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本当の気持ち
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「好きだよ、アリスちゃん」
返事に困るわたしに、慎太郎くんはさらに甘い言葉をささやく。
「オレならアリスちゃんを大切にする自信がある。馴れ馴れしい虹斗や無愛想な昴よりもずっとずっと」
「…えっと、わたしは――」
言葉に迷っていた、――そのとき。
「ありすはだれにも渡さない!」
突然そんな声が聞こえたと思ったら、手首を握られて抱き寄せられた。
気づいたときには、すでにわたしはだれかの腕の中にいた。
顔を上げると、黒髪の前髪から見え隠れする切れ長の目で慎太郎くんを睨みつける…凛々しいくらいに整った横顔。
そう。
それは、昴くんだった!
「…昴くん!」
昴くんには、『絶対に絶対についてきちゃダメ』と伝えていたはずなのに――。
「昴…!なんでここにっ。それに、『だれにも渡さない』ってなんだよ」
…そうだった。
突然の昴くんの登場に驚いたけど、たしかにさっきそう言った。
あの意味って――。
わたしの顔がぽっと熱くなる。
「アリスちゃんはアリスちゃんだろ。昴のものじゃない。部外者は帰ってくれよ」
「部外者じゃないからここにいるんだろ」
そう言って、わたしをぎゅっと後ろから抱きしめる昴くん。
「昴にとって、アリスちゃんは“ただの警護対象者”なんだろ?だったら――」
「…違う。俺は、ここへは“ボディガード”としてきたわけじゃない。だから、ありすも…今は“ただの警護対象者”なんかじゃない」
…え?
じゃあ、昴くんにとって今のわたしって――。
「慎太郎にも虹斗にも、他のやつらにも絶対に渡したくない」
「渡したくないって…、べつに好きとかじゃないんだから――」
「好きに決まってんだろ!ありすのことが!」
予期していなかった展開に、わたしは昴くんに抱きしめられたまま目を丸くする。
まっ…待って。
今…、昴くん…わたしのこと――。
「俺は、ずっと前からありすのことが好きだった!慎太郎、お前もイージスのボディガードならわかるだろ?ありすに気持ちを伝えたいけど伝えられない…このもどかしさがっ」
昴くん、…実はそんなことを。
わたしのことを『アリス様』と呼んで敬語を貫いてきたのも、すべてはイージスとしての職務のため。
そのせいで、どこか冷たく距離があるようにわたしは感じてしまっていたけど、本当は気持ちを押さえるので精一杯だったなんて。
「フフフッ…」
すると、昴くんの告白を聞いていた慎太郎くんが口元を隠しながら笑い声をもらす。
「…なにがおかしい?」
慎太郎くんの態度に、昴くんは不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。
「ああ…、ごめん!笑うつもりじゃなかったんだけど」
「とか言って、今も笑ってるだろ」
「…いや~。昴、かわいいなって思ってさ」
「かわいい…?俺が?」
険しい表情をして首をかしげる昴くん。
「本当のことを言うと、昴がオレとアリスちゃんのあとを追ってきてることは知ってたんだ」
「「…えっ!?」」
わたしと昴くんの驚きの声が重なる。
「オレだってイージスの1人なんだから、だれかにつけられてる気配くらいわかるよ。それが昴だってわかったから、あえてアリスちゃんと仲よさそうにしてみたっ」
慎太郎くんは舌を出して、いたずらっぽく笑ってみせる。
「…そうだったの!?」
「うん。密着しながら買い物して、2人でクレープをシェアして。傍からみたら、カップルっぽく見えるようにね」
じゃあ、あの上目遣いでクレープにかぶりついてきたのも…すべてわざと?
