしょに動きやすいしね」
そう言って、慎太郎くんはわたしに耳打ちする。
するとそのとき、慎太郎くんの後ろに昴くんと虹斗くんの姿が見えた。
とっさに、わたしと慎太郎くんは慌てて離れて距離を取る。
「アリス様、おはようございます。今日のメインの警護ですが、慎太郎が担当することになりました」
「…あ、うん!今、慎太郎くんから聞いたところ」
わたしは慎太郎くんと顔を見合わせる。
不思議だな。
慎太郎くんとは目が合ってもなんともないのに、昴くんのときだけはやたらとドキドキする。
本当は、真っ先に昴くんに「お誕生日おめでとう」と言いたい。
でも、…出そうになった言葉をぐっと飲み込む。
「そ…それじゃあ、今日の警護もよろしくね」
わたしはすぐに表情に出ちゃうから、昴くんに悟られる前にそそくさと食堂へと向かった。
慎太郎くんがメインで警護をしてくれるということで、今日の教室での席は慎太郎くんが隣だった。
代わりに、昴くんはわたしの後ろの席に座る。
【プレゼント、なに買うか決めた?】
【実は、まだ決まってなくて…】
わたしと慎太郎くんは、授業中にお互いのノートに書き込んで会話をする。
昴くんの席からは、わたしの背中が邪魔で読むことはできないはず。
【あえて、ネタに入るとか?パーティーグッズとかちょんまげ帽子とか】
昴くんが、…ちょんまげ?
想像したらおもしろくて、慎太郎くんの書き込みに対して思わずわたしはプッと吹いてしまった。
「…シッ!アリスちゃん、笑ったら昴に聞かれちゃうよっ」
「ごめん、ごめん…!でも、おかしくてっ」
小声で話す慎太郎くんとわたし。
そのあとも、授業中ずっとノートに書き込みながら、慎太郎くんに昴くんへの誕生日プレゼントの相談をしていた。
お昼休み。
いつものように、学校のカフェテリアでみんなで学食を食べていると――。
「アリス様。本日の放課後、外出されると慎太郎から聞きましたが」
わたしの隣に座っている昴くんが話しかけてきた。
その話にすぐに飛びついてきたのは虹斗くんだった。
「アリスちゃんが外出?どこか行きたいところでもあったの?」
「うん。久々に服を買いにいこうかなって」
「えー!それなら、ぼくもいっしょに行きたい!」
斜め前に座る虹斗くんが手を大きく振ってアピールする。
「虹斗。お前は放課後、フェンシングの特別トレーニングがあるだろ」
「…あ、そうだった」
昴くんに言われ、悲しそうに肩を落とす虹斗くん。
「でも警護って、校外までついてくる必要はないんだよね?」
「そうだけど、変な男に絡まれないか心配だから、ぼくがいっしょに行きたかったのに~」
「気持ちだけ受け取っておくね。虹斗くんは、フェンシングのトレーニングがんばって」
「…は~い」
虹斗くんは、いじけながらスープをズズズと飲む。
「ですがアリス様、虹斗の言うとおり校外こそなにがあるかわかりません。アリス様のお買い物、俺がお付きいたします」
「…えっ!?」
思ってもみなかった昴くんからの提案に、わたしは驚いて口へ運ぼうとしていたミニトマトをお箸から滑らせて落としてしまった。
「い…、いいよいいよ!子どもじゃないんだから…!」
昴くんの誕生日プレゼントを秘密で買いにいくのに、その昴くんがついてきたら意味がない。
「買い物をされるとのことで、お荷物をお持ちします」
「そんなたくさん買わないから大丈夫…!」
「しかし――」
「それに、慎太郎くんといっしょだからっ」
わたしは、向かいに座る慎太郎くんに視線を送る。
慎太郎くんも相づちするようにこくんとうなずいてくれた。
「慎太郎が…?」
「そう。慎太郎くんも買いたいものがあるみたいで、それならいっしょに行こうって話してて」
ということにしておく。
「だから昴、アリスちゃんはオレが責任を持って守るから。オレがいっしょなら、なにも問題はないだろ?」
「昴くんはいつもわたしのためにがんばってくれてるから、放課後は部屋でゆっくりしてて」
