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番外編①
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▫︎◇▫︎
「———レオンさま!」
華やぐような優しくふんわりとした声に振り返った、戦場帰りの剣豪レオンハルトこと俺は、赤子はもちろん、鍛え上げられた兵士すらも卒倒するような厳しく厳つい顔を、周囲曰くデレッと緩めた。
「ミーシャ………!!」
白銀に煌めく星屑のような美しいふわふわした銀髪を揺らす少女のような絶世の美女ミーシャに、俺は慌てて駆け寄る。
砂糖菓子を煮詰めて詰め込んだようなきらきらと輝く琥珀の瞳を正面から見つめ、ミーシャの顔色の悪さに吐息を吐く。
「………また、………………吐いたのか?」
「あら?上手に隠せてなかった?」
ころころと笑うミーシャは、それが当然のことであるかのように振る舞っている。否、ミーシャにとって、それは当然のことであるのだ。
ミーシャは生まれた頃から胃が弱かった。
食べ物を食べては吐き戻し、過度な運動をしては吐き戻し、………不安に駆られては吐き戻していた。
ミーシャと幼馴染である俺は、そんなミーシャのことを誰よりも近くで見守り、守ってきた。
だからこそ知っている。
ミーシャが自分が戦場に出るせいで、また吐いてしまったのだということを。
でも、ミーシャは絶対にそれを言わないし、それどころか、俺には絶対に悟らせまいと努力を重ねている。
俺にとって、戦場は唯一の“居場所”と言っても過言ではない場所だった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
本日は夕方の6時にも更新します!!
「———レオンさま!」
華やぐような優しくふんわりとした声に振り返った、戦場帰りの剣豪レオンハルトこと俺は、赤子はもちろん、鍛え上げられた兵士すらも卒倒するような厳しく厳つい顔を、周囲曰くデレッと緩めた。
「ミーシャ………!!」
白銀に煌めく星屑のような美しいふわふわした銀髪を揺らす少女のような絶世の美女ミーシャに、俺は慌てて駆け寄る。
砂糖菓子を煮詰めて詰め込んだようなきらきらと輝く琥珀の瞳を正面から見つめ、ミーシャの顔色の悪さに吐息を吐く。
「………また、………………吐いたのか?」
「あら?上手に隠せてなかった?」
ころころと笑うミーシャは、それが当然のことであるかのように振る舞っている。否、ミーシャにとって、それは当然のことであるのだ。
ミーシャは生まれた頃から胃が弱かった。
食べ物を食べては吐き戻し、過度な運動をしては吐き戻し、………不安に駆られては吐き戻していた。
ミーシャと幼馴染である俺は、そんなミーシャのことを誰よりも近くで見守り、守ってきた。
だからこそ知っている。
ミーシャが自分が戦場に出るせいで、また吐いてしまったのだということを。
でも、ミーシャは絶対にそれを言わないし、それどころか、俺には絶対に悟らせまいと努力を重ねている。
俺にとって、戦場は唯一の“居場所”と言っても過言ではない場所だった。
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