「でも…どうしてそんなこと」
「そんなの決まってるじゃん。昴を妬かせるためだよ」
「…俺を?」
慎太郎くんはうなずく。
「だって、このままじゃ昴、アリスちゃんに気持ち伝えようとしなかったでしょ?真面目だからね、イージスのリーダーとして」
「…じゃあ、誘い出すためにあえて…」
「言い方悪いけど、そういうことっ!オレがアリスちゃんに嘘の告白してるところを見たら、昴なら居ても立ってもいられなくて出てくると思ったから」
そうして、慎太郎くんの想像どおり――。
『好きに決まってんだろ!ありすのことが!』
内に秘めていた昴くん自身の気持ちを口に出して伝えさせることに成功した。
「2人が両想いなのは見ていてバレバレだったからね。それなのにお互いの気持ちを隠してるし、ここはオレが一肌脱がないとなって思って」
「…そうだったんだ!まさか…あの告白も嘘だったとは」
「驚かせてごめんね、アリスちゃん。でもああしないと、きっと昴出てこなかっただろうから」
図星なのか、気まずそうに視線をそらす昴くん。
真剣に告白されたと思ったから、慎太郎くんを傷つけないようにどうお断りしようか困っていたけど…。
嘘だったのなら…少し安心した。
それにしては…、嘘とは思えないような真面目な表情だったけど――。
「じゃあ、オレは先に帰るよ。あとは2人仲よくね」
慎太郎くんは、昴くんとわたしの肩をぽんぽんと軽くたたくと行ってしまった。
わたしは、慎太郎くんの後ろ姿を見届ける。
「実は、あの告白はマジだった…なんて、今さら言えるわけないよ。昴に抱きしめられるアリスちゃんの…あんな顔見たら」
そんな慎太郎くんの小さなひとり言が、わたしに聞こえるはずもなかった。
その場に残された…わたしと昴くん。
「あ…あの、さっきの話なんだけど……」
…やばい。
昴くんを意識しすぎて、まともに顔を見られない。
「…“イージスのリーダー”じゃなくて、“四之宮昴”として話してもいいかな」
「う、うん…!」
昴くんが敬語じゃない。
それだけでうれしすぎる。
「俺…、ずっと気になってて。最近、ありすと慎太郎の仲がよくて。それに…今日は2人で買い物にも出かけたから」
昴くん、本当はそんなことを――。
「今日の買い物はね、どうしても買いたいものがあったの」
「だったら、俺もいっしょに――」
「昴くんじゃ…ダメだったの」
「どうしてっ」
ふてくされたように、眉を下げる昴くん。
「実は、これを買いにいってて…」
わたしは、バッグの中から黒色の小さなショップ袋を取り出した。
「はい、昴くん。開けてみて」
「…え?」
キョトンとしながら、昴くんはショップ袋の中からシルバーのリボンが巻かれた黒色の小箱を取り出した。
昴くんが開けた小箱の中に入っていたのは、ゴールドのネクタイピン。
そこには、【SUBARU】と刻印された名前。
「お誕生日おめでとう!わたしからのプレゼントだよ」
それを聞いて、驚いたように目を丸くする昴くん。
「…そうだった。今日は俺の誕生日か」
「もしかして、自分の誕生日忘れてたの?」
「ああ、すっかり」
そんなことって…ある!?
でも昴くん、それだけ自分のことよりもわたしのことを考えてくれていたってことだよね。
「わたしじゃ、どういうお店で買えるのかがわからなかったから、慎太郎くんについてきてもらったの」
「そういうことだったのか」
「でも、選んだのはわたしだよ!昴くんに似合いそうなものを探して、いろんなお店をまわったの」
すると、昴くんは小箱からネクタイピンを取ると、さっそくネクタイにつけてくれた。
「どう?」
「すっごくいい!」
ブレザーからさりげなく見えるネクタイピンは、イージスの金色に輝くバッジととても合っている。
「ありがとう、大切にする」
「うん…!」
恥ずかしくなったわたしは、頬を赤くしながらぎこちなくうなずいた。
わたしが、ネクタイピンを選んだ理由――。
それは、今日のお昼休みの出来事がヒントになった。
『ここ最近、慎太郎とよくいっしょにいますよね?』
『そ、そうかな~…?』
『はい。午前の授業も…仲がよさそうに見えました』
人気のない廊下で、わたしにぐっと顔を近づけてきた昴くん。
そのとき、ネクタイが揺れているのが目に入ったから。
ネクタイピンで止まっていたほうが、もっとかっこよくなるんじゃないかと思って。
わたしだって、これでも好きな人のことは見ているつもり。
「「…あ、あのっ…」」
タイミングを合わせたかのように声が重なり、はっとしてお互い同時に口をつぐむ。
――すると。
「ほんとかわいすぎるから」
そう言って、昴くんがわたしの髪を愛おしそうになでた。
「…俺はイージスのリーダーなのに。この一線は絶対越えないようにと思って、気持ちも留めておくつもりだったのに…」
頬をほんのり赤く染めながら、照れたように視線をそらす昴くん。
「もうありすのこと、警護対象者として見れないじゃん」
その言葉に、わたしの胸がドキッと鳴る。
「…ごめん。これまでのスカしたイージスのリーダーは、もうやめてもいいかな?」
「え…?」
「これからは、“彼氏”としてありすのことをそばで守りたい」
昴くんはわたしの“ボディガード”じゃなくて、わたしの――“彼氏”。
「もう、敬語で『アリス様』呼びの俺じゃないけど、それでもいい?」
昴くんがわたしの顔をのぞき込む。
わたしの答えを待っているかのように。
わたしの答え――。
そんなの、もう決まっている。
「それでもいい。…じゃなくて、それがいい!わたしのこと、もっとたくさん『ありす』って呼んでっ」
わたしがそう言うと、昴くんは柔らかく微笑んだ。
「わかった。嫌っていうほど呼んでやるから、覚悟しろよ」
「うん!」
わたしたちは顔を見合わせて笑った。
こんな昴くんの表情は初めて見る。
昴くんって、こういうふうにして笑うんだ。
…でも、…あれ?
