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逃げたほうがいいのか。私は常に問いかけていた。

「そんな事は分かりません」

相変わらずくだらない女たちがやってくる。私はとりあえず相手をしなければならない。

「あのような女のどこがいいんだか……」

この時、私は初めて怒る用意ができた。自分がこれほど好きだと思っている人を侮辱されてしまったわけだから。怒るのは当然のことだと思った。

「お前たち、あまり人のことを馬鹿にするものじゃないよ。君たちの方がよっぽど汚いと思うんだ。もともとはきれいだったのかもしれない。でもね、都市の川のようにすっかり汚れてしまった」

私がこんなことを言うものだから、私に近寄ってきた女たちは次第に遠のいていった。すぐに傷ついてしまう。そして、いくら王子であっても、私のことを直接批判するようになったのだ。それは、彼女たちの両親に伝わっていき、私や皇帝陛下の耳元に届くようになっていったのだった。

「君は随分と変わった男に成長したものだな」

皇帝陛下はある意味、自分の育て方が悪かったのではないかと考えたようだった。もちろん、そんな事はなかったと思う。彼は、私にいろいろなことを教えてくれた。その中で1番大切な事は、いかに人を愛するかと言うことだった。

「でもまぁ、確かに君の言っていることは正しいと思うよ。本当に好きな人がいるんだったら、告白してみるといい」

彼は私にアドバイスをしてくれた。だから、私は決意することができたのだった。


「好きなんだ……こういうストレートな表現はあまり好かれないものだろうか」

告白の練習を何度も何度も行った。1人でやっているから、だんだん恥ずかしくなった。でも、失敗したくなかった。

「いや、ストレートに気持ちを伝えたほうがいいよね」

改めて、マリアに会うこととなった。
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