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3◆ルーチェ視点

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今日は俺の大事な弟のアデルと、その夫のジュリアナと、俺とリオネルで2週間に一度のお茶会の日だ。

「アデル~~!俺を癒してくれ~~~!」

ブラコンと言われても構わない!

俺はアデルをヒシッ!と抱き締め、アデルの癒し成分をたっぷり補充していた。

しかし、リオネルが不満そうに手を広げた。

「ルーチェ殿!癒しなら、私がたっぷりガッツリ並々と注ぎますから、私で補充してください!ルーチェ殿の指定席の、私のココが空いていますよ!!」

必死に訴えてくるけど、俺は今癒され中なんだ。

無視していると、リオネルが寄ってきて俺をアデルから引き離した。

「何するんだよ!」

「ルーチェ殿を癒すのは、ルーチェ殿を愛している私の特権だと法律で決まっています!」
 
自信満々に言い切るリオネルだが、俺は騙されないからな?

「そんな法律はない!」

「ないなら作ります!職権乱用上等です!!」

「っ!?いや、やめろよ?本当にやめろよ?リオネルで癒し補充するから、マジでやめろよ!?」

めちゃくちゃ焦ったよ………。

そんなくだらないことで、職権乱用なんかされたら………俺の精神がポックリ逝ってしまうわ!

摂取したばかりのアデルの癒し成分が、冷や汗で全て抜けてしまうぐらい俺はリオネルを必死に止めた。

「法律の一つや二つ、愛のためなら私は頑張りますよ?」

「そんなことに頑張らないで!?」

アワアワしている俺を、リオネルは愛しそうに抱き締めて楽しそうに笑っている。

そんな俺を、アデルは苦笑しながらみつめ、ジュリアナは何故か頷いている。

………おいテメェ、何に対して頷いていやがる。

というか、国のトップだろ!

目の前の職権乱用ほのめかす宰相なんとかしろよ!!

俺は、これでもかとジュリアナを睨みつけた。

「ルーチェ殿、私以外をそんな熱い眼差しでみつめたら嫌です。うっかり陛下に攻撃魔法使いたくなりました」

………もう勝手に言ってろ。

俺は、お茶会前から疲れてしまったのだった。
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