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数週間後、いよいよ生徒会長を決める選挙が行われることになった。
「ついにこの時が来たね」
生徒会室でカイル殿下は真剣な表情を浮かべながら言った。
「はい、そうですね」
私は緊張しながら答えるとカイル殿下が微笑む。その笑顔を見るだけでドキドキしてしまう自分がいた……
(あぁ……カッコいいなぁ……!)
見惚れていると彼は私に近づいてきた。そして私の肩を抱き寄せると耳元で囁く。
「フィーナ、君のおかげでここまで来れたんだ、感謝するよ」
(ひゃうっ!?)
不意打ちだったので変な声が出てしまう……カイル殿下はクスリと笑いながら言った。
「フィーナ、君は本当に可愛いね」
(あぁ……もうダメぇ~!)
心の中で叫びながら悶えていると彼は私の頭を撫でてくれた。その優しい手つきにうっとりしていると扉を叩く音が聞こえたため返事をするとリリアナ様が入ってきた。彼女は私たちの姿を見ると一瞬だけ驚いた表情を浮かべた後、真剣な表情になって問いかける。
「何かあったんですか?」
(うぅ……どうしよう……!)
言い訳を考えていなかった私は焦ってしまうがカイル殿下は落ち着いた様子で答えた。
「いや、何も起きてないよ、それより選挙についてリリアナ嬢も聞いていると思うけど……」
「はい! 聞いてます! 私も応援してますから!」
(あぁ……リリアナ様はなんていい子なんだろう……)
感動しながら私は心の中で呟く。しかし突然、リリアナ様が私に話しかけてきたのでビクッとしてしまった。
「フィーナさん、あなたはカイル殿下の味方ですよね?」
真剣な表情で尋ねられて私は思わず頷いてしまう。すると彼女は満足そうに微笑んだ。
「良かったです、もしあなたが敵だったらどうしようかと思いました」
(あぁ……もうリリアナ様最高すぎるよぉ~!)
心の中で叫びながら悶える私をよそにリリアナ様は話を続ける。
「カイル殿下は生徒会長になった方がいいと思いますか?」
その問いかけに私は迷うことなく答えた。
「もちろん! カイル殿下にしか出来ない仕事がたくさんありますし、生徒からの信頼も厚いですから!」
(それに私の推しだし♪)
心の中で付け足すとリリアナ様はホッとした表情を浮かべる。そしてカイル殿下に向き直ると口を開いた。
「私もフィーナさんと同じ意見です、カイル殿下が生徒会長になるべきだと思います!」
(あぁ……嬉しいなぁ……!)
推しであるカイル殿下とリリアナ様から支持されて幸せすぎて死んでしまいそうだった。しかしまだ選挙は終わっていないことを思い出すと私は気を引き締める……
(よしっ! 最後まで頑張るぞ!)
心の中で自分を鼓舞すると私は二人に向かって微笑む。二人は笑顔を浮かべると私に手を振ってくれたのだった……
その後、投票の結果はカイル殿下が生徒会長になることが決定した。そのことが伝えられた瞬間、リリアナ様は嬉しそうにしているのが見えたので私も嬉しくなった。
「フィーナ」
名前を呼ばれ顔を上げるとカイル殿下が微笑んでいた。そして私の頭を撫でながら言う……
「君のおかげでここまで来れたよ、本当にありがとう」
(ひゃうっ!?)
不意打ちの発言に私は真っ赤になってしまう。それを見てカイル殿下はクスクスと笑った……
(あぁ~もうダメぇ~!)
心の中で叫びながら悶えているとリリアナ様がこちらに近づいて来た。彼女は私の手を握ると嬉しそうな表情を浮かべている。
「フィーナさん、本当にありがとう! あなたが協力してくれたおかげでここまで来ることができました!」
(あぁ……リリアナ様も可愛いなぁ……!)
そんなことを思いながらも私は笑顔で答えた。
「いえいえ、お役に立てて良かったです! それにカイル殿下のお手伝いをすることは私にとっても幸せなことなので気にしないでください!」
(あぁ……もう幸せすぎるよぉ~!)
