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一
7話 僕以外の3人
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あの一件以降僕たちはなにも問題なく過ごしていた。次の日佐々木くんに不穏な雰囲気にした事を謝ったけど、赤城が話をしておいてくれたのか「お前も被害者だろ。」と何のことかわからないけど励まされた。
特に何があるわけではなかったけど平穏な生活を送っていた。......のだが。
「さっき尊がジュース買ってくれたんだけど絶対まだいける気がする~!今カノには悪いけどまた戻るつもり!てか、もはやもう彼氏って感じ!」
体育の前に先生に頼まれ事をされて近道だった中庭を突っ切る時に聞こえてきた。
「......え?」
見覚えのある顔に話に出てきた心当たりのある名前。...赤城の元カノだ。
恋は急いで用事を済ませて体育館に向かった。
「芦野~、おーい、芦野?」
仲川の声に無反応の恋。
「ダメだこいつ。完全に魂抜けてるわ。」
「あっし~?どしたの、仲川になんかされた?」
二人が話しかけるも微動だにせずひたすら一点を見つめていた。
「自然に帰そう」と二人は恋を体育館の隅に連行して座らせて恋を一人にさせた。
......え。待って?え?戻るって?...ん?赤城って僕と付き合ってるよな?え、話が飛びすぎて全然わからないんだけど。
自分の知らないところで進む話に理解が追いつかない恋は迷走していた。その様子を心配そうに仲川が眺めていた。
気付くとお昼、5限6限と時間が過ぎていた。
その間ずっと上の空の恋に痺れを切らし、SHRの前に仲川が佐々木といる赤城に話しかけた。
「ちょっと今いいですか?」
「......えなに。仲川も食べたいの?」
「あ、どうも。」と、お菓子を受け取りながら仲川は赤城を圧をかけた。
「はいはい。行きます行くよ。」
半ば強引に赤城を屋上に連れ出した。
「......で、なに用ですかい?」
「いや、今日あいつ様子おかしいんですけど何があったんですか?」
「え、真面目に俺知らないやつなんだけどそうなの?」
「え?あなたじゃないんですか。」
「そもそも今日体育、自習どっちもサボりで俺教室ほぼいなかったから見てないんだけど逆に何があったの?」
......お互い状況が理解できず沈黙ができているとそこに佐々木がやってきた。
「ハロー、何話してたんー?俺も混ぜろー。」
空気を読まずに入ってくる佐々木を赤城が睨んだ。
「え、なになに!仲川が赤城怒らせたの?」
「いや自分というより......。」
頭を抱えてため息吐く赤城が手すりを掴んで屋上から見える教室を見た。自席でぼーっとしている恋を見つけた。
「何があったかわからないけど俺に話してみなよー!俺が万事解決してやるって!」
何も言えず赤城を見つめる仲川が何を言おうか悩んでいると赤城が近づいてきた。
「とりあえず俺も聞いてみはするけど話してくれないかも。なんか話してくれたら俺に教えて。あと携帯出して。L◯NE教えて。」
「あ、はい。」と仲川が携帯を出すと、「なんかわからないけど面白そうだから俺もー。」と佐々木も携帯を出した。何故か陽キャ二人にL◯NEを交換させられた仲川は先に戻って行った。
「...で?一応俺いい子にしてたけど、いい加減そろそろ教えてくれない?」
佐々木が笑いながらガチトーンで赤城に聞いた。
「......何が聞きたいの?」
「んー。今の話~というより恋人のこと?仲川が言ってたあいつって誰ー?」
「あー...最初から聞いてたのね。」
「まーた異色のコンビじゃん!って思って気になってあと追いかけちゃった。でも失敗~。もっと気になる話してて俺ソワソワだわ!」
赤城は嬉しそうに話す佐々木から離れてベンチに座った。
「何でそんなに気になるの。」
警戒する赤城とは裏腹に佐々木は楽しそうに赤城の隣に座った。
「単に気になるだけ。あんだけ恋愛毛嫌いしてたお前が手のひら返したように恋人で悩んで、挙げ句の果てに手も出さないなんてさ。どこぞの女だよって思うわけよ。」
佐々木の言葉に赤城は少し冷静になった。「はぁ。」とため息を吐いて口を開いた。
「別にお前に話したくないわけじゃないんよ。ただ余裕がないだけ。今までの恋愛とは違って結構ガチだからさ、今の相手。仲川は向こうが付き合ってんの話したから。だから知ってんのよ。仲良いからね、クラスでも一緒にいるし。」
