【R18】101回目の転生~天然無自覚少女は溺愛に気付かない~

しろ

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124.私の好きな人

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深夜、ようやく一人になれた私はベッドの上で今日の出来事を思い返していた。

セムヤ様が元神様だなんて話、普通に考えたら到底受け入れられない真実だろう。けれど、私は驚く程すんなり受け入れていた。

だって、セムヤ様が話した3回目の人生の話も合っていたし…101回目というこの状況を言い当てられるのなんて神様か死神しかいないんじゃないかしら…。

正直、過去100回の人生の事は私の中で『終わった事』で、なぜ神様が助けてくれなかったのかと責める気はこれっぽっちも無い。
それよりも、死ぬ間際に願った思いが叶えられ、過去の私の両親達が幸せに暮らせた事に安堵さえ感じていた。ずっと気になっていたから…。

それに、101回目の今回の事についても凄く理解できた。あまりに出来すぎた今回の人生は、やっぱり違和感があったから…。今までの反動で過剰なボーナスがついているって事だもんね…だから…みんなが私を好きになってくれた…。

その事実にズキッと心の奥が痛む。

ずっと恐れていた死の恐怖が無くなったのに、私はそれよりもみんなの愛情が『操作されたものかもしれない』という事の方が何倍もショックだった。
ショックというか…こんな私を好きになってくれるなんてやっぱり『そういう理由』があったのねって納得する反面、本当の私を好きになってくれる人なんて誰もいないんじゃないかな…なんて虚しさが心を冷たくしていた。

『ミュラは他の人の愛情を信じられるの?だってその気持ちは操作されたものかもしれないんだよ?』
セムヤ様の言葉が頭の中で繰り返される。


「×××の気持ちも…そうなのかな?」
口に出してしまったら途端に涙が溢れる。

セムヤ様に会いに行く前、もしかしたら死神で、私は今日死んでしまうかもしれないと心のどこかで覚悟していた。その時、思い浮かべたのが×××の顔だった。

×××に会いたい。一緒にいたい。
今さらこんな気持ちに気付くなんて…。



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いつもありがとうございます。
次回より分岐し、各キャラのエンドに進みます。

よろしくお願いします。

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