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アベル13 断罪02 因果応報
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ラーバンに恨みをもつひとりの女が、暗い地下室に足を踏み入れた。
拷問椅子の前に立ち、表情を失った瞳で、縛り付けられたラーバンを見下ろす。
「……覚えていますか。あなたが痛めつけ、尊厳を踏みにじった少女のことを」
セーラの声は震えていた。
そっと彼女の手を取る。
その手にナイフを握らせた。
「お、おい! 誰だかしらんが、私を助けろ!」
第三者の登場にラーバンが一縷の望みを見出した。
必死になって命乞いをする。
「……明るかった、あの子のことを。天真爛漫だった私の妹……。ラミーのことを……」
「た、助けてくれ! お前、アベルの知り合いなんだろう! お前からも頼め!」
話が噛み合っていない。
それどころかラーバンは、彼女の話すら聞いていない。
「応えて下さい……。ねぇ、覚えていますか……?」
セーラはただ静かに問いかけ続けた。
それを無視して、ラーバンは命乞いをする。
「そんなことより、頼む。アベルを説得してくれ! 助けてくれたら褒美をくれてやろう! 本当だ!」
「……やっぱり、覚えても……、覚えすらも、いないんですね? あなたが壊してしまった少女のことを、覚えてすら……」
セーラがナイフを振り上げた。
俺は黙って、それを見つめる。
「……ぅぅ。……ぅあ、……うわああああああああああああああああああああっ!!」
セーラが吠えた。
頬に、肩に、腕に、腿に。
ラーバンに向けて、何度も刃を振り下ろす。
「ぎゃ!? や、やめろ、ぎゃあ! ぎゃぁあ!」
ぐさり、ぐさりと、刃が突き立てられる。
その度に鮮血が吹き出して、白かったセーラの顔を赤く染めていく。
「し、死ぬ……! それ以上は、刺すな……!」
「返して! 壊れる前のあの子を! ラミーを! 返して! 返して! 返してよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
何度も何度も、ナイフを突き刺す。
セーラは泣いていた。
俺はその姿を横目に、拷問器具を収めた場所に近づいていく。
棚から回復薬を取り出した。
この回復薬は、拷問相手を直ぐに殺してしまわないよう、ラーバンが用意したものだろう。
それが自分自身の死刑を長引かせるために使われるわけだが、まぁ自業自得としかいいようがない。
「……おい女。ここと、ここは、刺すな」
血塗れになったラーバンの、首筋と心臓を指差す。
「即死する可能性があるからな。それ以外の場所ならいくら刺してもいい。回復薬ならたくさんある」
話を聞いているのか、いないのか。
セーラは狂ったように泣き叫びながら、ラーバンを突き刺していく。
「あなたさえ! あなたさえいなければ! きっとあの子はいまも笑顔で! うぅぅ……。ぅわぁああああああああああああああああ!!」
「あ、あがっ……。や、やめ……、もうやめて……。痛い、いたいぃいいいいいい!」
悲鳴が心地よい。
浮かれた気分で、俺は拷問器具を漁る。
いいものがあった。
器具を手に取り、セーラの肩を叩く。
「女。これを使え」
「はぁ、はぁ……。ぅ、ぅう……。これは……?」
「これは指を落とす道具だろう」
この女の妹、ラミーの惨状を思い出す。
たしか左手の指が、すべて欠損していたはずだ。
それをしたのはラーバンである。
「ここだ。この輪っかに指を通して、ここを叩け。そうすれば指が千切れる」
セーラが震える手で拷問器具を受け取った。
教えた通りにラーバンの指を通す。
「ひ、ひぃぃ……。や、やめてくれぇ……」
「はっ、はっ……。こ、ここを、叩く……」
セーラは震えていた。
短く呼気を発し、大きく瞳孔を開いている。
「……どうした? はやくやれ。こいつは、お前の仇だ。妹と同じ目にあわせてやれ」
「はっ、は、はっ……、た、叩く……たた……」
ぶるぶると体を震わせながら、セーラは腕を振り上げた。
あとは腕を振り下ろすだけ。
器具を叩けば、ラーバンの指は落ちる。
「やめろぉ、やめてくれぇ……!」
「はっ、はっ、はっ、はぁっ……! ラミー! ラミー! ぅわ、ぅぁああああ!」
セーラが叫んだ。
腕が下される。
