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100.【ミュラ8歳】~クロノスside~
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「ミュラ、こうだ。魔力の流れが分かるか?」
「うぅ~ん…??」
王宮で魔法の練習を始めて2年、8歳になったミュラは未だに魔法を上手く扱えていなかった。魔力は高く素質は十分あるのだが、無意識に魔法を使っている為、意識して使おうとすると上手くいかないようだった。
王宮からの帰り道「2年間も教えて貰っているのに…」と涙目になってしまったミュラを見かねて、今日はシラー侯爵家の所有する魔法の練習場で個別授業をしている。
ドーム型の室内練習場で、建物全体に魔法が施されている為、万が一魔法が暴発しても被害が出る事はない。
「俺が魔力を流すから感じ取ってみて。」
俺はミュラの手を取り、少しずつ魔力を流し込む。
「なんとなく…分かるような分からないような…。ごめんなさい。」
申し訳無さそうに眉を下げ、ミュラはしょんぼりと肩を落としてしまう。
「密着すれば、もっと魔力の流れが分かりやすい。こっち来て。」
ミュラの手を取りソファーへと促す。
俺の股の間にミュラを座らせ、後ろから覆い被さるように抱き締めた。
「え?あの…この体勢で??」
オロオロとするミュラにはお構い無しで、俺はギュッと抱き締める手に力を込めた。脱け出せないと諦めたのか、ミュラは大人しく俺の腕の中に居る。
「ほら、これなら分かるか?」
そのままの体勢で、少しずつ魔力を注いでいく。
「う、うん…。身体の中にじんわり暖かい魔力が流れてくるのを感じる。」
後ろから抱き締めたミュラの耳は赤く、照れているのが分かる。
「じゃあ、魔力の色は分かるか?」
「色…?えーっと…??」
「怒らないから正直に答えていい。」
「わかりません…。」
しょんぼりと泣きそうなミュラ。
ミュラの喜怒哀楽はすごく分かりやすい。感情が表情や声色に全て表れる。怒っている所は今まで見たことはないけれど。
「じゃあ、もっと分かりやすくしてやる。」
ミュラの髪をかき上げ耳とうなじを露にさせれば、そこへキスを落とした。
「ひゃっ!クロノス様?!」
「静かに。魔力の流れに集中して。」
抱き締めたままうなじや首筋にチュッチュッとキスを続ければ、「あっ…」と声を漏らすミュラに愛しさがこみ上げる。
「…分かるか?」
「わ…わかんないっ…」
プルプルと震えるミュラの耳をパクりと口に含み舌を這わせる。
「…これは?」
「やぁ…。クロノス様…恥ずかしくて…集中っ…できなっ…」
あまりにも可愛い反応に、このまま続けたら俺がヤバイなと思い腕の力を弱めた。
身動きが取れるようになったミュラは、涙目でこちらをキッと睨み付ける仕草をするが、愛らしいだけで全然怖くない。むしろ、ミュラの怒った所を初めて見たなぁと嬉しさすら感じていた。
「クロノス様、からかってるんでしょう?」
顔を真っ赤にさせて涙目で見上げる仕草は、男を喜ばせるだけだと思うな。
俺は笑いながら涙をペロリと舐めとれば「もぉーっ!」とプンプン怒っていたが、やっぱりミュラは可愛らしい。
「からかってなんかいないよ。これが練習だ。少しは魔力の流れも分かっただろ?」
「そ…そうだけど…。」
「じゃあ、もう一回。」
「え?!」
「今日は魔力の色が分かるまで特訓な。」
逃げ出そうとするミュラを腕の中に捕まえて、俺はまた耳や首筋にキスを再開した。
吐息を漏らすミュラが可愛くて、愛しくて…
ちょっとばかり暴走してしまいキスマークをうなじに残してしまった為、後日ロイに殴られたのは仕方のない事だと思う。
「うぅ~ん…??」
王宮で魔法の練習を始めて2年、8歳になったミュラは未だに魔法を上手く扱えていなかった。魔力は高く素質は十分あるのだが、無意識に魔法を使っている為、意識して使おうとすると上手くいかないようだった。
王宮からの帰り道「2年間も教えて貰っているのに…」と涙目になってしまったミュラを見かねて、今日はシラー侯爵家の所有する魔法の練習場で個別授業をしている。
ドーム型の室内練習場で、建物全体に魔法が施されている為、万が一魔法が暴発しても被害が出る事はない。
「俺が魔力を流すから感じ取ってみて。」
俺はミュラの手を取り、少しずつ魔力を流し込む。
「なんとなく…分かるような分からないような…。ごめんなさい。」
申し訳無さそうに眉を下げ、ミュラはしょんぼりと肩を落としてしまう。
「密着すれば、もっと魔力の流れが分かりやすい。こっち来て。」
ミュラの手を取りソファーへと促す。
俺の股の間にミュラを座らせ、後ろから覆い被さるように抱き締めた。
「え?あの…この体勢で??」
オロオロとするミュラにはお構い無しで、俺はギュッと抱き締める手に力を込めた。脱け出せないと諦めたのか、ミュラは大人しく俺の腕の中に居る。
「ほら、これなら分かるか?」
そのままの体勢で、少しずつ魔力を注いでいく。
「う、うん…。身体の中にじんわり暖かい魔力が流れてくるのを感じる。」
後ろから抱き締めたミュラの耳は赤く、照れているのが分かる。
「じゃあ、魔力の色は分かるか?」
「色…?えーっと…??」
「怒らないから正直に答えていい。」
「わかりません…。」
しょんぼりと泣きそうなミュラ。
ミュラの喜怒哀楽はすごく分かりやすい。感情が表情や声色に全て表れる。怒っている所は今まで見たことはないけれど。
「じゃあ、もっと分かりやすくしてやる。」
ミュラの髪をかき上げ耳とうなじを露にさせれば、そこへキスを落とした。
「ひゃっ!クロノス様?!」
「静かに。魔力の流れに集中して。」
抱き締めたままうなじや首筋にチュッチュッとキスを続ければ、「あっ…」と声を漏らすミュラに愛しさがこみ上げる。
「…分かるか?」
「わ…わかんないっ…」
プルプルと震えるミュラの耳をパクりと口に含み舌を這わせる。
「…これは?」
「やぁ…。クロノス様…恥ずかしくて…集中っ…できなっ…」
あまりにも可愛い反応に、このまま続けたら俺がヤバイなと思い腕の力を弱めた。
身動きが取れるようになったミュラは、涙目でこちらをキッと睨み付ける仕草をするが、愛らしいだけで全然怖くない。むしろ、ミュラの怒った所を初めて見たなぁと嬉しさすら感じていた。
「クロノス様、からかってるんでしょう?」
顔を真っ赤にさせて涙目で見上げる仕草は、男を喜ばせるだけだと思うな。
俺は笑いながら涙をペロリと舐めとれば「もぉーっ!」とプンプン怒っていたが、やっぱりミュラは可愛らしい。
「からかってなんかいないよ。これが練習だ。少しは魔力の流れも分かっただろ?」
「そ…そうだけど…。」
「じゃあ、もう一回。」
「え?!」
「今日は魔力の色が分かるまで特訓な。」
逃げ出そうとするミュラを腕の中に捕まえて、俺はまた耳や首筋にキスを再開した。
吐息を漏らすミュラが可愛くて、愛しくて…
ちょっとばかり暴走してしまいキスマークをうなじに残してしまった為、後日ロイに殴られたのは仕方のない事だと思う。
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