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149.~アレスEND~1
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*124.私の好きな人 の続きからのお話です。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・
「あっ…んっ…。はぁ…ぁっん…」
「ミュラ、んっ、愛してる…」
漏れる吐息。シーツの擦れる音。
クチュクチュと響くリップ音。
私は今、食べられている。
***
ことの始まりは、私が自分の気持ちを自覚した翌日のこと。
「やっぱり、アレス様にはきちんとお断りしなくちゃ…。」
アレス様は現在23歳。
本来なら結婚している年齢なのに、ずっと私を待っていてくれる。私もできればアレス様の隣でこの先の未来を歩みたい。だけど…こんなおかしな転生を繰り返してる私なんかがアレス様の奥さんだなんて…。
アレス様の奥さんって事は、ゆくゆくは王妃様のポジションになる。そんな重要なポジションに私なんかがなれる訳ない。
今回の人生では短命じゃないみたいだけど…今まで平均寿命が6歳程度だった私には、未来への自信がなかった。
アレス様のお気持ちも…本当かどうかわからないし…。
もし、魅了魔法的な何かでアレス様を操っていたら…。そんなの王子様に対して許される訳ないわ。
……あれ、これって死亡フラグってやつじゃないのかしら?!どうしよう!
「一刻も早く、アレス様に全てをお話して謝罪しなければいけないわね…。」
震える手をギュッと握り、私はアレス様に面会のお時間をいただけるようペンを取った。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・
翌日、私は早速王宮へと足を運んでいた。
馬車の中で、王宮に向かうのもこれが最後なのかもしれないと思うと、なんだか感慨深いものがある。
思わずウルッと涙が込み上げてきてしまい、護衛として同乗していたハイド様に心配をかけてしまった。
いけない、いけない。今日は泣かずにちゃんと説明しなくちゃ。
よしっ!と気合いを入れてアレス様のお部屋に入るやいなや、アレス様は私をギュッと抱き締めてくれる。
「ミュラ!会えて嬉しいっ!先日の誕生パーティーでは様子がおかしかったから心配していたんだよ?」
「アレス様…。急なお願いだったのに、ありがとうございます。先日はご心配おかけしてすみません。」
「ミュラの為ならいつでも最優先で予定を空けるよ。さぁ、こちらへ座って。」
アレス様は腰に手を回し、ソファーへと案内してくれる。テーブルには予めスイーツが沢山用意されており、着席すると同時に侍女の方がお茶をだしてくれた。
ティーセットを終えると、侍女やアレス様の護衛の方々も退出される。二人きりになった空間にドキドキしていると、アレス様は優しく微笑んだ。
「今日は何か重要な話があるんだろう?二人きりだから、遠慮せずに話して欲しい。」
広いソファーに膝がつくほど密着して座り、掌を優しく包み込まれる。
間近で視線が絡み合い私は目をそらすことができない。
「アレス様…。私、何度も転生しているんです。」
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「あっ…んっ…。はぁ…ぁっん…」
「ミュラ、んっ、愛してる…」
漏れる吐息。シーツの擦れる音。
クチュクチュと響くリップ音。
私は今、食べられている。
***
ことの始まりは、私が自分の気持ちを自覚した翌日のこと。
「やっぱり、アレス様にはきちんとお断りしなくちゃ…。」
アレス様は現在23歳。
本来なら結婚している年齢なのに、ずっと私を待っていてくれる。私もできればアレス様の隣でこの先の未来を歩みたい。だけど…こんなおかしな転生を繰り返してる私なんかがアレス様の奥さんだなんて…。
アレス様の奥さんって事は、ゆくゆくは王妃様のポジションになる。そんな重要なポジションに私なんかがなれる訳ない。
今回の人生では短命じゃないみたいだけど…今まで平均寿命が6歳程度だった私には、未来への自信がなかった。
アレス様のお気持ちも…本当かどうかわからないし…。
もし、魅了魔法的な何かでアレス様を操っていたら…。そんなの王子様に対して許される訳ないわ。
……あれ、これって死亡フラグってやつじゃないのかしら?!どうしよう!
「一刻も早く、アレス様に全てをお話して謝罪しなければいけないわね…。」
震える手をギュッと握り、私はアレス様に面会のお時間をいただけるようペンを取った。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・
翌日、私は早速王宮へと足を運んでいた。
馬車の中で、王宮に向かうのもこれが最後なのかもしれないと思うと、なんだか感慨深いものがある。
思わずウルッと涙が込み上げてきてしまい、護衛として同乗していたハイド様に心配をかけてしまった。
いけない、いけない。今日は泣かずにちゃんと説明しなくちゃ。
よしっ!と気合いを入れてアレス様のお部屋に入るやいなや、アレス様は私をギュッと抱き締めてくれる。
「ミュラ!会えて嬉しいっ!先日の誕生パーティーでは様子がおかしかったから心配していたんだよ?」
「アレス様…。急なお願いだったのに、ありがとうございます。先日はご心配おかけしてすみません。」
「ミュラの為ならいつでも最優先で予定を空けるよ。さぁ、こちらへ座って。」
アレス様は腰に手を回し、ソファーへと案内してくれる。テーブルには予めスイーツが沢山用意されており、着席すると同時に侍女の方がお茶をだしてくれた。
ティーセットを終えると、侍女やアレス様の護衛の方々も退出される。二人きりになった空間にドキドキしていると、アレス様は優しく微笑んだ。
「今日は何か重要な話があるんだろう?二人きりだから、遠慮せずに話して欲しい。」
広いソファーに膝がつくほど密着して座り、掌を優しく包み込まれる。
間近で視線が絡み合い私は目をそらすことができない。
「アレス様…。私、何度も転生しているんです。」
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