しかしその手はだらりと下がり、拷問具を叩くことはなかった。
彼女は力なくその場に崩れ落ちる。
「ぅぅ……、どうして……! どうして、こんなに酷いことができるの! こんなの人間のやることじゃない! 返して、あの子の笑顔を返してよお! どうしてよぉおおおおおおおおおおお……!」
俺は小さくため息をつき、冷めた目で泣き崩れた女をみた。
この女の恨みは、この程度か……。
ラーバンがほっと息を吐く。
その瞬間――
「ぎゃあああああああああああああああっ!?」
ぼとりと指が落ちた。
セーラに変わって、俺が器具を叩いたのだ。
「なにを安心している? ラーバン、お前の地獄は始まったばかりだろうが」
泣きながら蹲った女を立たせた。
壁際に連れて行く。
「……あとは俺がやる。お前はそこで見ていろ」
泣いたままの女は応えない。
せっかくこいつの復讐も遂げさせてやろうと思ったのに興醒めではあるが、まぁいい。
ここからは俺の復讐だ。
悶え苦しむラーバンに向き直った。
「ぐぎぎぎぎ……。た、助けてくれ……! なんでもする! た、頼む! 頼むよ!」
生き汚くなにかをさえずり続けている男に、優しく微笑みかけた。
「頭部を酸で溶かした跡。くり抜かれた目玉……」
いきなりの話に、主旨がわからないのだろう。
ラーバンが不可解な顔を見せる。
だが俺はゆっくり丁寧に、続きを言い聞かせる。
「……そぎ落とされた鼻。切り取られた舌。欠損した左の五指……」
ラーバンがはっとした。
ガタガタと震えだす。
「抉りとられた左の乳房。食い千切られた右の乳首。切り落とされた右肘。壊された生殖器。失われた両脚。……なんのことか、わかるか?」
歯をカチカチとならして、その様子は尋常ではない。
今までの命乞いとは様子が違う。
「ひ、ひぅ!? ひぁあ……! ひやぁあああ!!」
ラーバンが濡らした小便が、床を濡らした。
ついでに脱糞でもしたのか、糞の臭いがする。
「ほぅ? その様子をみると理解できたようだな。そうだ。これらはすべて、とある少女にお前がやったことだ」
「いや……、いやだぁ……」
命乞いが、すうっと心に染みいってくる。
実に晴れやかな気分だ。
「なぁラーバン、因果応報という言葉を知っているか? くくく……」
ラーバンの顔は真っ青に青ざめ、その瞳には絶望の色が浮かんでいる。
自分のなかに生まれた、愉悦以外の初めての感情に戸惑っているらしい。
「そ、そんな……? こんな……、ひょんな……!」
楽しくて仕方がない。
胸がすくような思いに、知らず識らずのうちに笑みがこぼれる。
「ふふ、ふふふふ……」
やつの耳元に、そっと唇を寄せた。
優しく囁きかける。
「そうだ……。それが、恐怖だ……」
「いやぁあああああああ! いやだあああああああああああああああああああああっ!! 助けてえええええええええ! いやだ、いやだ、いやだ、いやだぁあああああああああああああああああああ!!」
ラーバンが激しくかぶりを振る。
駄々をこねる子供のように、涙で顔をクシャクシャにし、頭髪を振り回す。
「くく……、くはは……! そうだ、ラーバン! もっと泣き喚け! 俺はお前のその顔が見たかったんだ! その声が聞きたかったんだ! だがまだだ! 本当の地獄はこれからだぞ? 死にかける度に何度でも治してやる! お前が無様に死を懇願するようになっても、何度も何度も繰り返し苦痛を与え続けてやる! さぁ宴の始まりだ! 生まれてきたことを後悔するまで、責め続けてやる! 一緒に楽しもうじゃないか! なぁラーバン! はは! あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
がちゃがちゃと金属音を鳴らし、拷問具を手にしながら、俺はラーバンを見下ろした。
地下室に死骸が転がっている。
元は聖騎士ラーバンなどと呼ばれていたそれは、もはやただの肉の塊と成り果てていた。
……復讐は遂げた。
これでようやく、ふたり。
顔に浴びた返り血を拭う。
耳にはまだ、この醜い肉塊が奏でていた絶叫のメロディが、心地よい余韻として残っている。
地下室の出口に一歩足を踏み出した。
焦燥した女の前を通りすぎる。
「……ぁなたは、本……に、人間なん、ですか?」
小さな声に、足を止めた。
「……人間? そんなもの、とうにやめている」