それだけ話すと赤城は立ち上がった。
「え。クラス......え?ちょ、ちょっとまっ...」
「あ。」
赤城は最後に振り返って佐々木に伝えた。
「前も言ったけどあの子はそういう感じの子じゃないから。変な話とか質問向こうにしたら本気でキレるから。そこだけは覚えといてね。」
念を押し、話をしてから赤城は立ち去った。
残された佐々木は一人で困惑し、放課後まで屋上で過ごした。
......絶対余計なことしたか?俺。友が心配だから口出したけど、なんか一軍二人にL◯NE交換させられるし。佐々木に関しては......あれはもう芦野のこと赤城ゲロんないと気が済まないやつだよな。大丈夫かな......。
仲川は赤城の事が気になりUターンして屋上に戻った。そこで佐々木に恋の事を話す赤城を見た。自分の時のように真剣に話す赤城の姿に少し安心した。
立ち聞きしてるとドアを開けて赤城が入ってきて鉢合わせた。気まずい雰囲気なりながらも一緒に教室まで帰った。
「あちゃー。もうHR終わったやつですね。」
「そりゃーあんだけ話せばね。」
二人は黙々と帰り支度をした。一緒に昇降口に向かっている時仲川が話しかけた。
「佐々木に言ったんですね。付き合ってるの。」
「あー、まあね。」
「大丈夫なんですか?俺とかは別に大丈夫ですけど抵抗ある人だったら...。」
「あー...大丈夫。あいつも、と言うか...。そう言うの免疫はある人だから。」
含みのある言い方をする赤城に「そうですか。」と仲川は話を終わらせた。
......のに。...え?何でこの人ずっと一緒に歩いてんの?え。ここもう俺の最寄りなんだけど。
無言でずっと一緒にここまで帰ってきた赤城に何も言えずにいた仲川。
「あの。......なんでいるんですか?家絶対こっちじゃないですよね?」
痺れを切らして聞くと赤城が「芦野。」と一言だけ言った。
「あ、なるほど...。」
そこからまた無言になり恋と仲川の家の分岐で仲川が「じゃあここで。」と言うと赤城が「あのさ。」と声をかけた。
「巻き込んで悪いけど、なんかあったら芦野の話聞いてやって。俺には言わないけど、仲川に言う事あるかもだから。それだけ。また月曜ねー。」
そう言い残し、恋の家に向かった。
その背中に仲川は微笑んだ。
「あーあ。本気で愛されてんなー。あいつ。」
特に何があるわけではなかったけど平穏な生活を送っていた。......のだが。
「さっき尊がジュース買ってくれたんだけど絶対まだいける気がする~!今カノには悪いけどまた戻るつもり!てか、もはやもう彼氏って感じ!」
体育の前に先生に頼まれ事をされて近道だった中庭を突っ切る時に聞こえてきた。
「......え?」
見覚えのある顔に話に出てきた心当たりのある名前。...赤城の元カノだ。
恋は急いで用事を済ませて体育館に向かった。
「芦野~、おーい、芦野?」
仲川の声に無反応の恋。
「ダメだこいつ。完全に魂抜けてるわ。」
「あっし~?どしたの、仲川になんかされた?」
二人が話しかけるも微動だにせずひたすら一点を見つめていた。
「自然に帰そう」と二人は恋を体育館の隅に連行して座らせて恋を一人にさせた。
......え。待って?え?戻るって?...ん?赤城って僕と付き合ってるよな?え、話が飛びすぎて全然わからないんだけど。
自分の知らないところで進む話に理解が追いつかない恋は迷走していた。その様子を心配そうに仲川が眺めていた。
気付くとお昼、5限6限と時間が過ぎていた。
その間ずっと上の空の恋に痺れを切らし、SHRの前に仲川が佐々木といる赤城に話しかけた。
「ちょっと今いいですか?」
「......えなに。仲川も食べたいの?」
「あ、どうも。」と、お菓子を受け取りながら仲川は赤城を圧をかけた。
「はいはい。行きます行くよ。」
半ば強引に赤城を屋上に連れ出した。
「......で、なに用ですかい?」
「いや、今日あいつ様子おかしいんですけど何があったんですか?」
「え、真面目に俺知らないやつなんだけどそうなの?」
「え?あなたじゃないんですか。」
「そもそも今日体育、自習どっちもサボりで俺教室ほぼいなかったから見てないんだけど逆に何があったの?」
......お互い状況が理解できず沈黙ができているとそこに佐々木がやってきた。
「ハロー、何話してたんー?俺も混ぜろー。」