初めて見るにしては、どこか懐かしいような――。
「ありす、好きだよ」
昴くんがわたしをそっと抱き寄せて、耳元でささやく。
すると、その耳が瞬時に熱くなるのがわかった。
「…わっ、わたしも…好きだよ!」
「もしかしてありす、こんなことで緊張してる?」
「そ、それは…」
「たくさん名前で呼んでほしいって言ったのは、ありすだろ?これじゃあ、身がもたないかもな」
…それを言われると、返す言葉が見つからない。
『ありす』と呼ばれてうれしいのに、まだ慣れなくて…ずっとドキドキしっぱなし。
「どんなことがあったって、絶対に俺が守る。だって俺は、ありすのボディガード兼彼氏なんだから」
昴くんはわたしを引き寄せると、たくましいその腕でぎゅっと抱きしめてくれた。
わたしも昴くんの背中に腕を伸ばすと、精一杯に昴くんを抱きしめた。
「ずっとこうしたかった」
「わたしも」
お互いの気持ちを通わせているような気がして、すごくすごく幸せな時間だった。
その日の夕方。
「えっ!?アリスちゃんと昴くんが…付き合った!?」
寮に帰って2人で報告すると、まん丸の目をさらにまん丸にして虹斗くんが驚いていた。
「どういうこと!?アリスちゃん、慎太郎くんと買い物に出かけてたんだよね!?なのに、どこから昴くんが…」
「まあ、いろいろとあってな」
虹斗くんの頭をぽんぽんとなでる慎太郎くん。
わたしと昴くんが付き合えたのは、慎太郎くんのおかげ。
やっぱり慎太郎くんは、年下の面倒を見てくれるよきお兄ちゃんだ。
「…ちぇっ!アリスちゃんは、ぼくが狙ってたのに~」
いじけたように唇を尖らせる虹斗くん。
「それに、慎太郎くんもアリスちゃんのこと、いいなって思ってたよね?」
「オレは…」
でも、慎太郎くんがわたしのことを好きだったというのは、…あれは嘘なんだよね?
「オレは、2人が幸せならそれでいいから」
「え~、なにそれ~。慎太郎くん、カッコつけすぎだよ~」
駄々をこねる子どものように体を左右に振る虹斗くんを見て、慎太郎くんは思わず苦笑い。
「でも…」
ふとつぶやく慎太郎くん。
「もし昴がアリスちゃんを泣かせるようなことがあれば、そのときは全力で奪いにいくから」
“奪う”というのは、――わたしのこと?
それも…なにかの冗談?