誕生日なんだし、今日くらいは。
これ以上昴くんになにか聞かれたらボロが出そうだから、わたしは急いで学食を食べた。
それを見た慎太郎くんが、わたしのお皿を下げてくれる。
「アリスちゃん、オレが返却台に持っていくね」
「待って、わたしもいっしょに行く」
わたしと慎太郎くんは、昴くんと虹斗くんをテーブルに残して先に席を立った。
「アリスちゃん、さっきは危なかったね」
小声でわたしに話しかける慎太郎くん。
「ほんと…!昴くんがついてくるって言ったときは、ヒヤヒヤしたよ~…」
「なんとか言い訳できたけど、昴になにか悟られる前に授業が終わったら早く学校を出よう」
「うん!」
わたしはうなずいた。
するとそのとき、後ろから視線を感じた。
振り返ると、返却する食器が乗ったトレイを持った昴くんが気配を消して立っていた。
おそらく、今さっきの慎太郎くんとの会話は聞かれていないとはいえ、昴くんを前にして表情が硬くなるわたし。
「す…、昴くんももう食べたんだ!早いね…!」
平静を装おうとしたら、逆に声が震えて上ずった。
…動揺していることがバレちゃう。
昴くんは食器を返却すると、チラリとわたしに視線を向けた。
「アリス様、少しよろしいでしょうか?」
「…えっ?」
とわたしがつぶやくよりも先に、昴くんがわたしの手首を握った。
「す、昴くん…!?」
そしてわけもわからないまま、昴くんに連れていかれてしまったのだった。
やってきたのは、人気のない校舎の廊下。
「急にどうしたの…?昴くん」
昴くんの鋭い瞳がわたしを捉える。
なんだか…、怒ってる?
すると、昴くんがグイッとわたしに顔を近づけてきた。
「ここ最近、慎太郎とよくいっしょにいますよね?」
頬に吐息がかかるくらいの至近距離に、わたしはとっさに顔が赤くなった。
「そ、そうかな~…?」
「はい。午前の授業も…仲がよさそうに見えました」
わたしに一直線に向けられる昴くんのまなざしから目をそらすことができない。
「さっきも…2人でなにを話していたのですか」
「なにをって…、べつにそんなたいした話じゃないけど…」
「俺には言えないような話…ですか」
唇をきゅっと噛み、悔しそうに眉尻を下げる昴くん。
…昴くん、どうしたの。
どうして、そんな寂しそうな顔をするの…?
でも昴くんの言うとおり、『昴くんには言えない話』をしていたのはたしか。
「そうだね。慎太郎くんとわたしだけのヒミツ…かなっ」
表情を読まれないように、わたしは昴くんからなんとか視線をそらした。
「…わかりました」
すると、頭の上から元気のない昴くんの言葉が降ってきた。
「こんなところに連れ出してしまって、申し訳ございませんでした。教室に戻りましょうか」
「う…うん」
も…もしかして、なにか悟られた…?
誕生日プレゼントのこと…、バレちゃったかな。
不安になりながら、わたしは昴くんの背中を見つめていた。
その日の放課後。
「アリスちゃん、行こう!」
「うん!」
授業が終わるとすぐに、わたしは慌ててバッグを肩にかけた。
「アリス様、やはり俺もいっしょに――」
「慎太郎くんがついてるから大丈夫!昴くんは、絶対に絶対についてきちゃダメだからね…!」
昴くんに念押しして、わたしは慎太郎くんといっしょに急いで学校を出た。
「それにしても、昴は本当に真面目だよな。誕生日くらいゆっくりしてたらいいのにね」
「だよね。でも、それが昴くんらしいよね」
いつでも完璧。
隙は作らない。
全力で守る。
そういう昴くんにわたしは惹かれた。
「そうだ、慎太郎くん。わたし、プレゼント候補が1つ浮かんだんだけど…」
「えっ、本当?なになに?」
わたしが話すと、慎太郎くんはうなずきながら微笑んでくれた。
「とってもいいと思うよ」
そして、わたしはプレゼント候補を求めて慎太郎くんといっしょにお店をめぐった。
