「お前のような奴を聖女と認めない」と婚約破棄されましたが、侯爵令息に拾われました。

29

デートが終わった次の日、私はリリアナ様と一緒に食堂でご飯を食べていた。すると突然、リリアナ様が話しかけてきた。


「ねぇ、フィーナちゃん。あなたたちってどこまで進んだの？」


私は口に含んでいたスープを吹き出しそうになったがなんとか我慢した。そして動揺しながらも口を開いた。


「えっと……その……キスまで進みました……」


私が小さな声で答えるとリリアナ様は嬉しそうな表情を浮かべた。


「あら！ もうそこまで進んでいるのね！」


（うぅ……恥ずかしい）


私が顔を真っ赤にして俯いているとリリアナ様がルイスのことについて聞いてきた。


「ねぇ、ルイスはフィーナちゃんに何か変なことしていない？ 例えば……キス以上を求めてきたり……」


私は顔を真っ赤にしながら首を横に振った。


「べ、別になにもありません！」


（うぅ……なんでそんなこ聞いてくるんだろう……）


私が不安そうにしているとリリアナ様は安心した表情を浮かべた。そして彼女は再び口を開いた。


「それなら良かったわ」


（うぅ……絶対楽しんでるよ）


私が少し不機嫌そうにしていると、リリアナ様が私に謝ってきた。


「ごめんね、ちょっと心配になっちゃって」


私は慌てて首を振った。


「いえ、大丈夫です……」


私が俯いているとリリアナ様は私の頭を撫でながら話しかけてきた。


「フィーナちゃん、何かあったらすぐに相談してね？」


私が涙目で頷くとリリアナ様はとても嬉しそうな表情を浮かべていたのだった……


（うぅ……どうしたらキスより先に進めれるんだろう……）


私が悩んでいると隣に座っているルイスが話しかけてきた。


「どうしたの？」


私が慌てて首を横に振ると、彼は私の頰に手を押し当ててきた。


（うぅ……顔が近いよぉ）


私はドキドキしながらも平静を装った。そして勇気を振り絞って口を開いた。


「えっと……その……キスしたいなって思って……」


するとルイスは笑顔で私を見つめた。


「僕もフィーナとキスしたいよ」


（うぅ……どうしよう）


私が迷っているとルイスは少し意地悪そうな笑みを浮かべた。


「フィーナはどうして欲しいのかな？」


私は顔を真っ赤にして俯いてしまった。


（うぅ……恥ずかしいよぉ）


私が黙って俯いていると、ルイスは私の頭を掴んで無理矢理上を向かせた。そして彼は真剣な眼差しで私を見つめながら言った。


「ちゃんと言えたらキスしてあげるよ」


（うぅ……こうなったらもうヤケクソだ！）


私は覚悟を決めると口を開いた。


「ぼ、私とキスしてください……」


（言っちゃった！）


私が恥ずかしさに悶えているとルイスが真剣な表情で顔を近づけてきた。


（うぅ……まだ心の準備が……）


私が目を閉じようとした瞬間、私の唇に何かが触れた。


（え！？）


驚いて目を開くと目の前にはルイスの顔があった。そして私は彼の唇で自分の唇が塞がれていることに気づいた。


（え？ もしかして今キスされてるの！？）


私が混乱していると、ルイスはゆっくりと唇を離してくれた。そして彼は微笑みながら言った。


「僕の勝ちだね」


（うぅ……ずるいよぉ！）


私が涙目で睨んでいると彼は嬉しそうに微笑んでいた。


「フィーナのそういうところ、本当に可愛いね」


（うぅ……またからかわれてる気がする……）


私が頰を膨らませているとルイスは私の頭を撫でてきた。


「ほら、機嫌直して」


（うぅ……ずるい！）


私は涙目になりながらもコクリと首を縦に振ったのだった……


「今日もフィーナは可愛いね」


今日も私はルイスにからかわれていた。


（うぅ……もう！）


私が頰を膨らませて睨むと、ルイスは微笑みながら口を開いた。


「ほら、機嫌直して」


（うぅ……またバカにされてる気がする……）


私が睨みつけていると、彼は私の耳元に顔を近づけてきた。そして彼は優しい声で呟いた。


「好きだよ」


（ひゃあ！）


突然囁かれた言葉に私は変な声をあげてしまった。するとルイスはクスクス笑いながら言葉を続けてきた。


「フィーナは本当に可愛いね」


（うぅ……ずるい！）


私が涙目で睨むと、ルイスは意地悪そうな笑みを浮かべていた。


「ほら、機嫌直して」


（うぅ……またからかってる！）


私が頰を膨らませているとルイスが私の顔を覗き込んできた。


「僕の勝ちだね」


（うぅ……また負けたぁ）


私が涙目で睨むと、彼は私を抱き寄せて唇を重ねてきた。そして私たちは見つめ合うともう一度唇を重ねたのだった……