キョトンとするわたし。
すると、体を抱き寄せられた。
わたしを抱き寄せたのは、もちろんそばにいた昴くん。
「ありすを泣かせたら、な。絶対にそんなことはしないから」
そう言って、昴くんは2人の前で誓ってくれた。
わたし、すごく大切にされているんだ。
お互いの想いが通じ合ったとたん、昴くんが急に甘くなって…戸惑いつつも幸せを噛みしめている。
こうしてわたしたちは、慎太郎くんと虹斗くんに祝福?されながら、昴くんの誕生日でもある今日からお付き合いを始めることになった。
――しかし。
素晴らしい日になるはずが、その日の夜遅くに猛烈な雨が降り出した。
窓を閉めて布団をかぶっていても、雨風の音がすごい。
さらには、心臓に響くような雷まで。
実はわたしは雷が大の苦手。
中学2年生にもなって、布団の中で耳を塞いで震えていた。
こわくて、なかなか眠ることができない。
そんな日は、おばあちゃんの部屋に行っていっしょに寝るのだけれど、ここは星乃川学園の寮。
だれも助けてくれる人なんていない。
ふと、一瞬昴くんの顔が頭の中に浮かんだ。
昴くんならきっと助けてくれる。
だけど、だめだめ。
ボディガードといっても、雷を怖がるお嬢様の面倒まではさすがに見てくれない。
それに、みんなもう寝ている時間。
だから、ここは1人で雷が止むの待つしか――。
するとそのとき、掛け布団が一気に剥ぎ取られた。
「…きゃっ!」
わたしが悲鳴を上げてうずくまっていると、突然肩に手が添えられた。
「大丈夫か、ありす」
驚いて顔を上げると、そこにいたのは昴くんだった。
「…昴くん!」
わたしはすぐさま昴くんに抱きつく。
昴くんの匂いと体温に、徐々に心も落ち着いていく。
「でも、どうして昴くんがこんな時間にわたしの部屋に…?」
「ありす、雷苦手だろ?だから、心配になって様子を見にきた」
わたしの部屋のインターホンを鳴らしてくれていたみたいだけど、わたしは雷の音で聞こえていなかった。
だから、合鍵を使って入ってきてくれた。
「ありがとうっ…。部屋に1人じゃこわくて…」
今でも体がプルプルと小刻みに震えている。
今日だけは、昴くんがそばにいないとダメだ。
ずっとここにいてほしい。
…だけど、そんなことを言ったら迷惑だよね。
そう思っていると――。
「雷が収まるまでそばにいる。だから、ありすは安心して眠って」
昴くんはわたしの目元の涙を指ではらうと、やさしく頭をなでてくれた。
わたしがベッドに横になると、昴くんが丁寧に布団をかけてくれた。
そしてベッドに腰掛け、わたしの手をそっと握る。
温かい昴くんの手。
視線を向けると、にこりと微笑んでくれる昴くんの表情が暗がりでもわかる。
それにすっかり安心してしまったのか――。
わたしは、いつの間にか眠っていた。
次の日の朝。
わたしは心地よい眠りから目覚め、ぼんやりと寝る前のことを思い出す。
ひどい雷だったけど、昴くんが手を握ってそばにいてくれたからこうして眠ることができた。
だけど、――あれ?
まだ手に温もりを感じる。
不思議に思いながらゆっくりと腕をたどると、なんと枕元にはわたしを見つめる昴くんがいた。
「おはよう、ありす」
目覚めてすぐに昴くんと目が合って、頬がカッと熱くなった。
「ど、どどどど…どうしてっ。雷が収まったら自分の部屋に戻るんじゃなかったの…?」
「そのはずだったんだけど、ありすの寝顔がかわいくて見てたら、俺もいつの間にか眠ってて…」
それで、わたしが目を覚ます少し前に気がついたのだそう。
「戻ろうと思ったんだけど、なかなかこれが外れなくて」
と言って、昴くんは繋いだままの手に視線を移す。
どうやら、一晩中手を握り合ったままだったようだ。
「ご、ごめん…!わたしが強く握りすぎてたせいで…」
「違うよ、むしろ解きたくなかった。そうしたら、ありすが目を覚まして」
ということで、わたしと昴くんはいっしょに朝を迎えることになったのだ。
朝起きたらそばに好きな人がいる。
それがとっても幸せなことだということを、このとき初めて知った。
雷に怖がるわたしに寄り添ってくれて、わたしが安心できるようにと手をつないでくれた。
そんな昴くんが愛おしくてたまらない。
「昴くん、好き」
だから、昴くんの顔を見たらそんな言葉が自然と出てきた。
それを聞いた昴くんの口角が上がる。
「俺も好きだよ、ありす。むしろ、俺のほうが大好きだから」
「わたしだって、昴くんのことが大大大好きだよ!」
「それはどうかな?俺はずっと、『好きだよ』って言い続けてたから」
「…え?いつ?」
「昨日の夜、ありすが寝たあと」
「そうだったの…!?」
…知らなかった。
結局、わたしはスヤスヤと眠ってしまっていたから。
「ありすが覚えていなくたって、俺が好きなのはありすだけ」
そう言って、昴くんはわたしを抱きしめてくれた。
『ありすが覚えていなくたって』というのは、わたしが眠ったあとのこと――だよね?