ただ、これといったものがなくて、いろんなお店に行って慎太郎くんを付き合わせてしまった。
そして、6店舗目でようやく昴くんに似合いそうなものを見つけることができた。
「よかったね。無事に買えて」
「うん!わたしじゃ、どんなお店に行ったらいいのかわからなかったから助かったよ。ありがとう、慎太郎くん」
「どういたしまして」
学校へ戻る途中、公園の広場でクレープのキッチンカーを見つけた。
「慎太郎くん、クレープ好き?」
「うん。甘いもの、けっこう好きだよ」
「じゃあ、今日付き合ってくれたお礼にご馳走させてっ」
わたしは、慎太郎くんの分も合わせてクレープを2つ買った。
それを持って、向こうのほうに空いているベンチを見つけてそこに腰を下ろす。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、アリスちゃん。…でも、いいのかな?アリスちゃんにご馳走になっても…」
「いいの、いいの!遠慮しないで」
わたしがそう言うと、慎太郎くんはにこっと笑ってクレープにかじりついた。
「うん!おいしい!」
「よかった~!じゃあ、わたしもさっそく…」
わたしもいちごカスタードクレープを頬張る。
「おいし~!わたし、生クリームと迷ったんだけど、カスタードにして正解だったかも」
「そっちもおいしそうだね。オレにもちょっとちょうだい」
「どうぞ」
と言って、慎太郎くんにクレープを手渡そうとしたとき――。
わたしが持っていたクレープに、慎太郎くんがはむっとかぶりついた。
慎太郎くんが上目遣いで驚くわたしに視線を移す。
背の高い慎太郎くんに下から見上げられることはまずない。
だから、普段見ない慎太郎くんの近距離のアングルに思わずドキッとした。
「うまっ」
口の端についたカスタードクリームを舌でペロッとなめ取る慎太郎くん。
「あっ。アリスちゃん、ちょっと動かないで」
動かないでと言われても、慎太郎の急接近に驚いたわたしはそもそも動けない。
慎太郎くんは、そっとわたしの顎に手を添える。
まさかと思い、とっさに目をぎゅっとつむると――。
「取れたよ」
そんな声が聞こえて目を開けると、慎太郎くんの親指の腹にカスタードクリームがついていた。
「唇の下についてたから」
どうやら、口元についていたカスタードクリームを指で拭ってくれたようだ。
…わたしってば、てっきりキスされるものかと。
そんなことを考えていたら、頬がぽっと熱くなるのがわかった。
恥ずかしくなって、わたしは残りのクレープを無言で頬張る。
「ほんとアリスちゃんってかわいいよね」
ふとそんな声が聞こえて顔を上げると、やさしいまなざしで慎太郎くんがわたしのことを見つめていた。
「アリスちゃんって素直だし、すぐ顔に出てわかりやすいし。だから、虹斗や昴が放っておけないんだろうな」
「そんなことないよ。虹斗くんはわたしの反応を見て楽しんでるだけだし、昴くんなんてわたしのことは警護対象者としてしか見てないんだから…」
…どうしよう。
自分で言って虚しくなってきた。
すると、わたしの頭の上に慎太郎くんの大きな手が乗っかった。
そして、わたしの頭をやさしくなでる。
「そんな顔しないで。だったら、オレにしなよ」
そう言って、わたしの顔をのぞき込む慎太郎くん。
『オレにしなよ』って――。
…どういう意味?
「あの…慎太郎くん、それは…」
「わからない?オレ、アリスちゃんのことが好きだよ」
突然の慎太郎くんからの告白に、わたしは息をするのも忘れる。
「…まっ、まままま…待ってよ、慎太郎くん。急になに言って…」
頭の中が混乱して、なにをどうしたらいいのかわからない。
「今日だって、わたしの気持ちを知ってるから…ついてきてくれたんだよね?」
「そうだよ。理由はともあれ、好きな人と2人でデートできるならうれしいじゃんっ」
慎太郎くんが言う“好きな人”って――。
わたしのこと…なんだよね?
