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2 わたくしの婚約
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◽︎◇◽︎
わたくしが乙女ゲームの『悪役令嬢』に生まれ変わったのに気がついたのはちょうど6歳の頃だった。その日はお父さまの親友の息子である王太子殿下と婚約を結ぶために謁見の間に訪れていた。
わたくしは幼い頃から悪役令嬢顔で、それ故に周囲に恐れられていた。お茶会に行けば、何も言っていないし何もしていないのに相手方のご令嬢やご令息に泣き喚かれ、前世の記憶が蘇っていない頃から、前世のわたくしそのままのおっとりというより鈍臭い性格だったわたくしは、その度に泣きそうになってしまっていた。
そんなわたくしに結婚の申し込みなどあるはずもなく、困り果てたお父さまにお声をかけたのがお父さまの親友である国王陛下だった。伯爵家という微妙な立ち位置ながらその優秀さ故に、外交官のトップを務めるお父さまの娘であるわたくしは、中立派の家の娘ということも相まって、王家にとっては最優良物件だったらしい。
「お初にお目にかかります。ツェリーナ伯爵家が長女エリザベートと申します」
なぜか人よりも頭が良くて、………今思えば前世チートのおかげで頭が良かったわたくしは、高位貴族のご令嬢顔負けの出来上がったご挨拶をして王家にいとも簡単に気に入られた。けれど、それがわたくしの婚約者レオンハルト王太子殿下には気に入らなかったらしく、わたくしはその美しい美貌にものすっごく睨まれてしまった。ショックで悲しくて、ぎゅうっと俯いてしまったのを今でも覚えている。
「あらあらまあまあぁ、エリザベートちゃんは本当はおっとりした怖がりちゃんなのね。可愛いわぁ」
「そうだな。レオンハルト、エリザベート嬢のことをしっかりと守るのだぞ」
王妃陛下と国王陛下のお言葉に不機嫌そうに頷いた彼は、わたくしの側に降りてきて、わたくしにご挨拶をしてくださった。
その日、その瞬間、その綺麗な相貌に、わたくしは彼に恋に落ちてしまった。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
わたくしが乙女ゲームの『悪役令嬢』に生まれ変わったのに気がついたのはちょうど6歳の頃だった。その日はお父さまの親友の息子である王太子殿下と婚約を結ぶために謁見の間に訪れていた。
わたくしは幼い頃から悪役令嬢顔で、それ故に周囲に恐れられていた。お茶会に行けば、何も言っていないし何もしていないのに相手方のご令嬢やご令息に泣き喚かれ、前世の記憶が蘇っていない頃から、前世のわたくしそのままのおっとりというより鈍臭い性格だったわたくしは、その度に泣きそうになってしまっていた。
そんなわたくしに結婚の申し込みなどあるはずもなく、困り果てたお父さまにお声をかけたのがお父さまの親友である国王陛下だった。伯爵家という微妙な立ち位置ながらその優秀さ故に、外交官のトップを務めるお父さまの娘であるわたくしは、中立派の家の娘ということも相まって、王家にとっては最優良物件だったらしい。
「お初にお目にかかります。ツェリーナ伯爵家が長女エリザベートと申します」
なぜか人よりも頭が良くて、………今思えば前世チートのおかげで頭が良かったわたくしは、高位貴族のご令嬢顔負けの出来上がったご挨拶をして王家にいとも簡単に気に入られた。けれど、それがわたくしの婚約者レオンハルト王太子殿下には気に入らなかったらしく、わたくしはその美しい美貌にものすっごく睨まれてしまった。ショックで悲しくて、ぎゅうっと俯いてしまったのを今でも覚えている。
「あらあらまあまあぁ、エリザベートちゃんは本当はおっとりした怖がりちゃんなのね。可愛いわぁ」
「そうだな。レオンハルト、エリザベート嬢のことをしっかりと守るのだぞ」
王妃陛下と国王陛下のお言葉に不機嫌そうに頷いた彼は、わたくしの側に降りてきて、わたくしにご挨拶をしてくださった。
その日、その瞬間、その綺麗な相貌に、わたくしは彼に恋に落ちてしまった。
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