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第2章 悪魔の思惑

92話 境界の扉[2]

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「さぁて、オープン!」

「む、規定の時間よりも早いようだが…予言がまちが…」
「まずはひとーり!さぁ…死にたい奴からかかってきな!」

「!?、敵襲だッ!数は9人!
1人は人間のようですが、残りは…悪魔です!
あ、悪魔王が全員集結しております!」

「あは♪さぁ、踊り狂え!後悔しろ!あははは!」

「ええい!数は少ないのだ!全員でかかれッ!」

「む、無理です!敵の装甲を突破できません!」

「弱い、弱いぞ魔人軍!
その程度で我らが人族の土地を侵略しよう等とは片腹痛い!」

「くっ…どうにか出来ないのか!」

〈数は…そろそろ1割だな。どこまで減らすんだ?半分っつったが…〉

「うーん、これだけしか居ないなら…そうだね、あと2割くらい減らしたら問題なく人間達だけで勝てるんじゃない?
借力の現物化さえ出来れば、大分殲滅力が上がるし…特に、レオンハートさんの英雄の剣なら、現物化かえすればあれは殲滅力がかなり高いからね。
といっても、あれって私が使ってみてわかったけど、本物と同程度とは言え、それ以上はいけないから…特化している英雄に勝とうとすると、結構努力が必要だけどね。
まぁ、それでもある程度は問題ないんじゃないかなぁ」

〈んじゃ、保険を掛けて3割削るか…にしても、お嬢。俺の力が敵を倒す度に上がってる気がするんだが、なんでか知らねぇか?〉

『それについては私が説明致しましょう。
真名の契約は、その真名に力が縛られます。
その為…例えば、ベルゼビュートという真名を授かったあなたならば、捕食…つまり、敵を倒す度に力を吸収し、強化致します』

「だってさ」

〈なるほど、真名による強化か…だから悪魔王様達も強いのか?〉

『いえ、彼女らの力は、あくまで才能の範疇でございます。
そのため、このまま戦闘を続ければいずれ追い抜くことが可能ですよ。
まぁ、彼女らが努力をしない場合ですが…』

「まぁ努力なんてほとんどしないと思うよ?だから、直ぐに抜かせるんじゃないかな~!
それに、ベルの力が増すとその都度契約主の私の力も強まってるんだよね~
しかも、その強さは魂に結ばれているから、どうやら契約解除をしたとしても、永続みたいだし」

〈そりゃあ、どんどん働かねぇとな〉

「うーん、雑兵はこれくらいにして…あとは、将軍を何人か減らしておかないとね。
ただ…あそこの大将、あれだけは残しておこう。少し厳しい戦いになるかもしれないけど、それでも勝利することが出来たら民からの信頼も強くなるからね。
命を賭けるほど…ってやつだよ。
それじゃあ…とりあえず、そろそろ撤退しよう。
あとは、彼らの力をある程度増幅させて…って感じかなぁ」
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