「オレが昴への気持ち忘れさせるから。だからオレの彼女になって、アリスちゃん」
わたしの手を取って見つめる慎太郎くん。
まさか、慎太郎くんがわたしのことをそんなふうに思ってくれていただなんて――。
「は…、はい…!」
朝、ぼけっと寮から学校までの道を歩いていたら、後ろから昴くんに声をかけられた。
いつもなら普通に受け答えするものの、今日はびっくりしすぎて変な声が出た。
「申し訳ございません、驚かせてしまって…。肩に糸くずがついていましたので」
「…あ、ありがとう」
わたしは深く息を吐いて、バクバクする鼓動をなんとか落ち着かせる。
実は…、この前からやたらと昴くんを意識してしまうようになった。
『…うわっ』
『…ありす!危ない…!!』
“この前”とは、ボートの上でバランスを崩したわたしの上に昴くんが覆いかぶさったときだ。
今でも、あのときの昴くんの表情、キスしてしまうのではないかと思うくらいの距離感を思い出したら顔が熱くなる。
それに、わたしのことを『ありす』と呼んでくれた。
あのときの、わたしたちを取り巻くあの空間だけは、警護対象者とボディガードという関係じゃなかったような気がする。
それ以降、わたしは昴くんと目が合うだけでドキドキするし、名前を呼ばれたら密かにニヤけてしまうほど。
なぜなら、昴くんへの自分の気持ちに気づいてしまったから。
昴くんはわたしのことを“大事な警護対象者”というけれど、わたしは昴くんのことを“ただのボディガード”だなんて思えなくなっていた。
…当たり前じゃん。
命がけで助けてくれて、わたしが目覚めるまでそばにいてくれて、ずっとわたしのことを見てくれている。
そんな人のことを…、気にならないわけがない。
好きな人がすぐそばでわたしを守ってくれる。
うれしいことだけれど、バクバクと暴れる心臓がもつかが心配だ。
そんなわたしの変化を察知して、声をかけてきたのは慎太郎くんだった。
お昼休みに職員室に呼び出されたわたしに、慎太郎くんが付き添ってくれていたときだ。
昴くんと虹斗くんは次の授業の準備のため、ここにはいない。
「アリスちゃん、最近感じ変わったよね?」
慎太郎くんがわたしの顔をのぞき込んできたため、思わずキョトンとした。
「…え?そう?」
メイクはいつもどおりだし、髪型も変わってないし――。
「自分で気づいてない?昴に対して、なんかよそよそしくなったよね?」
慎太郎くんに言われてはっとした。
昴くんのことは意識しないようにはしているけど、昴くんに話しかけられるだけで緊張する。
だから、なるべく話さないようにしている。
話すとしても短く済むように。
じゃないと、わたしの顔が恥ずかしさで真っ赤になっていることに気づかれてしまうから。
「…わたし、そんなふうに態度変わってたかな?」
「うん。めちゃくちゃわかりやすいよ」
そう言って、慎太郎くんはクスッと笑う。
「好きなんだよね?昴のこと」
その慎太郎くんの言葉に、顔の体温が一気に沸点まで達するのがわかった。
「…わ、わわわわたしは…べつにっ…」
「アリスちゃん動揺しすぎ。恥ずかしがらなくたっていいでしょ、本当のことなんだから」
どうやら、慎太郎くんにはすべてお見通しのようだ。
「言っちゃいなよ、『好き』って」
「…無理、無理!そんなことできるわけないよ…!!」
「どうして?案外いけると思うんだけど」
「…冗談やめてよ、慎太郎くん。昴くんにとって、わたしはただの“警護対象者”…なんだから」
自分で口に出して虚しくなった。
昴くんとの間に、埋められない距離があることを自覚して。
「どっちにしても、アリスちゃんの交換留学期間はあと少しだよね?結果はどうあれ、もう会えなくなるなら気持ち伝えるくらいいいんじゃない?」
「…できないよぉ。絶対振られるから…。星乃川学園での生活は、“楽しかった”っていう思い出で終わりたいから」
それに、自分から告白するだなんて…そもそもできないし。
「でも、この前池から助け出してくれたこともあるし、感謝の気持ちも込めてなにかお礼したいとは考えてはいたんだけど…」
もちろん、慎太郎くんと虹斗くんにも感謝している。
だけど、昴くんが一番迷惑をかけているし、お世話になっているから。
「…あっ、そうだ!」
すると、慎太郎くんがなにかを思い出したようにつぶやいた。
「そういえば、明後日…昴の誕生日だったんだ!」
「…えっ、本当!?」
「うん。だから、誕生日プレゼントをあげたら喜ぶんじゃないかな」
――誕生日プレゼント。
それなら、自然な流れで感謝の気持ちも伝えやすい。
慎太郎くん、ナイスアイディア!