「……どうしてっ……。あなたも、あいつも……どうして、こんな酷いことが……。ぅぅ……」
女が喉を詰まらせた。
俺はそれ以上はなにも応えず、嗚咽する女に背を向け、地下室を後にした。
拷問椅子の前に立ち、表情を失った瞳で、縛り付けられたラーバンを見下ろす。
「……覚えていますか。あなたが痛めつけ、尊厳を踏みにじった少女のことを」
セーラの声は震えていた。
そっと彼女の手を取る。
その手にナイフを握らせた。
「お、おい! 誰だかしらんが、私を助けろ!」
第三者の登場にラーバンが一縷の望みを見出した。
必死になって命乞いをする。
「……明るかった、あの子のことを。天真爛漫だった私の妹……。ラミーのことを……」
「た、助けてくれ! お前、アベルの知り合いなんだろう! お前からも頼め!」
話が噛み合っていない。
それどころかラーバンは、彼女の話すら聞いていない。
「応えて下さい……。ねぇ、覚えていますか……?」
セーラはただ静かに問いかけ続けた。
それを無視して、ラーバンは命乞いをする。
「そんなことより、頼む。アベルを説得してくれ! 助けてくれたら褒美をくれてやろう! 本当だ!」
「……やっぱり、覚えても……、覚えすらも、いないんですね? あなたが壊してしまった少女のことを、覚えてすら……」
セーラがナイフを振り上げた。
俺は黙って、それを見つめる。
「……ぅぅ。……ぅあ、……うわああああああああああああああああああああっ!!」
セーラが吠えた。
頬に、肩に、腕に、腿に。
ラーバンに向けて、何度も刃を振り下ろす。
「ぎゃ!? や、やめろ、ぎゃあ! ぎゃぁあ!」
ぐさり、ぐさりと、刃が突き立てられる。
その度に鮮血が吹き出して、白かったセーラの顔を赤く染めていく。
「し、死ぬ……! それ以上は、刺すな……!」
「返して! 壊れる前のあの子を! ラミーを! 返して! 返して! 返してよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
何度も何度も、ナイフを突き刺す。
セーラは泣いていた。
俺はその姿を横目に、拷問器具を収めた場所に近づいていく。
棚から回復薬を取り出した。
この回復薬は、拷問相手を直ぐに殺してしまわないよう、ラーバンが用意したものだろう。
それが自分自身の死刑を長引かせるために使われるわけだが、まぁ自業自得としかいいようがない。
「……おい女。ここと、ここは、刺すな」
血塗れになったラーバンの、首筋と心臓を指差す。
「即死する可能性があるからな。それ以外の場所ならいくら刺してもいい。回復薬ならたくさんある」
話を聞いているのか、いないのか。
セーラは狂ったように泣き叫びながら、ラーバンを突き刺していく。
「あなたさえ! あなたさえいなければ! きっとあの子はいまも笑顔で! うぅぅ……。ぅわぁああああああああああああああああ!!」
「あ、あがっ……。や、やめ……、もうやめて……。痛い、いたいぃいいいいいい!」
悲鳴が心地よい。
浮かれた気分で、俺は拷問器具を漁る。
いいものがあった。
器具を手に取り、セーラの肩を叩く。
「女。これを使え」
「はぁ、はぁ……。ぅ、ぅう……。これは……?」
「これは指を落とす道具だろう」
この女の妹、ラミーの惨状を思い出す。
たしか左手の指が、すべて欠損していたはずだ。
それをしたのはラーバンである。
「ここだ。この輪っかに指を通して、ここを叩け。そうすれば指が千切れる」
セーラが震える手で拷問器具を受け取った。
教えた通りにラーバンの指を通す。
「ひ、ひぃぃ……。や、やめてくれぇ……」
「はっ、はっ……。こ、ここを、叩く……」
セーラは震えていた。
短く呼気を発し、大きく瞳孔を開いている。
「……どうした? はやくやれ。こいつは、お前の仇だ。妹と同じ目にあわせてやれ」
「はっ、は、はっ……、た、叩く……たた……」
ぶるぶると体を震わせながら、セーラは腕を振り上げた。
あとは腕を振り下ろすだけ。
器具を叩けば、ラーバンの指は落ちる。
「やめろぉ、やめてくれぇ……!」
「はっ、はっ、はっ、はぁっ……! ラミー! ラミー! ぅわ、ぅぁああああ!」
セーラが叫んだ。
腕が下される。
しかしその手はだらりと下がり、拷問具を叩くことはなかった。
彼女は力なくその場に崩れ落ちる。
