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翌日、私はカイル殿下と一緒に登校していた。昨夜の出来事を思い出しながら幸せに浸っていると不意に声をかけられる。


「おはよう、フィーナ」


振り向くとそこにはカイル殿下の姿があった。


(ああ……今日もかっこいい……!)


心の中で叫びながら挨拶を返す。そのまま並んで歩いていると彼は言った。


「昨日はよく眠れたかい?」


その問いかけに私は満面の笑みで答える。


「はい! もう、最高でした!」


(だって一晩中、愛し合っていましたからね~♪)


心の中で惚気ているとカイル殿下は照れくさそうな表情を浮かべていた。そんな姿も愛おしくて堪らなかった。


(本当に幸せだなぁ……)


授業が始まるまでの時間、私はずっとカイル殿下を見つめていた。


「フィーナ、何か用があるのか?」


「えっ!? あ、いえ……何でもないです」


慌てて否定すると誤魔化すように笑みを浮かべる。


(危ないところだった~)


それから授業が始まった。


「それではこの問題を解いてみてください」


教師が指示を出すと生徒たちが一斉に手を動かし始める。私も同じように問題に取り組んだのだが、全く解けなかったのである……


(うぅ……わからないよぉ……!)


泣きそうになりながら助けを求めるようにカイル殿下の方を見ると彼は優しく微笑んでくれた。そして小さな声で教えてくれる。


「フィーナ、ここはこうして解くんだ」


「なるほど! ありがとうございます!」


(さすがカイル殿下! 頼りになるなぁ~!)


感激しながらお礼を言うと私は再び問題に取り組み始める。今度は順調に解けるようになり、無事に答えを出すことができた。


「正解です」


教師の言葉を受けてホッと息をつく。するとカイル殿下は拍手してくれた。その姿を見て胸がキュンとするのを感じるのだった……


(あぁ……かっこいい……!)


授業が終わった後もずっとカイル殿下のことを考えていた。


「フィーナ、今日は一緒に帰らないか?」


放課後、カイル殿下が誘ってくれたので喜んで承諾する。


「はい、喜んで!」


帰り道を歩きながら私たちは楽しくお喋りをした。


「そういえば、最近何か困っていることはないかい?」


「えっと……特にはないですね」


(本当はあるんだけど……恥ずかしくて言えないよぉ~!)


心の中で叫びながら誤魔化すように微笑む。するとカイル殿下は私の手を握ってくれた。そして優しい口調で言う。


「何かあったらいつでも相談してくれ」


その言葉に涙が出そうになるほどの幸福感を覚えるのであった……


「あそこのカフェでお茶しない?」


カイル殿下が提案してきた。私は喜んで頷くと彼と一緒にカフェに入ることにした。席に座って注文を決めると店員さんを呼ぶ。すると一人の女性が近づいてきた。


「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ」


「えっと……このケーキセット二つください!」


注文すると店員さんは笑顔で頷いてくれた。


「かしこまりました、少々お待ちください」


厨房に向かうのを確認してから私はカイル殿下に話しかける。


「素敵なお店ですね♪」


そう言うと彼も笑顔で答えてくれた。しばらく待っていると料理が運ばれてくる。早速、食べ始めることにしたのだった……


(美味しい~!)


あまりの美味しさに感動しながら食べているとカイル殿下が言った。


「ここのケーキはとても美味しいな」


私も同意するように頷く。それからも楽しく会話をしながら食事を終えたのだった。


「そろそろ出ようか?」


カイル殿下が立ち上がって言うので私も立ち上がる。会計を済ませた後、店を出るとそのまま帰路についた。


(はぁ……幸せすぎるよぉ~)


心の中で叫びながら歩いていると急に雨が降ってきた。慌てて近くにあったお店の屋根の下に避難することにする。


「通り雨みたいですね」


空を見上げながら言うとカイル殿下は頷いてくれた。それから私たちは雨が止むまで待つことにしたのである……


「カイル殿下、肩が濡れていますよ。こちらに来てください」


そう言って私は自分の隣を示す。すると彼は驚いた表情を浮かべた後、遠慮がちに横に座ってくれた。そして小声で話しかけてくる。


「ありがとう……助かるよ」


照れているのか頬が赤くなっていた。その姿が愛おしくて堪らない気持ちになる。


(あぁ……幸せすぎる~!)


心の中で叫びながら見つめていると視線に気づいたのかカイル殿下と目が合った。お互いに見つめ合ったまま黙ってしまう。気まずい雰囲気だったが決して嫌ではなかった。むしろ心地よいとさえ思えたのである……

しばらくして雨が止んだので私たちは帰路につくことにした。別れ道に差し掛かるとカイル殿下が声をかけてくれる。


「また明日、学園で会おう」


その言葉に胸が高鳴るのを感じた私は笑顔で答えた。


「はい! 楽しみにしています!」


(あぁ……もう帰っちゃうのか……もっと一緒にいたいなぁ)


そんなことを考えていると不意に頭を撫でられた。驚いて顔を上げるとそこには優しく微笑むカイル殿下の姿があった。その表情を見た瞬間、顔が熱くなるのを感じると同時に鼓動が激しくなる。


「それじゃあ、また……」


そう言い残してカイル殿下は帰ってしまった。その場に残された私は呆然と立ち尽くすことしかできなかったのである……


(あぁ……もうダメぇ~!)


心の中で叫びながら悶えるのだった。その日は一日中、カイル殿下のことばかり考えてしまうのであった……
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