ということで、慎太郎くんが買い物に付き合ってくれることになった。
虹斗くんは、プレゼントのことを昴くんにバラしちゃいそうだから内緒にしておこう。
さっそく買いにいきたいところだけど、残念ながら慎太郎くんは今日と明日は予定があるらしい。
だから、明後日の昴くんの誕生日に買いにいく計画をした。
プレゼントはなにがいいかなと考えていると、あっという間に昴くんの誕生日当日に。
その日の朝、部屋で身支度をしていると、いつもの朝食のお迎えよりも早く慎太郎くんが1人で部屋にやってきた。
「おはよう、アリスちゃん」
「慎太郎くん、おはよー」
「昴に言っておいたよ。今日のメインの警護はオレにしてほしいって。そのほうが、放課後の買い物もいっしょに動きやすいしね」
そう言って、慎太郎くんはわたしに耳打ちする。
するとそのとき、慎太郎くんの後ろに昴くんと虹斗くんの姿が見えた。
とっさに、わたしと慎太郎くんは慌てて離れて距離を取る。
「アリス様、おはようございます。今日のメインの警護ですが、慎太郎が担当することになりました」
「…あ、うん!今、慎太郎くんから聞いたところ」
わたしは慎太郎くんと顔を見合わせる。
不思議だな。
慎太郎くんとは目が合ってもなんともないのに、昴くんのときだけはやたらとドキドキする。
本当は、真っ先に昴くんに「お誕生日おめでとう」と言いたい。
でも、…出そうになった言葉をぐっと飲み込む。
「そ…それじゃあ、今日の警護もよろしくね」
わたしはすぐに表情に出ちゃうから、昴くんに悟られる前にそそくさと食堂へと向かった。
慎太郎くんがメインで警護をしてくれるということで、今日の教室での席は慎太郎くんが隣だった。
代わりに、昴くんはわたしの後ろの席に座る。
【プレゼント、なに買うか決めた?】
【実は、まだ決まってなくて…】
わたしと慎太郎くんは、授業中にお互いのノートに書き込んで会話をする。
昴くんの席からは、わたしの背中が邪魔で読むことはできないはず。
【あえて、ネタに入るとか?パーティーグッズとかちょんまげ帽子とか】
昴くんが、…ちょんまげ?
想像したらおもしろくて、慎太郎くんの書き込みに対して思わずわたしはプッと吹いてしまった。
「…シッ!アリスちゃん、笑ったら昴に聞かれちゃうよっ」
「ごめん、ごめん…!でも、おかしくてっ」
小声で話す慎太郎くんとわたし。
そのあとも、授業中ずっとノートに書き込みながら、慎太郎くんに昴くんへの誕生日プレゼントの相談をしていた。
お昼休み。
いつものように、学校のカフェテリアでみんなで学食を食べていると――。
「アリス様。本日の放課後、外出されると慎太郎から聞きましたが」
わたしの隣に座っている昴くんが話しかけてきた。
その話にすぐに飛びついてきたのは虹斗くんだった。
「アリスちゃんが外出?どこか行きたいところでもあったの?」
「うん。久々に服を買いにいこうかなって」
「えー!それなら、ぼくもいっしょに行きたい!」
斜め前に座る虹斗くんが手を大きく振ってアピールする。
「虹斗。お前は放課後、フェンシングの特別トレーニングがあるだろ」
「…あ、そうだった」
昴くんに言われ、悲しそうに肩を落とす虹斗くん。
「でも警護って、校外までついてくる必要はないんだよね?」
「そうだけど、変な男に絡まれないか心配だから、ぼくがいっしょに行きたかったのに~」
「気持ちだけ受け取っておくね。虹斗くんは、フェンシングのトレーニングがんばって」
「…は~い」
虹斗くんは、いじけながらスープをズズズと飲む。
「ですがアリス様、虹斗の言うとおり校外こそなにがあるかわかりません。アリス様のお買い物、俺がお付きいたします」
「…えっ!?」
