僕たちが幸せを知るのに

あかね

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Capitolo2…Avventura

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「ペ、はぁっ⁉︎やだよっ」

「なんで、見せてくれるつもりだったんでしょ?」

「そうだけど、用途が違うじゃんか。裸の像を作るの?」

「それも良いけど、まず骨格を作って、そこに衣類を肉付けするのよ。漫画とかもそうでしょ?それはさておき、見せられないような粗末なモノなの?外国人のレオくん」

「……美人のくせに性格悪いな」

 こんなのを抱こうと思ってた自分を呪う。

 ナンパするにも下調べが必要だったと珍しく後悔した。

 走って逃げたいけど僕は今上半身裸だ、電車にも乗れないし歩いて帰れる距離じゃない。

 タクシーを呼ぼうにもこの姿で待つなんてできやしない。

「私に美人なんて言ってくれる人、いないわよ…さぁ、脱いでよ」

「…萎えちゃったんだけど」

「良いわよ、ダビデ像とか見たことない?竿自体はそんなに大きくないわよ、タマにちょこんと載ってるだけ。まぁあれ全長が5メートルとかだからそれなりのデカブツだけどねー」

「シラトリさん、下品だね」

「そう?別にレオくんのペニスで笑おうなんて思っちゃいないわよ。資料として見せて欲しいだけで」

 悔しいな、僕はまんまと彼女のホームへ連れ込まれて優位に試合を運ばされていたんだ。

 おふざけが過ぎるわよ、ってそんなところだろう…こんなことで狼狽うろたえる若造を腹の底で笑っているに違いない。


「……」

「ん?オバサンと遊ぶんでしょ?」

「その気は失せたよ…僕、上品な熟女が好きなんだ」

「あーそう、あはっ♡ごめんねぇ、じゃあシャツ、着てお帰りなさいな」

彼女はスケッチブックを作業机に置いて、椅子の背に掛けていた小汚いエプロンを身に着けた。

「……上手うわてだね」

「そうでもないわよ。あなたこそ…若いのに慣れてるのね。ダメよ?淫行は…相手の方が捕まるんだから」

「もう18になってるから…」


 もう僕の方は見ていない、スケッチブックのラフを元に彼女は別の紙へ同じような僕の絵を描き起こしていく。

 机の向かいからじいっと眺めていると彼女は目線だけこちらにくれて、

「…帰らないの?」

と意地悪を言う。

「まだ乾いてないもん」

「あぁそう…こんなこと言えば絶対逃げ出すと思ったんだけど…肝が据わってんのねー、まぁいいわ。折角だから上半身だけもう少し見せてくれる?キレイな腹筋してるから」

「うん、それくらいなら…」

僕はもう一度立ち上がり、さっきと違うポーズで上半身の男らしさをアピールした。
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