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ガゼボにつけばロイお兄様が既に席についているのが見え、私は慌てて駆け寄る。
「ロイお兄様、お待たせしてごめんなさい。」
「俺も今来た所だから全然待っていないよ。」
ロイお兄様は立ち上がり私の椅子を引いてくれる。さりげなくエスコートしてくれるロイお兄様は12歳になり最近急に背が伸びた様に思う。剣術の練習を毎日している事もあり、細いのに筋肉がしっかりついていて、妹の私から見てもとてもカッコイイ。
二人が席に着いたタイミングでサーラがお茶を用意してくれた。
ガゼボには10人は座れそうなサイズの円形テーブルが設置されているけれど、お兄様達とお茶をする時はいつも隣り合わせで手の届く距離に座るのが決まりなの。
「ミュラ、髪に薔薇の花びらがついている。」
ロイお兄様の手が頬を微かに撫で、ゆっくり耳へつたい髪をサラリとかすめた。
「ほら、取れたよ。」
「あ、ありがとう」
ロイお兄様に間近で微笑まれて少し照れてしまう。
「ミュラは今日も庭で花の観察をしていたの?」
「えぇ、薔薇がとっても綺麗だったわ。そういえば、新しい庭師の方にお会いしたの。ポールさんっていう方でね、ロイお兄様はお会いした事ある?」
「ポール?まだ会った事はないな。」
「ロイお兄様より少し年上の方で、とっても緊張されていたわ。ふふふ、声が大きくてね、元気な方だったの。」
「ふぅん。」
ロイお兄様は右手で頬杖をついてこちらをじっと見たまま、左手の人差し指でおもむろに私の唇をプニッと押した。
「ふにゅっ?!」
「ぷっ、変な声。」
あははと笑うロイお兄様の笑顔も色気があって美しい。むぅ、イケメンってずるい。
「ロ…ロイお兄様が急に唇を押さえるからっ」
ぷくっと頬を膨らませて怒ってみれば、ロイお兄様は頭を撫でてくれる。
「ごめんごめん、ちょっとヤキモチ焼いた。」
「ヤキモチ?どうして?」
「俺と一緒に居るのに、ミュラが他の男の話をするからだよ。」
スッと真剣な目で見つめられると一瞬ドキリとするけど、これはいつもの冗談だと解ってる。
「もぅ、ロイお兄様ったら、また私をからかってるのね。」
「怒った顔のミュラも可愛い。」
ロイお兄様含め、カイ兄様もラナンお兄様も、からかって私の反応を楽しんでるふちがある。少し年の離れた妹だから面白いのかもしれない。
基本的にはいつも優しいお兄様達だから、私は大好きなんだけどね。
「ほら、機嫌直して。」
ロイお兄様はチュッと頬に唇を落とす。
「ふふ、怒ってないわ。ロイお兄様大好き。」
チュッ、と私からも頬へキスする。
これがいつもお決まりのパターン。
「俺はミュラが思ってるよりずっとミュラの事が好きだよ。」
今度は首筋にキスをされ、ピクリとしてしまう。
「やっ…ふふふ、ロイお兄様くすぐったい。」
お兄様達が首や耳にキスしてくるとどうしてもくすぐったくて笑ってしまう。思わず手でロイお兄様の体を押して逃れようとするも、手を絡められ、抱き締められるような形になってしまう。
「くすぐってんの。」
チュッ、チュッ、キスされながら首元で喋られると余計くすぐったい。
「ひゃぁ…そこで喋らないでぇ。もぉ、ふふ…降参だからっ…。」
「俺の勝ち。」
最後にもう一度頬にチュッとキスされて、やっとロイお兄様が解放してくれた。
ニヤリと笑う顔はいつも通りで、ちょっと意地悪。
…ガサガサッ!!
その時、ガゼボの脇の木陰から急に音がした。
「ロイお兄様、お待たせしてごめんなさい。」
「俺も今来た所だから全然待っていないよ。」
ロイお兄様は立ち上がり私の椅子を引いてくれる。さりげなくエスコートしてくれるロイお兄様は12歳になり最近急に背が伸びた様に思う。剣術の練習を毎日している事もあり、細いのに筋肉がしっかりついていて、妹の私から見てもとてもカッコイイ。
二人が席に着いたタイミングでサーラがお茶を用意してくれた。
ガゼボには10人は座れそうなサイズの円形テーブルが設置されているけれど、お兄様達とお茶をする時はいつも隣り合わせで手の届く距離に座るのが決まりなの。
「ミュラ、髪に薔薇の花びらがついている。」
ロイお兄様の手が頬を微かに撫で、ゆっくり耳へつたい髪をサラリとかすめた。
「ほら、取れたよ。」
「あ、ありがとう」
ロイお兄様に間近で微笑まれて少し照れてしまう。
「ミュラは今日も庭で花の観察をしていたの?」
「えぇ、薔薇がとっても綺麗だったわ。そういえば、新しい庭師の方にお会いしたの。ポールさんっていう方でね、ロイお兄様はお会いした事ある?」
「ポール?まだ会った事はないな。」
「ロイお兄様より少し年上の方で、とっても緊張されていたわ。ふふふ、声が大きくてね、元気な方だったの。」
「ふぅん。」
ロイお兄様は右手で頬杖をついてこちらをじっと見たまま、左手の人差し指でおもむろに私の唇をプニッと押した。
「ふにゅっ?!」
「ぷっ、変な声。」
あははと笑うロイお兄様の笑顔も色気があって美しい。むぅ、イケメンってずるい。
「ロ…ロイお兄様が急に唇を押さえるからっ」
ぷくっと頬を膨らませて怒ってみれば、ロイお兄様は頭を撫でてくれる。
「ごめんごめん、ちょっとヤキモチ焼いた。」
「ヤキモチ?どうして?」
「俺と一緒に居るのに、ミュラが他の男の話をするからだよ。」
スッと真剣な目で見つめられると一瞬ドキリとするけど、これはいつもの冗談だと解ってる。
「もぅ、ロイお兄様ったら、また私をからかってるのね。」
「怒った顔のミュラも可愛い。」
ロイお兄様含め、カイ兄様もラナンお兄様も、からかって私の反応を楽しんでるふちがある。少し年の離れた妹だから面白いのかもしれない。
基本的にはいつも優しいお兄様達だから、私は大好きなんだけどね。
「ほら、機嫌直して。」
ロイお兄様はチュッと頬に唇を落とす。
「ふふ、怒ってないわ。ロイお兄様大好き。」
チュッ、と私からも頬へキスする。
これがいつもお決まりのパターン。
「俺はミュラが思ってるよりずっとミュラの事が好きだよ。」
今度は首筋にキスをされ、ピクリとしてしまう。
「やっ…ふふふ、ロイお兄様くすぐったい。」
お兄様達が首や耳にキスしてくるとどうしてもくすぐったくて笑ってしまう。思わず手でロイお兄様の体を押して逃れようとするも、手を絡められ、抱き締められるような形になってしまう。
「くすぐってんの。」
チュッ、チュッ、キスされながら首元で喋られると余計くすぐったい。
「ひゃぁ…そこで喋らないでぇ。もぉ、ふふ…降参だからっ…。」
「俺の勝ち。」
最後にもう一度頬にチュッとキスされて、やっとロイお兄様が解放してくれた。
ニヤリと笑う顔はいつも通りで、ちょっと意地悪。
…ガサガサッ!!
その時、ガゼボの脇の木陰から急に音がした。
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