【R18】101回目の転生~天然無自覚少女は溺愛に気付かない~

しろ

文字の大きさ
171 / 177

165.~メリーEND~

しおりを挟む
164.◆~ディオスEND~3の続きのお話です
ーーーーーーーーーーーーーー・・・

《メリーside》

ディオスとミュラちゃんの婚約が成立した。

表向きはディオスとミュラちゃんが夫婦となるけれど、私達は毎日のように3人で愛し合っている。

同性の婚姻が認められているけれど、ミュラちゃんにより良い環境を用意してあげられるように、いずれナヴァル公爵家を継ぐディオスに配偶者の座を譲ってあげたのだった。


「メリーお嬢様、ラナン様がお見えになっておりますが…いかがなさいますか?」

「ラナンが?…あのシスコン…また抗議に来たのかしら?」

ミュラを溺愛する周りからの反発は凄いもので……シスコン三兄弟はミュラちゃんをロレイル公爵家に監禁しようとするし、アレス王子様は何かにつけてミュラちゃんを王宮に呼びつけて隙あらば口説いているし…他の人達からの攻撃もすごい。



応接間に行くと、美しい所作で紅茶を飲むラナンが居た。
こうして見ると天使のようで清らかな良い男に見えるのに、実際はシスコン執着野郎なんだものね…。

「お待たせ。今日はどういったお話?」

「突然ごめんね。今日はメリーに提案があって来たんだ」

「提案?ミュラちゃんの事なら渡さないわよ」

「メリー、僕と結婚しない?」

ニッコリと笑みを浮かべる顔は美しくて、他の女の子なら歓喜する所だろう。

「はぁ?意味わかんない。別に私の事好きでも何でも無いでしょ?冗談でも笑えない」

「勿論。僕はミュリィしか愛してない。ミュリィを拐って閉じ込めてしまいたいっていつも思っているし、ディオスには消えて欲しいとも思ってる」

綺麗な笑顔でサラリと言ってのける姿は狂気に満ちている。
シスコン三兄弟の内、ラナンが一番ヤバい気がするのよね。カインはああ見えて他者に対する礼儀は弁えているし、一般常識も持ち合わせている。
ところが目の前にいるこの男はどうか…。
ラナンは自分の欲望とミュラちゃんの為なら躊躇せず何でもしそうな所が怖い。

「それなのに何で私に求婚するの?」

「ミュリィの側に居る為だよ。ミュリィがディオスとの婚姻を望むかぎり僕も強い態度を取りきれない。メリーもミュリィが好きで他の人と婚姻するつもりは無いだろう?でも僕達は貴族だ。ずっと独り身という訳にもいかないだろう?」

「それは…そうだけど…」

「僕は三男だから婿養子にいける。そしたらミュリィとはまた家族でいられる。メリーも他家に嫁いで家を出る必要が無い。Win-Winだと思わない?」

「ラナンが婿養子に来たからって、ディオスも私もミュラちゃんを共有するつもりは無いわよ?」

「ふふ、そこは僕自身が頑張るよ」

何を頑張るんだか…。
天使の様な見た目に反し、悪魔の様な腹黒いラナンをナヴァル公爵家に招き入れるのはどうなのか…。ミュラちゃんに危険が及ぶ可能性が高いんじゃないかしら…。

「私にはあまり得が無いように思うわ」

「メリーは、ミュリィとの子供が欲しくない?」

「え?それは…」
欲しいけれど…。
魔法薬でミュラちゃんに私の子供を産んでもらう事もできる。勿論その逆も可能だけれど…。どちらにしても、今の状況ではディオスとミュラちゃんの子供として届出することになるだろう。

「ミュリィに魔法薬を飲んで貰って、メリーが子を成せば…表向きは僕との子供だって公表できる。僕とミュリィは兄妹だからね、容姿も僕と似た子供が産まれるだろう。僕はミュリィの血が流れる子供なら大切に愛し育てる自信があるよ。あぁ、勿論僕の子供になるんだから、子作りには立ち会わせてもらうからね」

この男は…本当にどうかしてるわ…

こんな悪魔との契約に頷くべきじゃないんだけど……

「いいわ…。結婚しましょう」

「メリーが頭の良い人で助かるよ。契約成立だ」

差し出された手をとり、悪魔と握手をかわす。


あぁ…ディオスが知ったら怒るだろうなぁ。

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...