恋の終わらせ方

毛蟹

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高梨は言いながら、どんどんしどろもどろになっていく。
彼は基本的に、こういった人の身体つきに対して、何か言ったりすることはない。
風俗に行ったとオープンに話す同僚にも、不愉快そうな顔で見ていたり。聞かれても意図して話しに絶対に入らないようにしている節がある。

「男ってこういう時期って、酷い理由で女子をからかったりするんだ」

高梨がそんな事を言うようにはとても思えない。

「高梨くんは?」
「やっていい事と悪い事の区別はできてるよ。最低最悪だろ。話しを聞いていても気分が悪い」

自分の事のように高梨は怒ってくれた。それだけで、あの時の私は少しだけ救われたような気がする。
もしも、庇ってくれたのが高梨だったら、ここまで想いを募らせる事はなかったのかもしれない。

あの時は、何もかも全てが嫌だったけれど。

誰も私を助けてはくれない。助けてくれたのは正己だけだった。だから見捨てられるのが怖い。
いまだに彼が離れていく事を考えると、少しだけ怖くなるのだ。
もしかしたら、誰にも受け入れて貰えない。馬鹿にされる。と、本能的に思っているのかもしれない。

「ありがとう」
「そこらからずっと好きってことね。だけど、向こうはつけあがりすぎてるよ」

しかし、正己を咎める事を高梨は言い出す。

「そうかな?」
「色々、由寿さんに失礼な事してるだろ。言いたくないなら言わなくていいけど」
「約束をすっぽかされたりはたまに」

過去に、雨が降ってるからと、約束の場所に来なくて1時間近く待たされた事があった。もちろん、連絡はなかった。

「どうせ、雨が降るからやめる。とかそんな理由でだろ?」

それは、過去に経験した事だ。彼はなぜ知っているのだろう。エスパーか何かだろうか。

「どうしてわかるの?」
「勘。僕からとやかく言う事はしないけど、疲れない?」

正己から、一方的に何か言いつけられるとたまに疲れることがある。今回は、初めて頭を悩ませる事になってしまったけれど。

「少しだけ」
「こんな失礼な事してるの由寿さんだけだよ。このまま付き合い続けたら、どんどん疲れていくと思うよ」
「かもしれないわね」

高梨の言うとおりだった。最近は、彼の無茶苦茶さに少しだけうんざりとしていた。

「僕は大切な友達にそんな事しないよ。それだけは言える」

高梨は友達の私をちゃんと尊重してくれる。

「とりあえず。顔合わせの為にちゃんとどうするか話し合おうか」
「そうね」

とりあえず。今話し合うべき事を私達はしなくてはならない。
正己との関係は顔合わせを終わらせてから、ちゃんと考えよう。
結局ずるずると付き合い続けるような気もするけれど。
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