思ってもみなかった昴くんからの提案に、わたしは驚いて口へ運ぼうとしていたミニトマトをお箸から滑らせて落としてしまった。
「い…、いいよいいよ!子どもじゃないんだから…!」
昴くんの誕生日プレゼントを秘密で買いにいくのに、その昴くんがついてきたら意味がない。
「買い物をされるとのことで、お荷物をお持ちします」
「そんなたくさん買わないから大丈夫…!」
「しかし――」
「それに、慎太郎くんといっしょだからっ」
わたしは、向かいに座る慎太郎くんに視線を送る。
慎太郎くんも相づちするようにこくんとうなずいてくれた。
「慎太郎が…?」
「そう。慎太郎くんも買いたいものがあるみたいで、それならいっしょに行こうって話してて」
ということにしておく。
「だから昴、アリスちゃんはオレが責任を持って守るから。オレがいっしょなら、なにも問題はないだろ?」
「昴くんはいつもわたしのためにがんばってくれてるから、放課後は部屋でゆっくりしてて」
誕生日なんだし、今日くらいは。
これ以上昴くんになにか聞かれたらボロが出そうだから、わたしは急いで学食を食べた。
それを見た慎太郎くんが、わたしのお皿を下げてくれる。
「アリスちゃん、オレが返却台に持っていくね」
「待って、わたしもいっしょに行く」
わたしと慎太郎くんは、昴くんと虹斗くんをテーブルに残して先に席を立った。
「アリスちゃん、さっきは危なかったね」
小声でわたしに話しかける慎太郎くん。
「ほんと…!昴くんがついてくるって言ったときは、ヒヤヒヤしたよ~…」
「なんとか言い訳できたけど、昴になにか悟られる前に授業が終わったら早く学校を出よう」
「うん!」
わたしはうなずいた。
するとそのとき、後ろから視線を感じた。
振り返ると、返却する食器が乗ったトレイを持った昴くんが気配を消して立っていた。
おそらく、今さっきの慎太郎くんとの会話は聞かれていないとはいえ、昴くんを前にして表情が硬くなるわたし。
「す…、昴くんももう食べたんだ!早いね…!」
平静を装おうとしたら、逆に声が震えて上ずった。
…動揺していることがバレちゃう。
昴くんは食器を返却すると、チラリとわたしに視線を向けた。
「アリス様、少しよろしいでしょうか?」
「…えっ?」
とわたしがつぶやくよりも先に、昴くんがわたしの手首を握った。
「す、昴くん…!?」
そしてわけもわからないまま、昴くんに連れていかれてしまったのだった。
やってきたのは、人気のない校舎の廊下。
「急にどうしたの…?昴くん」
昴くんの鋭い瞳がわたしを捉える。
なんだか…、怒ってる?
すると、昴くんがグイッとわたしに顔を近づけてきた。
「ここ最近、慎太郎とよくいっしょにいますよね?」
頬に吐息がかかるくらいの至近距離に、わたしはとっさに顔が赤くなった。
「そ、そうかな~…?」
「はい。午前の授業も…仲がよさそうに見えました」
わたしに一直線に向けられる昴くんのまなざしから目をそらすことができない。
「さっきも…2人でなにを話していたのですか」
「なにをって…、べつにそんなたいした話じゃないけど…」
「俺には言えないような話…ですか」
唇をきゅっと噛み、悔しそうに眉尻を下げる昴くん。
…昴くん、どうしたの。
どうして、そんな寂しそうな顔をするの…?
でも昴くんの言うとおり、『昴くんには言えない話』をしていたのはたしか。
「そうだね。慎太郎くんとわたしだけのヒミツ…かなっ」
表情を読まれないように、わたしは昴くんからなんとか視線をそらした。
「…わかりました」
すると、頭の上から元気のない昴くんの言葉が降ってきた。
「こんなところに連れ出してしまって、申し訳ございませんでした。教室に戻りましょうか」
「う…うん」
も…もしかして、なにか悟られた…?
