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1巻
1-1
プロローグ
心臓の音って、こんなに大きいのね。
目の前の光景が残酷すぎて涙も出ないわ。
図書室の一番奥の窓から、木陰に隠れて抱き合う男女が見える。
人目を忍ぶように二人は視線を交わし、ゆっくりと唇を押しつけ合っている。
恋愛小説のワンシーンであれば心躍る光景なのだろう。いや、私と関係ない人の逢瀬なら『羨ましい』と思うだけだったろう。
女性のことは知らない。
燃えるような赤い髪。大きく形のよい二重、青い瞳。とても美しく華やかな女性だ。
男性のことはよく知っている。
少し癖っ毛の金髪。グレーの瞳、切れ長の目。
彼は、ブラント・エヴァンス。
エヴァンス公爵家の嫡男で、私と同じ十八歳だ。
文武両道、眉目秀麗。
将来は幼馴染みのヘンリー王太子殿下の側近になるだろうと噂される、パーフェクト超人だ。世の女性には『優良物件』と称される時の人。
そして、私の婚約者だ。
私はエスメローラ・マルマーダ。マルマーダ伯爵家の娘だ。
ブラントとは、私が七歳の時に婚約した。
『綺麗な金髪だね。触ってもいい?』
微笑まれて私は一瞬で彼の虜になった。
あの頃、ブラントはとても優しかった。一緒にピクニックに行ったり、湖を散歩したり、バラ園で抱えきれないほどの赤いバラをプレゼントされたわ。
私たちの関係が変わったのは、貴族学院に入学した頃だった。
オルトハット王国の王都にあるオルトハット貴族学院には、十五歳から十八歳の子息子女が通っていて、この学院を卒業することが王国貴族の嗜みとされている。よほどのことがない限り辞めることはできない。家の面子もあるが、大人の社交界に入る前の試験場のような場所と言われているからだ。
学院に入ってからすぐに、ブラントは私の家に来てこう告げた。
『私たちの婚約を表に出さないでほしい。勉学を優先したいし、エスメローラを愛しているから余計な攻撃を回避したい』と。
婚約を公にしないで学院に通う人は多い。
貴族のプライドがぶつかり合う学院では、人気のある人の婚約者や、私のように気の弱そうな女子生徒はいじめられやすい。
婚約者が助けられる部分もあるが、女性しか立ち入れない場所があるので、四六時中一緒にいることは不可能だ。下手に他生徒から嫉妬されて、愛する婚約者を傷つけられないよう、婚約を隠す人は少なくないのだ。
『エスメローラを愛している』
私はその言葉を信じていた。
入学後、学院でさまざまな噂を聞いた。
『エヴァンス公子とトリシャル嬢が手を繋いでいた。見つめ合う二人は恋人のようだった』
『エヴァンス公子とルルードル嬢が王都でデートしていた。高価な宝石をプレゼントしていた』
『エヴァンス公子とデリカ嬢が茂みの中に消えていった。戻ってきた彼女の衣類が乱れていた』
根も葉もない噂だ、ブラントに限って浮気なんかしないと自分に言い聞かせていたが、不安でたまらなかった。
彼を信じるのよ。
そう、思っていたのに……
窓の向こうの男女は、ずいぶん長くキスをするのね。
何度も角度を変え、激しい息遣いが聞こえてきそうなほどお互いを求め合っている。
木に女性の背中を押しつけ、胸に触れている。あら、スカートも触っているわ。破廉恥ね。
……あら?
頬に何かが伝った。
私……泣いているわ。
そうよね。こんなシーンを見たら泣いちゃうわよね。
愛していた、信じていた人に裏切られたのだから。
◇◇◇
あれからどうやって帰ったか覚えてない。
昨晩はずっと泣いていた。
泣いて、泣いて、『信じてたのに!』『最低!』『バカ!』とベッドの枕に苛立ちをぶつけては、声を上げてまた泣いた。
案の定、私の顔は酷いことになっている。幸いなのは、今日学院が休みということだろう。
――コンコン。
部屋のドアをノックする音がした。
今は誰にも会いたくない……
「あの……お嬢様?」
侍女のメリッサの声がした。私の様子を気にしているようだ。
「お部屋に入ってもよろしいですか?」
「入ってこないで!」
思わず声を荒らげてしまう。
扉向こうで息を呑むのが聞こえたような気がする。
メリッサは昔から私に仕えてくれる、気心の知れた姉のような人だ。
今までこんな声で彼女を制止したことはなかった。
「ごめんなさい。……今は……誰にも会いたくないの」
「……承知いたしました。エヴァンス公子様から花束が贈られてきました。……その、どうしましょう?」
不定期にブラントから贈られる花束。
『愛するエスメローラへ。Bより』
花束に添えられたメッセージカードは、いつも同じ文面だった。
彼の変わらない愛を表現していると思い、何度も指でなぞり、抱き締め、会えない寂しさをごまかしていた。
滑稽ね……
今は、花束もメッセージカードも汚らわしいもののように思えた。
そして不意に思った。なぜこのタイミングで贈ってきたのだろう。考えすぎかもしれないけれど、昨日のようなことをするたびに、罪悪感や後ろめたさといった感情をごまかすために贈ってきていたのかも。いえ、でも私の誕生日プレゼントも同じ赤いバラの花束を贈ってきていたわ。
待って……
誕生日プレゼントが花束だけって、ずいぶんな扱いじゃないかしら?