わたしの中では、顔も忘れてしまった初恋の相手、るぅくんがずっと一番だった。
それが中学2年生になって、初めて本当に好きな人ができた。
好きな人と好き同士になれて結ばれることすらすごいことなのに、そんな人と「好き」と言い合える喜びを今ひしひしと感じている。
このままずっと昴くんといっしょにいられたらいいのにな。
――しかし、昴くんやイージスとのお別れの日はすぐそこまで近づいてきていた。
返事に困るわたしに、慎太郎くんはさらに甘い言葉をささやく。
「オレならアリスちゃんを大切にする自信がある。馴れ馴れしい虹斗や無愛想な昴よりもずっとずっと」
「…えっと、わたしは――」
言葉に迷っていた、――そのとき。
「ありすはだれにも渡さない!」
突然そんな声が聞こえたと思ったら、手首を握られて抱き寄せられた。
気づいたときには、すでにわたしはだれかの腕の中にいた。
顔を上げると、黒髪の前髪から見え隠れする切れ長の目で慎太郎くんを睨みつける…凛々しいくらいに整った横顔。
そう。
それは、昴くんだった!
「…昴くん!」
昴くんには、『絶対に絶対についてきちゃダメ』と伝えていたはずなのに――。
「昴…!なんでここにっ。それに、『だれにも渡さない』ってなんだよ」
…そうだった。
突然の昴くんの登場に驚いたけど、たしかにさっきそう言った。
あの意味って――。
わたしの顔がぽっと熱くなる。
「アリスちゃんはアリスちゃんだろ。昴のものじゃない。部外者は帰ってくれよ」
「部外者じゃないからここにいるんだろ」
そう言って、わたしをぎゅっと後ろから抱きしめる昴くん。
「昴にとって、アリスちゃんは“ただの警護対象者”なんだろ?だったら――」
「…違う。俺は、ここへは“ボディガード”としてきたわけじゃない。だから、ありすも…今は“ただの警護対象者”なんかじゃない」
…え?
じゃあ、昴くんにとって今のわたしって――。
「慎太郎にも虹斗にも、他のやつらにも絶対に渡したくない」
「渡したくないって…、べつに好きとかじゃないんだから――」
「好きに決まってんだろ!ありすのことが!」
予期していなかった展開に、わたしは昴くんに抱きしめられたまま目を丸くする。
まっ…待って。
今…、昴くん…わたしのこと――。
「俺は、ずっと前からありすのことが好きだった!慎太郎、お前もイージスのボディガードならわかるだろ?ありすに気持ちを伝えたいけど伝えられない…このもどかしさがっ」
昴くん、…実はそんなことを。
わたしのことを『アリス様』と呼んで敬語を貫いてきたのも、すべてはイージスとしての職務のため。
そのせいで、どこか冷たく距離があるようにわたしは感じてしまっていたけど、本当は気持ちを押さえるので精一杯だったなんて。
「フフフッ…」
すると、昴くんの告白を聞いていた慎太郎くんが口元を隠しながら笑い声をもらす。
「…なにがおかしい?」
慎太郎くんの態度に、昴くんは不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。
「ああ…、ごめん!笑うつもりじゃなかったんだけど」
「とか言って、今も笑ってるだろ」
「…いや~。昴、かわいいなって思ってさ」
「かわいい…?俺が?」
険しい表情をして首をかしげる昴くん。
「本当のことを言うと、昴がオレとアリスちゃんのあとを追ってきてることは知ってたんだ」
「「…えっ!?」」
わたしと昴くんの驚きの声が重なる。
「オレだってイージスの1人なんだから、だれかにつけられてる気配くらいわかるよ。それが昴だってわかったから、あえてアリスちゃんと仲よさそうにしてみたっ」
慎太郎くんは舌を出して、いたずらっぽく笑ってみせる。
「…そうだったの!?」
「うん。密着しながら買い物して、2人でクレープをシェアして。傍からみたら、カップルっぽく見えるようにね」
じゃあ、あの上目遣いでクレープにかぶりついてきたのも…すべてわざと?
