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第3章 [新]連合国エスアール

105話 英雄の素質[2]

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「さて、それじゃあ…さっそく、実家に凸ろっか!」

「ああ…はぁ!?ま、待て!なぜそうなるのだ!」

「え、そりゃもちろん…ガオウさんの兄弟に会うからだよ?
その姿でも、も飛べそう?最初は君の元々の獅子の姿と違うから動きにくいと思うけど」

「あ、ああ…一応…大丈夫、な筈だが…」

「体内に魔力を循環させてみて。
鳥類の肉体は、翼が腕の役割をしているから、全身に魔力を循環させないとあまり上手く動けないと思うよ」

「魔力を循環…むぅ、魔力を意識的に動かしたことはあまりないのだが…」

「あれ、もしかして魔力じゃない?うーん、ちょっと見てみるね」

私は鑑定と一緒に、ガオウさんの体内に流れている力を確認した。
すると、確かに魔力とは少し性質が違う力が流れ込んでいた。

「…あっ、私の体にも作れたかも…えーっとね、じゃあ今から一緒に体内の循環をしてあげるから、その後は自分で意識してやってみて」

「あ、ああ。分かった」

私は彼の頭に手を置くと、そこから先程作られた力に干渉して体内へと道を作っては流し込み…循環させ始めた。

「はい、これで大丈夫。動くかやってみてくれる?」

「バサッ…おお、翼が動くぞ。しかも、飛ぶこともできるとは…」

「(いいねぇ、この能力…神聖力と魔力、それと…この力はなんて名付けようかな。そうだなぁ…うん、闘気…かな。
これらの力を、同時に能力として発動して…)
〘変幻自在:天使〙
よし、それじゃあ実家に案内してくれる?もちろん、飛ぶ練習をしながらね。
それと…その姿が上手くいったら、次はスフィンクス…翼を持つ獅子の姿に変わって行動してみて。
先祖は威厳を保つために、空を飛ぶ時はその姿で行動していたからさ」

「あ、ああ…とにかく、ひとまずはこの姿に慣れなければ…」

「まぁ、コツさえ掴めば直ぐに慣れるよ。
さぁ、早く飛んでくよ…
って、あー待って。ちょっとここら辺で飛ぶ練習しておいて」

「お?おう」

「はいこれ、一応獅子の姿絵を置いておくから、鴉に慣れたらこっちに変身しておいてね」

私はそういって直ぐに、建設予定の城の方へと向かった。

「建築魔法、って所かな?」

「む、美音殿か。どうしたのだ?」

「えーっと、誰だっけ…あのー…智ノ魔王」

「…ああ、彼奴ならばあそこの小屋で政情について纏めておる」

「なるほど、ありがとね。引き続き頑張って」

「うむ…ところで美音殿、なにか珍しい素材などは持ってはおらぬか?」

「珍しい素材?うーん、特にはないけど…どんなのが欲しいの?」

「ふむ、そうだな…出来ればレアな獣の素材なんかがあれば欲しいところだが…」

「ああ、それなら…この爪はどう?」

「これは…ふむ、熊、のようだが…しかし、見たことがない種だな…なんという熊だ?」

「へぇ、そこまで分かるんだ。
この爪は、デビルベアっていう熊の素材だね」

「なんと、魔界の素材であったか…なるほど、ならば見たことがないのも納得した…して、これは幾らでくれるのだ?」

「え?ああ…じゃあ、これからもこの国に尽力してくれたら良いよ」

「ふむ…それはもちろんだ。ありがたく頂戴いたす」

さてと…貨幣について忘れてたから、先にそれを話しておかないとね。
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