恋する心で曇っていた思考が、霧が晴れたように明瞭になっていく。
それによって、ブラントへの恋心は急激に色あせていった。
「捨ててちょうだい」
「え⁉」
「今後は受け取らず送りかえして」
もうブラントを信じられない。
その花束も彼が選んだかさえ疑わしい。
「エスメローラ。私です」
お母様の声だ。
◇◇◇
「そう。そんなことがあったのね」
気分を変えるため、お母様はバルコニーに私を連れ出し、遅めの朝食を準備させた。
酷い顔の私が、愛してやまなかったブラントからの花束を捨てるように言ったことから、学院で彼と何かあったとすぐに見抜かれた。
「で、あなたはどうしたいの?」
至極冷静なお母様。
でも、雰囲気が少しピリッとしているので、怒っているのがわかる。
「婚約解消できないの?」
隣に座る十歳の弟ダッセルが直球で言った。
「向こうは公爵家。我が家は伯爵家。下の者から婚約解消を申し出れば角が立つわ。向こうから言ってくるのが最良ね。ただ、エスメローラが今後の令嬢人生を諦める覚悟があるのなら、婚約破棄という最終手段があるわ」
婚約解消は『性格の不一致』『相性が悪かった』と双方の合意のもと、円満に解決できる方法だ。ただし、下位の家から申し出るのは序列を軽んじる行為として非難を受ける。そのため、よほどのことがない限り下位の者からは婚約解消できない。
婚約破棄は、相手側が浮気や暴力、借金など問題を起こした場合にできる。こちらは下位の家からも申し出ることができる。しかも悪質な場合は慰謝料の請求も可能だ。
だが、婚約破棄した令嬢は、相手がどんなに悪質であったとしても『傷物令嬢』と揶揄され、そのあと結婚は難しいと言われている。
今後結婚しない覚悟があるのなら、『ブラントの浮気』を理由に婚約破棄の申し込みはできる。
ただ、私の主張の正統性を示せなければ、名誉毀損で私が慰謝料請求されてしまうから、浮気の証拠集めは必要になるだろう。
「エスメローラは今後どうしたいの?」
「……わかりません。でも、ブラントとは結婚したくないです」
お母様が手を叩くと、メリッサが花束を持ってきた。ブラントに贈られた赤いバラの花束だ。
それを受け取ったお母様がメッセージカードを見ている。
「『愛するエスメローラへ、Bより』ね~。赤いバラの花言葉は『あなたを愛しています』、十一本贈る意味は『最も愛しい人』。あなたを一番に愛していますってことかしらね」
「姉さんの話を聞いたあとだと胡散臭く感じますね。後ろめたさを隠すために贈ってきているとしか思えないよ」
「メッセージはいつもと同じ?」
「うん……」
「お父様に相談するしかないわね。ブラント君がどういうつもりなのか探らないと、身動きが取れないのが現状だわ」
「はい……」
「エスメローラ。ブラント君と結婚したくない気持ちはわかるわ。可愛い娘を任せたいなんて思えないもの。でも、婚約破棄をするとなると、それは大変なことよ。領地でひっそり暮らすこともできるけど、かなり肩身が狭くなるわ」
思わずうつむいてしまう。
「別の国のほうが案外楽なのかもね」
ダッセルがボソッと呟いた。
「「それよ‼」」
お母様と声が重なった。
ダッセル、天才‼
第一話 お友だち大作戦!
学院にはいろんな人が集まる。例えば他国の王族。
図書室の奥には、ガラスで区切られた個室がある。防音に優れているので、集中したい時はその個室を利用していた。しかし、半年前くらいから放課後はある人物が使っていることが多く、ここ最近は足が遠のいていたのだった。
「こそこそ見てないで入ってきたら?」
その人は本から視線を逸らさず声をかけてきた。よく見たらドアが開いている。
どう話しかけようか思案していたから、声をかけられて少しホッとした。
さっ、ここからよ!