「でも…どうしてそんなこと」
「そんなの決まってるじゃん。昴を妬かせるためだよ」
「…俺を?」
慎太郎くんはうなずく。
「だって、このままじゃ昴、アリスちゃんに気持ち伝えようとしなかったでしょ?真面目だからね、イージスのリーダーとして」
「…じゃあ、誘い出すためにあえて…」
「言い方悪いけど、そういうことっ!オレがアリスちゃんに嘘の告白してるところを見たら、昴なら居ても立ってもいられなくて出てくると思ったから」
そうして、慎太郎くんの想像どおり――。
『好きに決まってんだろ!ありすのことが!』
内に秘めていた昴くん自身の気持ちを口に出して伝えさせることに成功した。
「2人が両想いなのは見ていてバレバレだったからね。それなのにお互いの気持ちを隠してるし、ここはオレが一肌脱がないとなって思って」
「…そうだったんだ!まさか…あの告白も嘘だったとは」
「驚かせてごめんね、アリスちゃん。でもああしないと、きっと昴出てこなかっただろうから」
図星なのか、気まずそうに視線をそらす昴くん。
真剣に告白されたと思ったから、慎太郎くんを傷つけないようにどうお断りしようか困っていたけど…。
嘘だったのなら…少し安心した。
それにしては…、嘘とは思えないような真面目な表情だったけど――。
「じゃあ、オレは先に帰るよ。あとは2人仲よくね」
慎太郎くんは、昴くんとわたしの肩をぽんぽんと軽くたたくと行ってしまった。
わたしは、慎太郎くんの後ろ姿を見届ける。
「実は、あの告白はマジだった…なんて、今さら言えるわけないよ。昴に抱きしめられるアリスちゃんの…あんな顔見たら」
そんな慎太郎くんの小さなひとり言が、わたしに聞こえるはずもなかった。
その場に残された…わたしと昴くん。
「あ…あの、さっきの話なんだけど……」
…やばい。
昴くんを意識しすぎて、まともに顔を見られない。
「…“イージスのリーダー”じゃなくて、“四之宮昴”として話してもいいかな」
「う、うん…!」
昴くんが敬語じゃない。
それだけでうれしすぎる。
「俺…、ずっと気になってて。最近、ありすと慎太郎の仲がよくて。それに…今日は2人で買い物にも出かけたから」
昴くん、本当はそんなことを――。
「今日の買い物はね、どうしても買いたいものがあったの」
「だったら、俺もいっしょに――」
「昴くんじゃ…ダメだったの」
「どうしてっ」
ふてくされたように、眉を下げる昴くん。
「実は、これを買いにいってて…」
わたしは、バッグの中から黒色の小さなショップ袋を取り出した。
「はい、昴くん。開けてみて」
「…え?」
キョトンとしながら、昴くんはショップ袋の中からシルバーのリボンが巻かれた黒色の小箱を取り出した。
昴くんが開けた小箱の中に入っていたのは、ゴールドのネクタイピン。
そこには、【SUBARU】と刻印された名前。
「お誕生日おめでとう!わたしからのプレゼントだよ」
それを聞いて、驚いたように目を丸くする昴くん。
「…そうだった。今日は俺の誕生日か」
「もしかして、自分の誕生日忘れてたの?」
「ああ、すっかり」
そんなことって…ある!?
でも昴くん、それだけ自分のことよりもわたしのことを考えてくれていたってことだよね。
「わたしじゃ、どういうお店で買えるのかがわからなかったから、慎太郎くんについてきてもらったの」
「そういうことだったのか」
「でも、選んだのはわたしだよ!昴くんに似合いそうなものを探して、いろんなお店をまわったの」
すると、昴くんは小箱からネクタイピンを取ると、さっそくネクタイにつけてくれた。
「どう?」
「すっごくいい!」
ブレザーからさりげなく見えるネクタイピンは、イージスの金色に輝くバッジととても合っている。
「ありがとう、大切にする」
「うん…!」
恥ずかしくなったわたしは、頬を赤くしながらぎこちなくうなずいた。
わたしが、ネクタイピンを選んだ理由――。
それは、今日のお昼休みの出来事がヒントになった。
『ここ最近、慎太郎とよくいっしょにいますよね?』
『そ、そうかな~…?』
『はい。午前の授業も…仲がよさそうに見えました』
人気のない廊下で、わたしにぐっと顔を近づけてきた昴くん。
そのとき、ネクタイが揺れているのが目に入ったから。
ネクタイピンで止まっていたほうが、もっとかっこよくなるんじゃないかと思って。
わたしだって、これでも好きな人のことは見ているつもり。
「「…あ、あのっ…」」
タイミングを合わせたかのように声が重なり、はっとしてお互い同時に口をつぐむ。
――すると。
「ほんとかわいすぎるから」
そう言って、昴くんがわたしの髪を愛おしそうになでた。
「…俺はイージスのリーダーなのに。この一線は絶対越えないようにと思って、気持ちも留めておくつもりだったのに…」
頬をほんのり赤く染めながら、照れたように視線をそらす昴くん。
「もうありすのこと、警護対象者として見れないじゃん」
その言葉に、わたしの胸がドキッと鳴る。
「…ごめん。これまでのスカしたイージスのリーダーは、もうやめてもいいかな?」
「え…?」
「これからは、“彼氏”としてありすのことをそばで守りたい」
昴くんはわたしの“ボディガード”じゃなくて、わたしの――“彼氏”。
「もう、敬語で『アリス様』呼びの俺じゃないけど、それでもいい?」
昴くんがわたしの顔をのぞき込む。
わたしの答えを待っているかのように。
わたしの答え――。
そんなの、もう決まっている。
「それでもいい。…じゃなくて、それがいい!わたしのこと、もっとたくさん『ありす』って呼んでっ」
わたしがそう言うと、昴くんは柔らかく微笑んだ。
「わかった。嫌っていうほど呼んでやるから、覚悟しろよ」
「うん!」
わたしたちは顔を見合わせて笑った。
こんな昴くんの表情は初めて見る。
昴くんって、こういうふうにして笑うんだ。
…でも、…あれ?
