完 小指を握って呼びかけて

水鳥楓椛

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番外編② レオナルド・ラルスト・オーギスト

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 オーギスト王国第1王子にして王太子レオナルド・ラルスト・オーギストは、毎日毎日紹介され続ける香水臭い少女たちに辟易としていた。
 彼女たちは自分たちの興味があるドレスや化粧、装飾品、お菓子、そして自らを誇張してもはや嘘に近いアピールをする、無駄にしか感じられない会話に勤しむ。そして、その会話に対して残念ながらレオナルドは全くの興味を示すことができなかった。それを薄情だという人間がたくさんいて、それがレオナルドにますますの反感を抱かせた。

 レオナルドは至って普通の少年だ。
 剣や馬、英雄譚を愛する、ごくごく普通の、健全な少年だ。

 それを踏まえて考えてみて欲しい。
 レオナルドは薄情者だろうか。
 剣や馬、英雄譚をこよなく愛するごくごく一般的な少年が少女趣味を楽しめないことが、薄情なのだろうか。

 レオナルド自身は、この答えは否であると思っている。
 どんなに頑張っても、レオナルドは彼女たちを好きにはなれなかった。それどころか、香水や化粧臭い彼女たちが近づいてくるとあまりの臭さに即倒してしまいそうなほどだった。
 1つずつの単体ならまだマシだ。けれど、複数のニオイが重なってしまうともうダメだった。

 これが分からない人は想像してみて欲しい。
 きつい薔薇の香りの隣から爽やかで甘ったるい柑橘、その上からけばけばしい化粧の匂いがするというごちゃ混ぜの匂いを。

 レオナルドは受け入れられなかった。
 その匂いを嗅ぐだけで拒否反応を起こしてまうほどに匂いに敏感になってしまった。

 そんな地獄のような日々で、自分の6歳の誕生日パーティーで出会ったのがユティカ・フィオナ・グラツィーニ公爵令嬢だった。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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