「ごきげんよう」
「ごきげんよう。で、何? 見ての通り忙しいのよ。下らない用件なら遠慮したいわ」
彼女は隣国イエルゴート王国の王女様だ。
私と同い歳の、マチルダ・イエルゴート王女殿下。
鴉の濡羽のように艶やかな黒髪、黒曜石のような瞳、透き通る白い肌を持つ、とても美しい女性だ。
「……その主人公、どちらの男性を選ぶかお教えしましょうか?」
マチルダ王女殿下がこちらを睨んだ。
物語の先を語られるのは嫌いよね。
マチルダ王女殿下が読んでいるのは切ない恋の話だ。以前見かけた時も、身分差で恋人を諦める悲恋の物語を読んでいた。
「『マリーゴールドの涙』は読まれました?」
「……読んだわ」
「では『愛の後悔』はいかがでしょう」
「……」
「『デゼブルグの恋人よ』は?」
「……ずいぶん本を読んでるのね」
食いついた……
王女殿下は恋愛小説が大好きだと予想していた。
しかも、胸を締めつけるような苦しい恋の物語が。
「えぇ。物語を読んでいると、辛い現実を忘れられますから」
「……」
「婚約者が見知らぬ女性と熱い抱擁とキスをしているところを見るよりも楽しいですからね。……申し訳ございません。大好きな恋愛小説について、誰かと話したかっただけなんです。お邪魔しました」
立ち去ろうとすると「待ちなさい」と呼び止められた。
「コホンッ。恋愛小説の話なら、やぶさかではないわ。どうぞお座りになって。知っているかと思いますが、わたくしはマチルダ・イエルゴート」
「エスメローラ・マルマーダです。王女殿下」
「マチルダでいいわ」
「光栄です、マチルダ様。私のことはエスメローラと呼び捨てにしてください」
「あらっ、それならわたくしのこともマチルダと呼びなさいな」
掴みはよかったみたい。
王女様と友だちになるぞ作戦。とりあえず成功ね!
マチルダの隣に座ろうと個室に足を踏み入れると、「君!」と声をかけられた。
後ろを振り向くと、本を数冊持った女子生徒が立っていた。
「あら、サラ。早かったのね」
「まぁ……。それより、マチルダ様……」
サラと呼ばれた生徒は、心なしかマチルダを睨んでいるように思えた。
「いいじゃない。ここは学院で、生徒間の交流は当然でしょ? それにあなた、恋愛小説の話し相手になってくれないからつまらなかったのよ。さっ、エスメローラ。こちらに座りなさいな」
マチルダが隣の椅子を引いて手招きしてくれた。しかし、後ろからすごく視線を感じる……
「あっ、あの。エスメローラ・マルマーダです……」
無視するわけにもいかず、頭を下げて挨拶をした。
「サラ・アルデバインだ」
キリッとした金色の瞳と目が合う。
私より少し背が高く、後ろで一つにまとめられた黒髪が肩に流れる姿は凛としていて、教会に飾られている勇者の絵画を思わせた。
女性にドキドキしたことはないのに、心臓が高鳴り彼女に見惚れてしまった。
「何か?」
「あっ、いえっ、そのっ……お姿が凛々しくて見惚れてしまいました」
咄嗟のことで、思っていたことをそのまま口にしてしまった。言ったそばから恥ずかしさが押し寄せてきた。きっと私は真っ赤な顔をしていただろう。
「……」
何か言わなくちゃと思案していたら、いつの間にかサラ様はいなくなっていた。
彼女が立ち去ったことにも気がつかないなんて、私、そんなに動揺していたのね。恥ずかしい……
「ふ~ん、そういうこと。あいつ、案外ヘタレだったのね」
後ろから楽しそうなマチルダの声がした。
◇◇◇
マチルダと話すようになって一週間が過ぎた。マチルダはとても気さくな人で、恋愛小説の話題になると饒舌になる。彼女と連載ものの小説の今後の展開を想像して話すのは、とても楽しかった。
彼女と親しく話せるのは、図書室の個室を利用できる昼休みと放課後だけ。
他国の王族と親しくすると、利権を狙う他の貴族から狙われたり嫉妬されたりする可能性が高い。その場合に身を守れるほどの身分もなければ、すべもない私にマチルダが配慮してくれていた。
私は当初の『王女様と友だちになるぞ作戦』など忘れて、心からマチルダと一緒にいたいと思っていた。
「そろそろ目的を明かしたらどうだ?」
いつものように図書室の個室でマチルダと本を読んでいると、いつも私を警戒してじっと見ているサラ様から言われた。
サラ様は隣国イエルゴート王国のアルデバイン公爵家のご令嬢だ。
王女殿下の侍女兼護衛としてこの学院に通っているそうだ。アルデバイン公爵家は代々騎士の家系で、サラ様は国内でも指折りの実力者らしい。男性と交わって鍛練もするためだろうが、言葉遣いが少し男性っぽく感じる。
そこがまた凛々しくて格好いい……
私が黙っていると、サラ様は語気を強めた。