初めて見るにしては、どこか懐かしいような――。
「ありす、好きだよ」
昴くんがわたしをそっと抱き寄せて、耳元でささやく。
すると、その耳が瞬時に熱くなるのがわかった。
「…わっ、わたしも…好きだよ!」
「もしかしてありす、こんなことで緊張してる?」
「そ、それは…」
「たくさん名前で呼んでほしいって言ったのは、ありすだろ?これじゃあ、身がもたないかもな」
…それを言われると、返す言葉が見つからない。
『ありす』と呼ばれてうれしいのに、まだ慣れなくて…ずっとドキドキしっぱなし。
「どんなことがあったって、絶対に俺が守る。だって俺は、ありすのボディガード兼彼氏なんだから」
昴くんはわたしを引き寄せると、たくましいその腕でぎゅっと抱きしめてくれた。
わたしも昴くんの背中に腕を伸ばすと、精一杯に昴くんを抱きしめた。
「ずっとこうしたかった」
「わたしも」
お互いの気持ちを通わせているような気がして、すごくすごく幸せな時間だった。
その日の夕方。
「えっ!?アリスちゃんと昴くんが…付き合った!?」
寮に帰って2人で報告すると、まん丸の目をさらにまん丸にして虹斗くんが驚いていた。
「どういうこと!?アリスちゃん、慎太郎くんと買い物に出かけてたんだよね!?なのに、どこから昴くんが…」
「まあ、いろいろとあってな」
虹斗くんの頭をぽんぽんとなでる慎太郎くん。
わたしと昴くんが付き合えたのは、慎太郎くんのおかげ。
やっぱり慎太郎くんは、年下の面倒を見てくれるよきお兄ちゃんだ。
「…ちぇっ!アリスちゃんは、ぼくが狙ってたのに~」
いじけたように唇を尖らせる虹斗くん。
「それに、慎太郎くんもアリスちゃんのこと、いいなって思ってたよね?」
「オレは…」
でも、慎太郎くんがわたしのことを好きだったというのは、…あれは嘘なんだよね?
「オレは、2人が幸せならそれでいいから」
「え~、なにそれ~。慎太郎くん、カッコつけすぎだよ~」
駄々をこねる子どものように体を左右に振る虹斗くんを見て、慎太郎くんは思わず苦笑い。
「でも…」
ふとつぶやく慎太郎くん。
「もし昴がアリスちゃんを泣かせるようなことがあれば、そのときは全力で奪いにいくから」
“奪う”というのは、――わたしのこと?
それも…なにかの冗談?
