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4◆リエリル視点
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私は、人間ではありません。
この世界には、魔族という種族がいました。
しかし、ある日人間に滅ぼされました。
滅びた魔族は『悪魔』と呼ばれるようになり、悪魔は生きていることすら許されません。
みつかれば殺され、生きている悪魔がいると知られれば地獄の果てまで追われて殺されます。
その追われている悪魔が………私です。
皆人間に殺されました。
母も父も幼かった妹も………。
友人も……皆死にました。
生き残った私も、こうして日々追われる身です。
魔族は人間とは少し違うだけで、普通に生きていただけなのに………。
私が人間を恨み、こんな世界を恨み、神を恨んでも仕方ないでしょう?
………私は、人間が許せません。
あぁ、しかし………。
チハル、私の生け贄。
貴方は不思議な人です。
チハルといると、ドロドロした私の恨みが癒されるんです。
だけど、儀式のための準備は日に日に進む。
チハルが笑うと私も楽しくて、チハルの手に触れるとチハルの体温に穏やかな気持ちになる。
チハルに純粋な好意を向けられ、私もチハルが好きになる。
………けれど、チハルは生け贄。
儀式の日、その命を私が奪う。
死んだチハルは物言わぬ骸となり、チハルの笑顔を永遠に失う。
………嫌だ。
なんて私はバカなんでしょうね?
チハルが生け贄だってわかっていたじゃないですか。
チハルを生け贄として召喚したのは私じゃないですか。
なのに……なんで今さら………。
………感情というものは、とても厄介なモノですよね。
チハルを、好きになってしまうなんて………。
この世界には、魔族という種族がいました。
しかし、ある日人間に滅ぼされました。
滅びた魔族は『悪魔』と呼ばれるようになり、悪魔は生きていることすら許されません。
みつかれば殺され、生きている悪魔がいると知られれば地獄の果てまで追われて殺されます。
その追われている悪魔が………私です。
皆人間に殺されました。
母も父も幼かった妹も………。
友人も……皆死にました。
生き残った私も、こうして日々追われる身です。
魔族は人間とは少し違うだけで、普通に生きていただけなのに………。
私が人間を恨み、こんな世界を恨み、神を恨んでも仕方ないでしょう?
………私は、人間が許せません。
あぁ、しかし………。
チハル、私の生け贄。
貴方は不思議な人です。
チハルといると、ドロドロした私の恨みが癒されるんです。
だけど、儀式のための準備は日に日に進む。
チハルが笑うと私も楽しくて、チハルの手に触れるとチハルの体温に穏やかな気持ちになる。
チハルに純粋な好意を向けられ、私もチハルが好きになる。
………けれど、チハルは生け贄。
儀式の日、その命を私が奪う。
死んだチハルは物言わぬ骸となり、チハルの笑顔を永遠に失う。
………嫌だ。
なんて私はバカなんでしょうね?
チハルが生け贄だってわかっていたじゃないですか。
チハルを生け贄として召喚したのは私じゃないですか。
なのに……なんで今さら………。
………感情というものは、とても厄介なモノですよね。
チハルを、好きになってしまうなんて………。
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