「君のことは調べさせてもらった」
「サラ。失礼よ」
「護衛として当然のことをしています。――エスメローラ・マルマーダ。十八歳。伯爵家の長女。両親は健在。きょうだいは弟のみ。父のマルマーダ伯爵は王宮に勤める文官。勤務態度は至って真面目。現国王を支持しているものの、権力・金に執着はなく、現状維持に甘んじる凡人」
お父様を凡人と言われて、少しムカッとしたが、盾突いてもいいことはないので、グッとこらえる。
「婚約者がいると言っていたが、その存在は公にしていない。ただ、マチルダ様に話していた内容から推測するに、ブラント・エヴァンス公子の可能性がある」
ブラントの名前が出て、思わず固まってしまった。
「……図星か。君はもう少し腹芸を覚えたほうがいいな。素直なことは美徳だが、見ていて心配になる」
うっ……
「我々に近づいたのはエヴァンス公子からの指示か?」
「違います!」
「……そのようだな。だが、何か下心がある。それはなんだ?」
ジロリと睨まれると、なんだか悪いことをしているように思える。
「サラ。やめなさい」
「マチルダ様の御身を守るためです。腹に一物ある者をお側に置くのは、賛成いたしかねます」
「エスメローラはわたくしのお友だちです。変に尋問しないの。それに、サラ。エスメローラはわたくしに危害を加える輩ではないと、ちゃんと調べたのでしょう? 話したくなったらエスメローラから言ってくれるわ。せっかちは嫌われますわよ」
「ぐっ……」
マチルダは涼しい顔でサラ様をたしなめている。
さすがマチルダね。
でも、そろそろいいのかもしれない。私の願いを口にしても……
「マチルダ……王女殿下。私の話を聞いてくださいますか?」
マチルダが本から視線を外し、私に向き合った。視線で『話しなさい』と言われているようだ。
「私を……イエルゴート王国にお連れいただけないでしょうか? あなた様の侍女候補として」
沈黙。
「ブラント・エヴァンス公子から逃げるために?」
「……はじめはそのつもりでした。ですが、マチルダ王女殿下と時間を過ごし、あなた様を知り、もっとあなた様と共にいたい、もっと話したい、もっといろいろな場所に、あなた様と行きたいと思いました。友として、お仕えする主として、お慕い申しております」
私は席を立ち、深々とカーテシーをおこなった。
「……決まりね」
「マチルダ様の御随意に」
「顔を上げてエスメローラ」
「はい」
「あなたの申し入れを受け入れます」
「っ! ありがとうございます!」
「ですが!」
「えっ?」
「このままのあなたには、魑魅魍魎が蠢く王宮でわたくしに仕えるのは荷が重すぎるでしょう」
マチルダ王女殿下の言葉はもっともだ。
オルトハット王国の礼儀作法は幼少期から体で覚え込まされているが、イエルゴート王国の礼儀作法は知らない。きっと独自の習慣などもあるだろう。
それに王女殿下の侍女となれば、サラ様のように護衛ができなければならないだろう。
さまざまな悪意からお守りするにも知識や経験が圧倒的に足りない。例えば毒や武器の知識など、今まで『令嬢教育』で培ったものとは別の訓練が必要だ。
「サラ。あなたから教えてあげて」
「かしこまりました。その代わり影の護衛を増やしますがよろしいですね」
「仕方ないわね。将来の優秀な侍女を手に入れるためなら我慢いたしましょう」
マチルダはフワリと笑った。
こんな笑顔を殿方が見たら一瞬で虜になってしまうだろうと思った。
「マルマーダ嬢。私の指導は厳しいので覚悟するように。学院の卒業まで半年ほどだから、無駄な時間はないぞ」
「はい! よろしくお願いいたします!」
「あっ、それからもう一つ。その野暮ったい格好も改善して、誰もが振り向く淑女にしちゃいましょう! フフッ。腕がなるわね」
「野暮ったい……ですか?」
「えぇ! エスメローラの髪はとても綺麗なのに、こんなギチギチに結ってはもったいないわ。お化粧も最低限だし地味よ。グレーの瞳ももっと強調していいわ! ……あら? よく見たら青いのね。うん、空色で美しいわ! そう思うでしょ、サラ」
「そうですね。宝石の原石のように磨き甲斐があります。ただ、今も厳格な雰囲気で悪くはないと思いますがね」
「……ヘタレめ」
「なんですか? マチルダ様?」
マチルダとサラ様が笑顔で睨み合っている。
でも、私もサラ様のようになれるよう頑張らなくちゃ!
「エスメローラは天然よね」
「……心配です」
決意を新たにしていると、なぜか二人に残念な子を見るような顔をされた。
なんで?
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