誕生日プレゼントのこと…、バレちゃったかな。
不安になりながら、わたしは昴くんの背中を見つめていた。
その日の放課後。
「アリスちゃん、行こう!」
「うん!」
授業が終わるとすぐに、わたしは慌ててバッグを肩にかけた。
「アリス様、やはり俺もいっしょに――」
「慎太郎くんがついてるから大丈夫!昴くんは、絶対に絶対についてきちゃダメだからね…!」
昴くんに念押しして、わたしは慎太郎くんといっしょに急いで学校を出た。
「それにしても、昴は本当に真面目だよな。誕生日くらいゆっくりしてたらいいのにね」
「だよね。でも、それが昴くんらしいよね」
いつでも完璧。
隙は作らない。
全力で守る。
そういう昴くんにわたしは惹かれた。
「そうだ、慎太郎くん。わたし、プレゼント候補が1つ浮かんだんだけど…」
「えっ、本当?なになに?」
わたしが話すと、慎太郎くんはうなずきながら微笑んでくれた。
「とってもいいと思うよ」
そして、わたしはプレゼント候補を求めて慎太郎くんといっしょにお店をめぐった。
ただ、これといったものがなくて、いろんなお店に行って慎太郎くんを付き合わせてしまった。
そして、6店舗目でようやく昴くんに似合いそうなものを見つけることができた。
「よかったね。無事に買えて」
「うん!わたしじゃ、どんなお店に行ったらいいのかわからなかったから助かったよ。ありがとう、慎太郎くん」
「どういたしまして」
学校へ戻る途中、公園の広場でクレープのキッチンカーを見つけた。
「慎太郎くん、クレープ好き?」
「うん。甘いもの、けっこう好きだよ」
「じゃあ、今日付き合ってくれたお礼にご馳走させてっ」
わたしは、慎太郎くんの分も合わせてクレープを2つ買った。
それを持って、向こうのほうに空いているベンチを見つけてそこに腰を下ろす。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、アリスちゃん。…でも、いいのかな?アリスちゃんにご馳走になっても…」
「いいの、いいの!遠慮しないで」
わたしがそう言うと、慎太郎くんはにこっと笑ってクレープにかじりついた。
「うん!おいしい!」
「よかった~!じゃあ、わたしもさっそく…」
わたしもいちごカスタードクレープを頬張る。
「おいし~!わたし、生クリームと迷ったんだけど、カスタードにして正解だったかも」
「そっちもおいしそうだね。オレにもちょっとちょうだい」
「どうぞ」
と言って、慎太郎くんにクレープを手渡そうとしたとき――。
わたしが持っていたクレープに、慎太郎くんがはむっとかぶりついた。
慎太郎くんが上目遣いで驚くわたしに視線を移す。
背の高い慎太郎くんに下から見上げられることはまずない。
だから、普段見ない慎太郎くんの近距離のアングルに思わずドキッとした。
「うまっ」
口の端についたカスタードクリームを舌でペロッとなめ取る慎太郎くん。
「あっ。アリスちゃん、ちょっと動かないで」
動かないでと言われても、慎太郎の急接近に驚いたわたしはそもそも動けない。
慎太郎くんは、そっとわたしの顎に手を添える。
まさかと思い、とっさに目をぎゅっとつむると――。
「取れたよ」
そんな声が聞こえて目を開けると、慎太郎くんの親指の腹にカスタードクリームがついていた。
「唇の下についてたから」
どうやら、口元についていたカスタードクリームを指で拭ってくれたようだ。
…わたしってば、てっきりキスされるものかと。
そんなことを考えていたら、頬がぽっと熱くなるのがわかった。
恥ずかしくなって、わたしは残りのクレープを無言で頬張る。
「ほんとアリスちゃんってかわいいよね」
ふとそんな声が聞こえて顔を上げると、やさしいまなざしで慎太郎くんがわたしのことを見つめていた。
「アリスちゃんって素直だし、すぐ顔に出てわかりやすいし。だから、虹斗や昴が放っておけないんだろうな」
「そんなことないよ。虹斗くんはわたしの反応を見て楽しんでるだけだし、昴くんなんてわたしのことは警護対象者としてしか見てないんだから…」
…どうしよう。
自分で言って虚しくなってきた。
すると、わたしの頭の上に慎太郎くんの大きな手が乗っかった。
そして、わたしの頭をやさしくなでる。
「そんな顔しないで。だったら、オレにしなよ」
そう言って、わたしの顔をのぞき込む慎太郎くん。
『オレにしなよ』って――。
…どういう意味?
「あの…慎太郎くん、それは…」
「わからない?オレ、アリスちゃんのことが好きだよ」
突然の慎太郎くんからの告白に、わたしは息をするのも忘れる。
「…まっ、まままま…待ってよ、慎太郎くん。急になに言って…」
頭の中が混乱して、なにをどうしたらいいのかわからない。
「今日だって、わたしの気持ちを知ってるから…ついてきてくれたんだよね?」
「そうだよ。理由はともあれ、好きな人と2人でデートできるならうれしいじゃんっ」
慎太郎くんが言う“好きな人”って――。
わたしのこと…なんだよね?
「オレが昴への気持ち忘れさせるから。だからオレの彼女になって、アリスちゃん」
わたしの手を取って見つめる慎太郎くん。
まさか、慎太郎くんがわたしのことをそんなふうに思ってくれていただなんて――。
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