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番外編① アオライト・グレン・ラインバード
しおりを挟むアオライト・グレン・ラインバードは、世界有数の大国であり、世界トップの軍事帝国であるラインバード帝国の第3皇子として、亡国の生贄姫の息子として、母を犠牲にしてその生を受けた。
男の子だったからか、亡国の生贄の息子だからか、はたまた親殺しの大罪人ゆえか、アオライトに向けられる視線は、赤子の頃から厳しいもの以外存在していなかった。
自分が生きていることすらも、息をすることさえも許されない後宮の奥深くの物置部屋で、アオライトは浮浪児のように育った。不貞腐れて、非常には知らなかったのは、前世である結城蒼としての記憶があったが故だろう。
アオライトの前世である結城蒼は、これでもかというほどに善意と優しさに満ちた好青年だった。親を大事にし、友人を大事にし、何より、幼馴染の婚約者のことをこれでもかというほどに大事にしていた。大事な人から危険を全て遠ざけ、慈しみ、守り抜かんとした、まさに隠れヤンデレを体現したかのようなストーカーチック否、ストーカー男だった。
幸いにも婚約者であった京終優花はそんな蒼のことを愛してくれたが故に問題にはならなかったが、一歩間違えれば犯罪者一直線であったことだろう。
アオライトは、今世でも、優花に誇れるような生き方がしたかった。
だから、悪いことには一切手を染めず、殴られても、蹴られても、文句も言わず、ただただ耐え忍び、生き物や植物、メイドや下僕など弱きものに優しく接した。
そうやって優しく接しているうちに少しずつ味方ができて、食事や服に困らなくなっていった。
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