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同期の話
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私は木瀬さんに電話をした。
「夜遅くにすみません。」
『いや、どうした?』
「彼女の元カレから連絡がありました。」
『そう。』
木瀬さんは予想していたかのようだ。
『彼は何て?』
「会って話をして誤解を解きたいと。
悪足掻きをしたいみたいです。」
『だろうね。
俺が彼の立場であってもそうしていたと思うよ。』
彼を擁護するかの返事に私は驚いた。
『明日の朝8時、羽田空港のスターライトカフェで待っていると伝えてくれる?』
「いいん、ですか?」
もしかすると、貴方が敗者になるかもしれないのに。
そんなことはないとは思うけど、世の中100%大丈夫なんてことはありえない。
『うん。
もしこれで俺が彼女に振られるようなら俺はそれだけの男だったって事だ。』
木瀬さんの言葉はあっさりしていた。
「木瀬さん…。」
『彼女ね、怒ると一方的に話をするの。
全然会話にならなくて、相手の言葉は耳に入らないの。
あの水曜日も彼女の一方的な発言で終わったし、多分別れるときも彼女が言いたいことを言って終わったんじゃないかな。
だから、彼にチャンスをあげてもいいよ。
…簡単には渡さないけどね。』
それだけ言うってことは勝つ自信があるのか。
「ありがとうございます。」
『明日の朝、報告を楽しみにしてて。』
私はすぐに御曹司に電話をした。
「明日の朝8時。
羽田のスターライトカフェで、だそうだけど。」
9時間後。
『わかりました。』
御曹司は即答した。
『三杉さんも来られますか?』
「ええ。」
午前休をとれば問題ないだろう。
『では、また明日、ですね。』
電話を切り、木瀬さんに報告をして私はバスルームに入った。
翌朝。
電車の中でスマホが震えた。
バッグから取り出して確認すると彼女からのLINE。
左手の写真。
薬指に指輪。
シルバーの指輪が2本交わったところに透明な石が並んでいる。
『朝起きたらついていました(苦笑)。
シルバー、ジルコニアということで高くないから安心しろと言われちゃいました。
木瀬さんが報告しろと言うので。』
一瞬見れば婚約指輪に見えなくもない。
いい虫除けになりそうだ。
「夜遅くにすみません。」
『いや、どうした?』
「彼女の元カレから連絡がありました。」
『そう。』
木瀬さんは予想していたかのようだ。
『彼は何て?』
「会って話をして誤解を解きたいと。
悪足掻きをしたいみたいです。」
『だろうね。
俺が彼の立場であってもそうしていたと思うよ。』
彼を擁護するかの返事に私は驚いた。
『明日の朝8時、羽田空港のスターライトカフェで待っていると伝えてくれる?』
「いいん、ですか?」
もしかすると、貴方が敗者になるかもしれないのに。
そんなことはないとは思うけど、世の中100%大丈夫なんてことはありえない。
『うん。
もしこれで俺が彼女に振られるようなら俺はそれだけの男だったって事だ。』
木瀬さんの言葉はあっさりしていた。
「木瀬さん…。」
『彼女ね、怒ると一方的に話をするの。
全然会話にならなくて、相手の言葉は耳に入らないの。
あの水曜日も彼女の一方的な発言で終わったし、多分別れるときも彼女が言いたいことを言って終わったんじゃないかな。
だから、彼にチャンスをあげてもいいよ。
…簡単には渡さないけどね。』
それだけ言うってことは勝つ自信があるのか。
「ありがとうございます。」
『明日の朝、報告を楽しみにしてて。』
私はすぐに御曹司に電話をした。
「明日の朝8時。
羽田のスターライトカフェで、だそうだけど。」
9時間後。
『わかりました。』
御曹司は即答した。
『三杉さんも来られますか?』
「ええ。」
午前休をとれば問題ないだろう。
『では、また明日、ですね。』
電話を切り、木瀬さんに報告をして私はバスルームに入った。
翌朝。
電車の中でスマホが震えた。
バッグから取り出して確認すると彼女からのLINE。
左手の写真。
薬指に指輪。
シルバーの指輪が2本交わったところに透明な石が並んでいる。
『朝起きたらついていました(苦笑)。
シルバー、ジルコニアということで高くないから安心しろと言われちゃいました。
木瀬さんが報告しろと言うので。』
一瞬見れば婚約指輪に見えなくもない。
いい虫除けになりそうだ。
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