追放された暗殺者は田舎でスローライフしていたらいつの間にか英雄になってました

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それからしばらく進み、森の奥に遺跡を発見する。


「あの遺跡から魔物が出てくるのか」


「でも、入り口はここだけみたいだし……」


討伐隊のメンバーたちが話し合っている。しかし俺には、この遺跡の中に何か邪悪なものを感じ取っていた……。


「フィーナ、何か嫌な予感がするから先に戻っていてくれ」


「う、うん……わかったわ……」


フィーナは素直に俺の言葉に従い去っていく。俺はそれを見送ると、遺跡の中に入った……。


「クロウ君、気をつけるんだぞ！」


「ああ、わかってるよ」


俺は遺跡の中を探索する。すると奥の方に地下へ続く階段を見つけた。俺は慎重に階段を降りていく……。


（やっぱり何かおかしいな……）


階段を降りると、そこは広い空間になっていた。そして奥には扉が見える。お宝があるかもしれないと思い、俺は扉に向かって歩き始めた。するとその時だ……。


「ようこそ私の城へ」


突然背後から声をかけられる。振り返るとそこには漆黒のローブを着た男が立っていた……。


「お前は誰だ？」


「私は魔王軍の幹部の一人、ダークエルフのノワールだ」


ノワールと名乗る男は、ニヤリと笑みを浮かべる。そして次の瞬間……。


「死ね！」


ノワールは漆黒の刃を手に襲いかかってきた！


「影の型、一式【影纏】」


俺は自らの体に影を纏わせることで防御力を高める。そしてそのままノワールの攻撃を防いだ……！


「ほぅ……なかなかやるようだな」


ノワールは一旦距離を取ると、今度は魔法を使って攻撃してきた。しかし俺も負けていない。魔法を跳ね返し反撃する！


「ハアッ！」


「くっ……」


ノワールはとっさに防御したが、直撃を避けきれずダメージを受けたようだ。


「なかなかやるな……しかし！」


ノワールは再び俺に攻撃を仕掛けてくる。俺はそれを躱すと、今度はこちらから攻撃した。


「ハアッ！」


俺の一撃がノワールの腹部に直撃する！ しかし次の瞬間、ノワールの姿が消えたかと思うと、俺の背後に現れたのだ！


「何っ！？」


俺は慌てて距離を取る。するとノワールは楽しげに笑い始めた。


「お前、面白いな……気に入ったぞ」


「……っ！」


俺の直感が警鐘を鳴らす。俺は剣を構えたまま奴の出方を伺った……。


（まずいな……このままだとジリ貧だ）


そう思った時、再びノワールの姿が消えた……！ 次の瞬間、俺の背後から声が聞こえてきたのだ！


「ハアッ！！」


「ぐっ！？」


背中に激しい痛みが走る……！ 振り返る余裕もなく、俺は奴の刃に刺されてしまった。


「あっけないな、守人様」


ノワールがニヤリと笑みを浮かべる。俺は膝をつくと、そのまま倒れてしまった……。


「影の型、六式【影人形】」


「なっ……！？」


ノワールの体に影で出来た人形がまとわりつく！ そしてそのまま壁に叩きつけたのだった……。


「くっ……なんだこれは……！？」


「俺の身代わりだ」


俺は立ち上がりながら言う。そして奴の元へゆっくりと近づいた。


「く、来るな……！」


ノワールは怯えたように叫ぶ。しかし俺は構わず近づいていった。そして……。


「ひっ……」


俺は奴の心臓に剣を突き刺したのだった……！


「ごはっ……」


ノワールは吐血する。そしてそのまま息絶えた……。


「ふぅ……」


俺は一息つくと、ノワールの死体を影に取り込み、式神として再構成する。


「ご主人様♡」


ノワールは女として再生されていた。彼女は俺を見つけると、嬉しそうに駆け寄ってきた。


「えへへ、ご主人様ぁ……♡」


「ノワール……」


俺は苦笑しながらも、彼女を優しく抱きしめたのだった……。


（これで残るはあと一人か……）


俺は心の中で呟くと、遺跡を後にし村へ帰ることにしたのだった……。