「ぅぅ……、どうして……! どうして、こんなに酷いことができるの! こんなの人間のやることじゃない! 返して、あの子の笑顔を返してよお! どうしてよぉおおおおおおおおおおお……!」
俺は小さくため息をつき、冷めた目で泣き崩れた女をみた。
この女の恨みは、この程度か……。
ラーバンがほっと息を吐く。
その瞬間――
「ぎゃあああああああああああああああっ!?」
ぼとりと指が落ちた。
セーラに変わって、俺が器具を叩いたのだ。
「なにを安心している? ラーバン、お前の地獄は始まったばかりだろうが」
泣きながら蹲った女を立たせた。
壁際に連れて行く。
「……あとは俺がやる。お前はそこで見ていろ」
泣いたままの女は応えない。
せっかくこいつの復讐も遂げさせてやろうと思ったのに興醒めではあるが、まぁいい。
ここからは俺の復讐だ。
悶え苦しむラーバンに向き直った。
「ぐぎぎぎぎ……。た、助けてくれ……! なんでもする! た、頼む! 頼むよ!」
生き汚くなにかをさえずり続けている男に、優しく微笑みかけた。
「頭部を酸で溶かした跡。くり抜かれた目玉……」
いきなりの話に、主旨がわからないのだろう。
ラーバンが不可解な顔を見せる。
だが俺はゆっくり丁寧に、続きを言い聞かせる。
「……そぎ落とされた鼻。切り取られた舌。欠損した左の五指……」
ラーバンがはっとした。
ガタガタと震えだす。
「抉りとられた左の乳房。食い千切られた右の乳首。切り落とされた右肘。壊された生殖器。失われた両脚。……なんのことか、わかるか?」
歯をカチカチとならして、その様子は尋常ではない。
今までの命乞いとは様子が違う。
「ひ、ひぅ!? ひぁあ……! ひやぁあああ!!」
ラーバンが濡らした小便が、床を濡らした。
ついでに脱糞でもしたのか、糞の臭いがする。
「ほぅ? その様子をみると理解できたようだな。そうだ。これらはすべて、とある少女にお前がやったことだ」
「いや……、いやだぁ……」
命乞いが、すうっと心に染みいってくる。
実に晴れやかな気分だ。
「なぁラーバン、因果応報という言葉を知っているか? くくく……」
ラーバンの顔は真っ青に青ざめ、その瞳には絶望の色が浮かんでいる。
自分のなかに生まれた、愉悦以外の初めての感情に戸惑っているらしい。
「そ、そんな……? こんな……、ひょんな……!」
楽しくて仕方がない。
胸がすくような思いに、知らず識らずのうちに笑みがこぼれる。
「ふふ、ふふふふ……」
やつの耳元に、そっと唇を寄せた。
優しく囁きかける。
「そうだ……。それが、恐怖だ……」
「いやぁあああああああ! いやだあああああああああああああああああああああっ!! 助けてえええええええええ! いやだ、いやだ、いやだ、いやだぁあああああああああああああああああああ!!」
ラーバンが激しくかぶりを振る。
駄々をこねる子供のように、涙で顔をクシャクシャにし、頭髪を振り回す。
「くく……、くはは……! そうだ、ラーバン! もっと泣き喚け! 俺はお前のその顔が見たかったんだ! その声が聞きたかったんだ! だがまだだ! 本当の地獄はこれからだぞ? 死にかける度に何度でも治してやる! お前が無様に死を懇願するようになっても、何度も何度も繰り返し苦痛を与え続けてやる! さぁ宴の始まりだ! 生まれてきたことを後悔するまで、責め続けてやる! 一緒に楽しもうじゃないか! なぁラーバン! はは! あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
がちゃがちゃと金属音を鳴らし、拷問具を手にしながら、俺はラーバンを見下ろした。
地下室に死骸が転がっている。
元は聖騎士ラーバンなどと呼ばれていたそれは、もはやただの肉の塊と成り果てていた。
……復讐は遂げた。
これでようやく、ふたり。
顔に浴びた返り血を拭う。
耳にはまだ、この醜い肉塊が奏でていた絶叫のメロディが、心地よい余韻として残っている。
地下室の出口に一歩足を踏み出した。
焦燥した女の前を通りすぎる。
「……ぁなたは、本……に、人間なん、ですか?」
小さな声に、足を止めた。
「……人間? そんなもの、とうにやめている」
「……どうしてっ……。あなたも、あいつも……どうして、こんな酷いことが……。ぅぅ……」
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