心の中で叫びながら悶えているとカイル殿下が微笑みながら声をかけてきた。
「フィーナ、選挙に勝った記念として何かプレゼントしたいと思っているんだが何か欲しいものはあるかい?」
(えっ!? カイル殿下からのプレゼント!?)
嬉しい誤算に私は困惑する……正直、欲しいものが多すぎるのだ。
(うぅ……どれにしようかなぁ……?)
悩んでいるとリリアナ様が何か思いついたような表情を浮かべていることに気づいた。
「あの、もし良かったら三人でお出かけに行きませんか?」
(えっ!? リリアナ様も一緒なの!?)
驚いて固まっているとカイル殿下が問いかける。
「それはいい考えだね、どこに行きたいんだい?」
(あぁ……どこに行くんだろう?)
ワクワクしながら待っているとリリアナ様は笑顔で答えた。
「王都にある美味しいスイーツが食べられるお店があるんです! 一度行ってみたかったんですよね!」
(スイーツ大好き!)
心の中で叫ぶとカイル殿下が問いかける。
「ちなみに、その店はどこだい?」
(もしかしてカイル殿下もスイーツ好きなのかな?)
少し期待しながら待っているとリリアナ様が答えた。
「『魔法喫茶メルヘン』というお店です!」
(へっ!?)
予想外の名前に思わず変な声が出てしまう……その店は前世で何度も行ったことのある有名な喫茶店だったのだ。私は懐かしさを覚えながらも喜んでいる二人に尋ねる。
「本当にいいんですか……?」
(行きたい……! ものすごく行きたい!)
心の中で悶えているとカイル殿下が笑顔で答えた。
「もちろんだよ、フィーナのお祝いをしないといけないからね」
(あぁ……もうダメぇ~!)
心の中で叫びながら悶えているとリリアナ様が私の手を掴むと言った。
「では早速準備をして出かけましょう!」
(あぁ……幸せすぎるよぉ~!)
喜びを噛みしめながら私は二人に手を引かれて寮に戻ったのだった……
「ついにこの時が来たね」
生徒会室でカイル殿下は真剣な表情を浮かべながら言った。
「はい、そうですね」
私は緊張しながら答えるとカイル殿下が微笑む。その笑顔を見るだけでドキドキしてしまう自分がいた……
(あぁ……カッコいいなぁ……!)
見惚れていると彼は私に近づいてきた。そして私の肩を抱き寄せると耳元で囁く。
「フィーナ、君のおかげでここまで来れたんだ、感謝するよ」
(ひゃうっ!?)
不意打ちだったので変な声が出てしまう……カイル殿下はクスリと笑いながら言った。
「フィーナ、君は本当に可愛いね」
(あぁ……もうダメぇ~!)
心の中で叫びながら悶えていると彼は私の頭を撫でてくれた。その優しい手つきにうっとりしていると扉を叩く音が聞こえたため返事をするとリリアナ様が入ってきた。彼女は私たちの姿を見ると一瞬だけ驚いた表情を浮かべた後、真剣な表情になって問いかける。
「何かあったんですか?」
(うぅ……どうしよう……!)
言い訳を考えていなかった私は焦ってしまうがカイル殿下は落ち着いた様子で答えた。
「いや、何も起きてないよ、それより選挙についてリリアナ嬢も聞いていると思うけど……」
「はい! 聞いてます! 私も応援してますから!」
(あぁ……リリアナ様はなんていい子なんだろう……)
感動しながら私は心の中で呟く。しかし突然、リリアナ様が私に話しかけてきたのでビクッとしてしまった。
「フィーナさん、あなたはカイル殿下の味方ですよね?」
真剣な表情で尋ねられて私は思わず頷いてしまう。すると彼女は満足そうに微笑んだ。
「良かったです、もしあなたが敵だったらどうしようかと思いました」
(あぁ……もうリリアナ様最高すぎるよぉ~!)
