四十九日のモラトリアム

私は三日前に死んだ。 
死んでからの三日間、私が何をしていたかというと、することもできることもなくただ家の前の空に浮かんでいた。 
けれど私は、私が見える人を見つけた。
ただ漂うだけだった私に、彼は協力してくれるという。

「未練があるんだろ? 手伝うよ」

何故彼はそんなことに付き合ってくれるんだろう。
わからないながらも彼との日々を過ごすうち、彼に何らかの意図があることを感じ取る。
彼が本当にしたいこと。
私の本当の未練。
そのことに気が付いたとき、モラトリアムは終わりを告げる。

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