空気を読まずに入ってくる佐々木を赤城が睨んだ。
「え、なになに!仲川が赤城怒らせたの?」
「いや自分というより......。」
頭を抱えてため息吐く赤城が手すりを掴んで屋上から見える教室を見た。自席でぼーっとしている恋を見つけた。
「何があったかわからないけど俺に話してみなよー!俺が万事解決してやるって!」
何も言えず赤城を見つめる仲川が何を言おうか悩んでいると赤城が近づいてきた。
「とりあえず俺も聞いてみはするけど話してくれないかも。なんか話してくれたら俺に教えて。あと携帯出して。L◯NE教えて。」
「あ、はい。」と仲川が携帯を出すと、「なんかわからないけど面白そうだから俺もー。」と佐々木も携帯を出した。何故か陽キャ二人にL◯NEを交換させられた仲川は先に戻って行った。
「...で?一応俺いい子にしてたけど、いい加減そろそろ教えてくれない?」
佐々木が笑いながらガチトーンで赤城に聞いた。
「......何が聞きたいの?」
「んー。今の話~というより恋人のこと?仲川が言ってたあいつって誰ー?」
「あー...最初から聞いてたのね。」
「まーた異色のコンビじゃん!って思って気になってあと追いかけちゃった。でも失敗~。もっと気になる話してて俺ソワソワだわ!」
赤城は嬉しそうに話す佐々木から離れてベンチに座った。
「何でそんなに気になるの。」
警戒する赤城とは裏腹に佐々木は楽しそうに赤城の隣に座った。
「単に気になるだけ。あんだけ恋愛毛嫌いしてたお前が手のひら返したように恋人で悩んで、挙げ句の果てに手も出さないなんてさ。どこぞの女だよって思うわけよ。」
佐々木の言葉に赤城は少し冷静になった。「はぁ。」とため息を吐いて口を開いた。
「別にお前に話したくないわけじゃないんよ。ただ余裕がないだけ。今までの恋愛とは違って結構ガチだからさ、今の相手。仲川は向こうが付き合ってんの話したから。だから知ってんのよ。仲良いからね、クラスでも一緒にいるし。」
それだけ話すと赤城は立ち上がった。
「え。クラス......え?ちょ、ちょっとまっ...」
「あ。」
赤城は最後に振り返って佐々木に伝えた。
「前も言ったけどあの子はそういう感じの子じゃないから。変な話とか質問向こうにしたら本気でキレるから。そこだけは覚えといてね。」
念を押し、話をしてから赤城は立ち去った。
残された佐々木は一人で困惑し、放課後まで屋上で過ごした。
......絶対余計なことしたか?俺。友が心配だから口出したけど、なんか一軍二人にL◯NE交換させられるし。佐々木に関しては......あれはもう芦野のこと赤城ゲロんないと気が済まないやつだよな。大丈夫かな......。
仲川は赤城の事が気になりUターンして屋上に戻った。そこで佐々木に恋の事を話す赤城を見た。自分の時のように真剣に話す赤城の姿に少し安心した。
立ち聞きしてるとドアを開けて赤城が入ってきて鉢合わせた。気まずい雰囲気なりながらも一緒に教室まで帰った。
「あちゃー。もうHR終わったやつですね。」
「そりゃーあんだけ話せばね。」
二人は黙々と帰り支度をした。一緒に昇降口に向かっている時仲川が話しかけた。
「佐々木に言ったんですね。付き合ってるの。」
「あー、まあね。」
「大丈夫なんですか?俺とかは別に大丈夫ですけど抵抗ある人だったら...。」
「あー...大丈夫。あいつも、と言うか...。そう言うの免疫はある人だから。」
含みのある言い方をする赤城に「そうですか。」と仲川は話を終わらせた。
......のに。...え?何でこの人ずっと一緒に歩いてんの?え。ここもう俺の最寄りなんだけど。
無言でずっと一緒にここまで帰ってきた赤城に何も言えずにいた仲川。
「あの。......なんでいるんですか?家絶対こっちじゃないですよね?」
痺れを切らして聞くと赤城が「芦野。」と一言だけ言った。
「あ、なるほど...。」
そこからまた無言になり恋と仲川の家の分岐で仲川が「じゃあここで。」と言うと赤城が「あのさ。」と声をかけた。
「巻き込んで悪いけど、なんかあったら芦野の話聞いてやって。俺には言わないけど、仲川に言う事あるかもだから。それだけ。また月曜ねー。」
そう言い残し、恋の家に向かった。
その背中に仲川は微笑んだ。
「あーあ。本気で愛されてんなー。あいつ。」
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