心の中で叫びながら悶える私をよそにリリアナ様は話を続ける。
「カイル殿下は生徒会長になった方がいいと思いますか?」
その問いかけに私は迷うことなく答えた。
「もちろん! カイル殿下にしか出来ない仕事がたくさんありますし、生徒からの信頼も厚いですから!」
(それに私の推しだし♪)
心の中で付け足すとリリアナ様はホッとした表情を浮かべる。そしてカイル殿下に向き直ると口を開いた。
「私もフィーナさんと同じ意見です、カイル殿下が生徒会長になるべきだと思います!」
(あぁ……嬉しいなぁ……!)
推しであるカイル殿下とリリアナ様から支持されて幸せすぎて死んでしまいそうだった。しかしまだ選挙は終わっていないことを思い出すと私は気を引き締める……
(よしっ! 最後まで頑張るぞ!)
心の中で自分を鼓舞すると私は二人に向かって微笑む。二人は笑顔を浮かべると私に手を振ってくれたのだった……
その後、投票の結果はカイル殿下が生徒会長になることが決定した。そのことが伝えられた瞬間、リリアナ様は嬉しそうにしているのが見えたので私も嬉しくなった。
「フィーナ」
名前を呼ばれ顔を上げるとカイル殿下が微笑んでいた。そして私の頭を撫でながら言う……
「君のおかげでここまで来れたよ、本当にありがとう」
(ひゃうっ!?)
不意打ちの発言に私は真っ赤になってしまう。それを見てカイル殿下はクスクスと笑った……
(あぁ~もうダメぇ~!)
心の中で叫びながら悶えているとリリアナ様がこちらに近づいて来た。彼女は私の手を握ると嬉しそうな表情を浮かべている。
「フィーナさん、本当にありがとう! あなたが協力してくれたおかげでここまで来ることができました!」
(あぁ……リリアナ様も可愛いなぁ……!)
そんなことを思いながらも私は笑顔で答えた。
「いえいえ、お役に立てて良かったです! それにカイル殿下のお手伝いをすることは私にとっても幸せなことなので気にしないでください!」
(あぁ……もう幸せすぎるよぉ~!)
心の中で叫びながら悶えているとカイル殿下が微笑みながら声をかけてきた。
「フィーナ、選挙に勝った記念として何かプレゼントしたいと思っているんだが何か欲しいものはあるかい?」
(えっ!? カイル殿下からのプレゼント!?)
嬉しい誤算に私は困惑する……正直、欲しいものが多すぎるのだ。
(うぅ……どれにしようかなぁ……?)
悩んでいるとリリアナ様が何か思いついたような表情を浮かべていることに気づいた。
「あの、もし良かったら三人でお出かけに行きませんか?」
(えっ!? リリアナ様も一緒なの!?)
驚いて固まっているとカイル殿下が問いかける。
「それはいい考えだね、どこに行きたいんだい?」
(あぁ……どこに行くんだろう?)
ワクワクしながら待っているとリリアナ様は笑顔で答えた。
「王都にある美味しいスイーツが食べられるお店があるんです! 一度行ってみたかったんですよね!」
(スイーツ大好き!)
心の中で叫ぶとカイル殿下が問いかける。
「ちなみに、その店はどこだい?」
(もしかしてカイル殿下もスイーツ好きなのかな?)
少し期待しながら待っているとリリアナ様が答えた。
「『魔法喫茶メルヘン』というお店です!」
(へっ!?)
予想外の名前に思わず変な声が出てしまう……その店は前世で何度も行ったことのある有名な喫茶店だったのだ。私は懐かしさを覚えながらも喜んでいる二人に尋ねる。
「本当にいいんですか……?」
(行きたい……! ものすごく行きたい!)
心の中で悶えているとカイル殿下が笑顔で答えた。
「もちろんだよ、フィーナのお祝いをしないといけないからね」
(あぁ……もうダメぇ~!)
心の中で叫びながら悶えているとリリアナ様が私の手を掴むと言った。
「では早速準備をして出かけましょう!」
(あぁ……幸せすぎるよぉ~!)
喜びを噛みしめながら私は二人に手を引かれて寮に戻ったのだった……
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