キョトンとするわたし。
すると、体を抱き寄せられた。
わたしを抱き寄せたのは、もちろんそばにいた昴くん。
「ありすを泣かせたら、な。絶対にそんなことはしないから」
そう言って、昴くんは2人の前で誓ってくれた。
わたし、すごく大切にされているんだ。
お互いの想いが通じ合ったとたん、昴くんが急に甘くなって…戸惑いつつも幸せを噛みしめている。
こうしてわたしたちは、慎太郎くんと虹斗くんに祝福?されながら、昴くんの誕生日でもある今日からお付き合いを始めることになった。
――しかし。
素晴らしい日になるはずが、その日の夜遅くに猛烈な雨が降り出した。
窓を閉めて布団をかぶっていても、雨風の音がすごい。
さらには、心臓に響くような雷まで。
実はわたしは雷が大の苦手。
中学2年生にもなって、布団の中で耳を塞いで震えていた。
こわくて、なかなか眠ることができない。
そんな日は、おばあちゃんの部屋に行っていっしょに寝るのだけれど、ここは星乃川学園の寮。
だれも助けてくれる人なんていない。
ふと、一瞬昴くんの顔が頭の中に浮かんだ。
昴くんならきっと助けてくれる。
だけど、だめだめ。
ボディガードといっても、雷を怖がるお嬢様の面倒まではさすがに見てくれない。
それに、みんなもう寝ている時間。
だから、ここは1人で雷が止むの待つしか――。
するとそのとき、掛け布団が一気に剥ぎ取られた。
「…きゃっ!」
わたしが悲鳴を上げてうずくまっていると、突然肩に手が添えられた。
「大丈夫か、ありす」
驚いて顔を上げると、そこにいたのは昴くんだった。
「…昴くん!」
わたしはすぐさま昴くんに抱きつく。
昴くんの匂いと体温に、徐々に心も落ち着いていく。
「でも、どうして昴くんがこんな時間にわたしの部屋に…?」
「ありす、雷苦手だろ?だから、心配になって様子を見にきた」
わたしの部屋のインターホンを鳴らしてくれていたみたいだけど、わたしは雷の音で聞こえていなかった。
だから、合鍵を使って入ってきてくれた。
「ありがとうっ…。部屋に1人じゃこわくて…」
今でも体がプルプルと小刻みに震えている。
今日だけは、昴くんがそばにいないとダメだ。
ずっとここにいてほしい。
…だけど、そんなことを言ったら迷惑だよね。
そう思っていると――。
「雷が収まるまでそばにいる。だから、ありすは安心して眠って」
昴くんはわたしの目元の涙を指ではらうと、やさしく頭をなでてくれた。
わたしがベッドに横になると、昴くんが丁寧に布団をかけてくれた。
そしてベッドに腰掛け、わたしの手をそっと握る。
温かい昴くんの手。
視線を向けると、にこりと微笑んでくれる昴くんの表情が暗がりでもわかる。
それにすっかり安心してしまったのか――。
わたしは、いつの間にか眠っていた。
次の日の朝。
わたしは心地よい眠りから目覚め、ぼんやりと寝る前のことを思い出す。
ひどい雷だったけど、昴くんが手を握ってそばにいてくれたからこうして眠ることができた。
だけど、――あれ?
まだ手に温もりを感じる。
不思議に思いながらゆっくりと腕をたどると、なんと枕元にはわたしを見つめる昴くんがいた。
「おはよう、ありす」
目覚めてすぐに昴くんと目が合って、頬がカッと熱くなった。
「ど、どどどど…どうしてっ。雷が収まったら自分の部屋に戻るんじゃなかったの…?」
「そのはずだったんだけど、ありすの寝顔がかわいくて見てたら、俺もいつの間にか眠ってて…」
それで、わたしが目を覚ます少し前に気がついたのだそう。
「戻ろうと思ったんだけど、なかなかこれが外れなくて」
と言って、昴くんは繋いだままの手に視線を移す。
どうやら、一晩中手を握り合ったままだったようだ。
「ご、ごめん…!わたしが強く握りすぎてたせいで…」
「違うよ、むしろ解きたくなかった。そうしたら、ありすが目を覚まして」
ということで、わたしと昴くんはいっしょに朝を迎えることになったのだ。
朝起きたらそばに好きな人がいる。
それがとっても幸せなことだということを、このとき初めて知った。
雷に怖がるわたしに寄り添ってくれて、わたしが安心できるようにと手をつないでくれた。
そんな昴くんが愛おしくてたまらない。
「昴くん、好き」
だから、昴くんの顔を見たらそんな言葉が自然と出てきた。
それを聞いた昴くんの口角が上がる。
「俺も好きだよ、ありす。むしろ、俺のほうが大好きだから」
「わたしだって、昴くんのことが大大大好きだよ!」
「それはどうかな?俺はずっと、『好きだよ』って言い続けてたから」
「…え?いつ?」
「昨日の夜、ありすが寝たあと」
「そうだったの…!?」
…知らなかった。
結局、わたしはスヤスヤと眠ってしまっていたから。
「ありすが覚えていなくたって、俺が好きなのはありすだけ」
そう言って、昴くんはわたしを抱きしめてくれた。
『ありすが覚えていなくたって』というのは、わたしが眠ったあとのこと――だよね?
わたしの中では、顔も忘れてしまった初恋の相手、るぅくんがずっと一番だった。
それが中学2年生になって、初めて本当に好きな人ができた。
好きな人と好き同士になれて結ばれることすらすごいことなのに、そんな人と「好き」と言い合える喜びを今ひしひしと感じている。
このままずっと昴くんといっしょにいられたらいいのにな。
――しかし、昴くんやイージスとのお別れの日はすぐそこまで近づいてきていた。
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